地方分権推進法
(平成七年五月十九日法律第九十六号)
最終改正年月日:平成一二年五月一九日法律第七一号
第一章 総則(第一条―第三条)
第二章 地方分権の推進に関する基本方針(第四条―第七条)
第三章 地方分権推進計画(第八条)
第四章 地方分権推進委員会(第九条―第十七条)
附則

第一章 総則

(目的)
第一条
 この法律は、国民がゆとりと豊かさを実感できる社会を実現することの緊要性にかんがみ、地方分権の推進について、基本理念並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、地方分権の推進に関する施策の基本となる事項を定め、並びに必要な体制を整備することにより、地方分権を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。

(地方分権の推進に関する基本理念)
第二条
 地方分権の推進は、国と地方公共団体とが共通の目的である国民福祉の増進に向かって相互に協力する関係にあることを踏まえつつ、各般の行政を展開する上で国及び地方公共団体が分担すべき役割を明確にし、地方公共団体の自主性及び自立性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図ることを基本として行われるものとする。

(国及び地方公共団体の責務)
第三条
 国は、前条に定める地方分権の推進に関する基本理念にのっとり、地方分権の推進に関する施策を総合的に策定し、及びこれを実施する責務を有する。
2 地方公共団体は、国の地方分権の推進に関する施策の推進に呼応し、及び並行して、その行政運営の改善及び充実に係る施策を推進する責務を有する。
3 国及び地方公共団体は、地方分権の推進に伴い、国及び地方公共団体を通じた行政の簡素化及び効率化を推進する責務を有する。

第二章 地方分権の推進に関する基本方針

(国と地方公共団体との役割分担)
第四条
 地方分権の推進は、国においては国際社会における国家としての存立にかかわる事務、全国的に統一して定めることが望ましい国民の諸活動若しくは地方自治に関する基本的な準則に関する事務又は全国的な規模で若しくは全国的な視点に立って行わなければならない施策及び事業の実施その他の国が本来果たすべき役割を重点的に担い、地方公共団体においては住民に身近な行政は住民に身近な地方公共団体において処理するとの観点から地域における行政の自主的かつ総合的な実施の役割を広く担うべきことを旨として、行われるものとする。

(地方分権の推進に関する国の施策)
第五条
 国は、前条に定める国と地方公共団体との役割分担の在り方に即して、地方公共団体への権限の委譲を推進するとともに、地方公共団体に対する国の関与(地方公共団体又はその機関の事務の処理又は管理及び執行に関し、国の行政機関が、地方公共団体又はその機関に対し、許可、認可等の処分、届出の受理その他これらに類する一定の行為を行うことをいう。)、必置規制(国が、地方公共団体に対し、地方公共団体の行政機関若しくは施設、特別の資格若しくは職名を有する職員又は附属機関を設置しなければならないものとすることをいう。)、地方公共団体の執行機関が国の機関として行う事務及び地方公共団体に対する国の負担金、補助金等の支出金の地方自治の確立を図る観点からの整理及び合理化その他所要の措置を講ずるものとする。

(地方税財源の充実確保)
第六条
 国は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保を図るものとする。

(地方公共団体の行政体制の整備及び確立)
第七条
 地方公共団体は、行政及び財政の改革を推進するとともに、行政の公正の確保と透明性の向上及び住民参加の充実のための措置その他の必要な措置を講ずることにより、地方分権の推進に応じた地方公共団体の行政体制の整備及び確立を図るものとする。
2 国は、前項の地方公共団体の行政体制の整備及び確立に資するため、地方公共団体に対し必要な支援を行うものとする。

第三章 地方分権推進計画

(地方分権推進計画)
第八条
 政府は、地方分権の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、前章に定める地方分権の推進に関する基本方針に即し、講ずべき必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を定めた地方分権推進計画を作成しなければならない。
2 内閣総理大臣は、地方分権推進計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
3 政府は、地方分権推進計画を作成したときは、これを国会に報告するとともに、その要旨を公表しなければならない。

第四章 地方分権推進委員会

(設置)
第九条
 内閣府に、地方分権推進委員会(以下「委員会」という。)を置く。

(所掌事務)
第十条
 委員会は、この法律に定める地方分権の推進に関する基本的事項について調査審議し、その結果に基づいて、第八条に定める地方分権推進計画の作成のための具体的な指針を内閣総理大臣に勧告する。
2 委員会は、地方分権推進計画に基づく施策の実施状況を監視し、その結果に基づき内閣総理大臣に必要な意見を述べる。

(国会への報告)
第十一条
 内閣総理大臣は、前条第一項の勧告を受けたときは、これを国会に報告するものとする。

(組織)
第十二条
 委員会は、委員七人をもって組織する。

(委員)
第十三条
 委員は、優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
2 前項の場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、同項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員を任命することができる。
3 前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を得なければならない。この場合において、両議院の事後の承認が得られないときは、内閣総理大臣は、直ちにその委員を罷免しなければならない。
4 内閣総理大臣は、委員が破産の宣告を受け、又は禁錮以上の刑に処せられたときは、その委員を罷免しなければならない。
5 内閣総理大臣は、委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認めるとき、又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認めるときは、両議院の同意を得て、その委員を罷免することができる。
6 委員は、職務上知ることができた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
7 委員は、非常勤とする。

(委員長)
第十四条
 委員会に、委員長を置き、委員の互選によりこれを定める。
2 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。
3 委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。

(資料の提出その他の協力等)
第十五条
 委員会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、行政機関及び地方公共団体の長に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。
2 委員会は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、行政機関及び地方公共団体の業務の運営状況を調査し、又は委員にこれを調査させることができる。
3 委員会は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、第一項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。

(事務局)
第十六条
 委員会の事務を処理させるため、委員会に事務局を置く。
2 事務局に、事務局長のほか、所要の職員を置く。
3 事務局長は、委員長の命を受けて、局務を掌理する。

(政令への委任)
第十七条
 この法律に定めるもののほか、委員会に関し必要な事項は、政令で定める。

附則 抄

(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して四月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第十三条第一項中両議院の同意を得ることに関する部分は、公布の日から施行する。
(この法律の失効)
3 この法律は、附則第一項の政令で定める日から起算して六年を経過した日にその効力を失う。

附則 (平成一一年一二月八日法律第一五一号) 抄

(施行期日)
第一条
 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。

(経過措置)
第三条
 民法の一部を改正する法律(平成十一年法律第百四十九号)附則第三条第三項の規定により従前の例によることとされる準禁治産者及びその保佐人に関するこの法律による改正規定の適用については、次に掲げる改正規定を除き、なお従前の例による。
一 第四条の規定による非訟事件手続法第百三十八条の改正規定
二 第七条中公証人法第十四条及び第十六条の改正規定
三 第十四条の規定による帝都高速度交通営団法第十四条ノ六の改正規定
四 第十七条の規定による私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第三十一条の改正規定
五 第二十条中国家公務員法第五条第三項の改正規定
六 第二十八条の規定による競馬法第二十三条の十三、日本中央競馬会法第十三条、原子力委員会及び原子力安全委員会設置法第五条第四項、科学技術会議設置法第七条第四項、宇宙開発委員会設置法第七条第四項、都市計画法第七十八条第四項、北方領土問題対策協会法第十一条、地価公示法第十五条第四項、航空事故調査委員会設置法第六条第四項及び国土利用計画法第三十九条第五項の改正規定
七 第三十一条中建設業法第二十五条の四の改正規定
八 第三十二条の規定による人権擁護委員法第七条第一項の改正規定
九 第三十三条の規定による犯罪者予防更生法第八条第一項の改正規定
十 第三十五条中労働組合法第十九条の四第一項及び第十九条の七第一項の改正規定
十一 第四十四条中公職選挙法第五条の二第四項の改正規定
十二 第五十条中建築基準法第八十条の二の改正規定
十三 第五十四条中地方税法第四百二十六条の改正規定
十四 第五十五条中商品取引所法第百四十一条第一項の改正規定
十五 第五十六条中地方公務員法第九条第三項及び第八項の改正規定
十六 第六十七条中土地収用法第五十四条の改正規定
十七 第七十条の規定によるユネスコ活動に関する法律第十一条第一項、公安審査委員会設置法第七条及び社会保険審査官及び社会保険審査会法第二十四条の改正規定
十八 第七十八条の規定による警察法第七条第四項及び第三十九条第二項の改正規定
十九 第八十条の規定による労働保険審査官及び労働保険審査会法第三十条、公害等調整委員会設置法第九条及び公害健康被害の補償等に関する法律第百十六条の改正規定
二十 第八十一条の規定による地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四条第二項の改正規定
二十一 第八十四条の規定による農林漁業団体職員共済組合法第七十五条第一項の改正規定
二十二 第九十七条中公害紛争処理法第十六条第二項の改正規定
二十三 第百四条の規定による国会等の移転に関する法律第十五条第六項及び地方分権推進法第十三条第四項の改正規定
二十四 第百八条の規定による日本銀行法第二十五条第一項の改正規定
二十五 第百十条の規定による金融再生委員会設置法第九条第一号の改正規定

第四条
 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附則 (平成一二年五月一九日法律第七一号) 抄

(施行期日)
第一条
 この法律は、公布の日から施行する。

(中央省庁等改革のための国の行政組織関係法律の整備等に関する法律の一部改正)
第三条
 中央省庁等改革のための国の行政組織関係法律の整備等に関する法律(平成十一年法律第百二号)の一部を次のように改正する。 第二十六条の次に次の一条を加える。
(地方分権推進法の一部改正)第二十六条の二 地方分権推進法(平成七年法律第九十六号)の一部を次のように改正する。第九条中「総理府」を「内閣府」に改める。
第十一条の見出しを「(国会への報告)」に改め、同条第一項を削り、同条第二項を同条とする。 附則第十二条の次に次の一条を加える。
(地方分権推進法の一部改正に伴う経過措置)第十二条の二 この法律の施行の際現に従前の総理府の地方分権推進委員会の委員である者は、この法律の施行の日に、第二十六条の二の規定による改正後の地方分権推進法(次項において「新地方分権推進法」という。)第十三条第一項の規定により、内閣府の地方分権推進委員会の委員として任命されたものとみなす。
2 この法律の施行の際現に従前の総理府の地方分権推進委員会の委員長である者は、この法律の施行の日に、新地方分権推進法第十四条第一項の規定により、内閣府の地方分権推進委員会の委員長として定められたものとみなす。