新幹線鉄道構造規則
(昭和三十九年九月三十日運輸省令第七十号)
最終改正年月日:平成一二年一一月二九日運輸省令第三九号

鉄道営業法(明治三十三年法律第六十五号)第一条の規定に基づき、東海道新幹線鉄道構造規則を次のように定める。

第一章 総則(第一条―第五条の五)
第二章 線路及び建造物
第一節 軌間(第六条―第八条)
第二節 曲線(第九条―第十四条)
第三節 勾配(第十五条・第十六条)
第四節 建築限界(第十七条・第十八条)
第五節 施工基面の幅及び軌道中心間隔(第十九条・第二十条)
第六節 線路構造(第二十一条―第二十四条)
第七節 停車場(第二十五条)
第八節 分岐及び平面交差(第二十六条・第二十七条)
第九節 安全設備(第二十八条―第三十一条)
第十節 線路標(第三十二条)
第三章 電気施設(第三十三条―第四十条)
第四章 車両等
第一節 車両限界(第四十一条・第四十二条)
第二節 車両の重量(第四十三条・第四十四条)
第三節 車両の走行装置(第四十五条―第五十条)
第四節 車両の連結器(第五十一条―第五十三条)
第五節 車両のブレーキ(第五十四条・第五十五条)
第六節 車両の車体(第五十六条―第五十八条の二)
第七節 車両の装置(第五十九条―第六十八条)
第八節 車両の表記(第六十九条)
第九節 準車両(第七十条)
第五章 運転保安設備(第七十一条―第八十条)
附則

第一章 総則

(目的)
第一条
 この省令は、新幹線の輸送の用に供する施設及び車両の構造を定めることにより、輸送の安全を図り、もつて公共の福祉を確保することを目的とする。

(用語の意味)
第二条
 この省令における用語の意味は、次のとおりとする。
一 「新幹線」とは、全国新幹線鉄道整備法(昭和四十五年法律第七十一号)第二条に規定する新幹線鉄道をいう。
一の二 「営業主体」とは、新幹線の営業を行う法人をいう。
一の三 「建設主体」とは、新幹線の建設を行う法人をいう。
二 「停車場」とは、旅客の乗降、荷物の積卸、車両の入換え又は列車の組成、行違い若しくは待合せを行なうために常用される場所をいう。
三 「本線」とは、列車の運転に常用される線路をいう。
四 「側線」とは、本線でない線路をいう。
五 「電車線路」とは、電車線及びこれを支持する工作物をいう。
六 「車両」とは、機関車、旅客用電車、貨物及び特殊車(軌道試験車、レール探傷車、レール研削車、電気試験車及び事故救援車をいう。)をいう。
七 「準車両」とは、モーターカー、マルティプル・タイタンパー、小型クレーン車その他線路を使用する車であつて、車両以外のものをいう。
八 「列車」とは、新幹線鉄道運転規則(昭和三十九年運輸省令第七十一号)第二条第七号に規定する列車をいう。

(実施規定)
第三条
 営業主体又は建設主体は、この省令の実施に関する規定を定めなければならない。
2 建設主体(営業主体である建設主体を除く。次条第二項において同じ。)は、前項の実施に関する規定を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、営業主体に協議しなければならない。
3 第一項の実施に関する規定は、国土交通大臣がこの省令の実施に関する細目を定めたときは、これに従つて定めなければならない。

(特別の構造)
第四条
 営業主体又は建設主体は、この省令の規定により難い特別の理由がある場合において国土交通大臣の許可を受けたときは、これらの規定と異なる構造とすることができる。
2 建設主体は、前項の許可を受けようとするときは、あらかじめ、営業主体に協議しなければならない。
3 第一項の規定による許可には、条件又は期限を付することができる。

第五条
 災害等のため一時使用する施設又は車両の構造については、この省令によらないことができる。

(届出)
第五条の二
 営業主体又は建設主体は、第三条第一項の実施に関する規定を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、当該規定又は変更しようとする事項を国土交通大臣に届け出なければならない。

(書類の経由)
第五条の三
 第四条第一項又は前条の規定により国土交通大臣に提出すべき申請書又は届出書は、それぞれ当該事案の関する土地を管轄する地方運輸局長(当該事案が二以上の地方運輸局長の管轄区域にわたるときは、当該事案の主として関する土地を管轄する地方運輸局長)を経由して提出しなければならない。

(危害の防止)
第五条の四
 新幹線の建設は、のり切、切土、掘さく、盛土、くい打ち等により人に危害を及ぼさないように行なわなければならない。

(著しい騒音の防止)
第五条の五
 施設及び車両は、列車の走行に伴い発生する著しい騒音の防止について特に配慮がなされた構造としなければならない。

第二章 線路及び建造物
第一節 軌間

(軌間)
第六条
 軌間は、一・四三五メートルとする。

(普通鉄道構造規則の準用)
第七条
 普通鉄道構造規則(昭和六十二年運輸省令第十四号)第十五条第一項の規定は、新幹線について準用する。

第八条
 削除

第二節 曲線

(本線における曲線半径)
第九条
 本線における最小曲線半径は、二千五百メートルとする。ただし、地形上等のためやむを得ない場合には、列車の速度を考慮して四百メートルとすることができる。
2 乗降場に沿う線路における最小曲線半径は、前項の規定にかかわらず、千メートル(乗降場の端部に沿う線路にあつては、五百メートル)とする。
3 分岐に附帯する曲線における最小曲線半径は、第一項の規定にかかわらず、五百メートル(回送列車又は貨物列車の運転のみに使用される線路にあつては、二百メートル)とする。

(側線における曲線半径)
第十条
 側線における最小曲線半径は、二百メートルとする。

(緩和曲線)
第十一条
 本線における直線と円曲線の間及び同方向の二つの円曲線の間には、次の式のそれぞれによつて計算される数値のうち最大のもの以上の長さの緩和曲線を挿入しなければならない。ただし、分岐に附帯する線路にあつては、この限りでない。L=7.5CdV
L=6.2CmV
L=300Cm この式において、L、Cd、Cm及びVは、それぞれ次の数値を表わすものとする。L 緩和曲線の長さ(単位 メートル)
Cd カント不足量(同方向の二つの円曲線の間に緩和曲線を挿入する場合には、それぞれのカント不足量の差。単位 メートル)
Cm 実カント(同方向の二つの円曲線の間に緩和曲線を挿入する場合には、それぞれの実カントの差。単位 メートル)
V 当該曲線を走行する列車の最高速度(単位 キロメートル毎時)

(曲線間の直線)
第十二条
 本線における緩和曲線の間には、百メートル(列車を百二十キロメートル毎時以下の速度で運転する箇所においては、五十メートル)以上の長さの直線を挿入しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、地形上等のため同項に規定する長さの直線を挿入することができない場合には、次のいずれかによるものとする。
一 両緩和曲線を直接結ぶものとすること。
二 両緩和曲線においてカントの逓減を曲線逓減とすること。
3 側線における反対方向の円曲線の間には、相当の長さの直線を挿入しなければならない。

(円曲線の長さ)
第十三条
 本線における円曲線の長さは、百メートル(列車を百二十キロメートル毎時以下の速度で運転する箇所においては、五十メートル)以上としなければならない。ただし、円曲線の両端に接続する緩和曲線においてカントの逓減を曲線逓減とする場合は、この限りでない。
2 地形上等のため前項に規定する長さの円曲線を設けることができない場合には、両緩和曲線を直接結ぶものとする。

(カント)
第十四条
 曲線には、二百ミリメートル以下の相当のカントをつけなければならない。ただし、分岐器内のものにあつては、この限りでない。
2 カントは、緩和曲線のある場合にはその全長において、緩和曲線のない場合には円曲線端からカントの数値の三百倍以上の長さの直線において逓減しなければならない。
3 同方向の二つの円曲線が接続する箇所の当該二つの円曲線のカントの差は、その差の数値の三百倍以上の長さにおいて半径の大きい方の円曲線において逓減しなければならない。

第三節 勾配

(線路の勾配)
第十五条
 線路の最急勾配は、千分の十五とする。ただし、延長二・五キロメートル以内の区間に限り千分の十八、延長一キロメートル以内の区間に限り千分の二十とすることができる。
2 回送列車又は貨物列車のみを運転する線路の最急勾配は、前項の規定にかかわらず、延長二百五十メートル以内の区間に限り千分の三十とすることができる。
3 地形上等のため前二項の規定によることが困難である区間における線路の最急こう配は、前二項の規定にかかわらず、列車の動力発生装置、動力伝達装置、走行装置及びブレーキ装置の性能を考慮して千分の三十五とすることができる。
4 列車の停止区域及び車両を留置し、又は解結する区域における線路の最急こう配は、前三項の規定にかかわらず、千分の三とする。

(縦曲線)
第十六条
 本線においてこう配の変化する箇所には、半径一万メートル(列車を百二十キロメートル毎時以下の速度で運転する箇所においては、五千メートル)以上の縦曲線を挿入しなければならない。
2 側線においてこう配の変化する箇所には、相当の縦曲線を挿入しなければならない。

第四節 建築限界

(建築限界)
第十七条
 建築限界内には、建物その他の建造物等を設けてはならない。

第十八条
 直線における建築限界は、第一図のとおりとする。
2 曲線における建築限界は、半径が二千五百メートル以上の曲線においては、前項の建築限界と同一とし、半径が二千五百メートル未満の曲線においては、前項の建築限界の各側に次の式により計算して得た数値を加えたものとする。W=50,000÷R この式において、W及びRは、それぞれ次の数値を表わすものとする。W 加えるべき数値(単位 ミリメートル)
R 曲線半径(単位 メートル)
3 曲線に沿う乗降場に対する建築限界は、前項の規定にかかわらず、第一項の乗降場に対する建築限界の各側に次の式により計算して得た数値を加えたものとする。W’=39,000÷R この式において、W’及びRは、それぞれ次の数値を表わすものとする。W’ 加えるべき数値(単位 ミリメートル)
R 曲線半径(単位 メートル)
4 円曲線端(第十三条第二項の規定により両緩和曲線を直接結んだ場合には、当該両緩和曲線を結んだ地点。以下同じ。)から緩和曲線端(緩和曲線がない場合には、当該円曲線端)の外方二十五メートルの地点までの区間における建築限界は、前三項の規定にかかわらず、前二項の規定により当該円曲線端において加えるべき数値を当該区間において逓減して第一項の建築限界の各側に加えたものとする。

第五節 施工基面の幅及び軌道中心間隔

(施工基面の幅)
第十九条
 築堤区間及び切取区間における施工基面の幅は、軌道の中心線から外縁まで三メートル以上としなければならない。
2 前項の幅は、曲線の場合には、相当量拡大しなければならない。

(軌道中心間隔)
第二十条
 停車場外の軌道中心間隔は、四・二メートル(列車を百二十キロメートル毎時以下の速度で運転する箇所においては、四メートル)以上としなければならない。
2 停車場内の軌道中心間隔は、四・六メートル以上としなければならない。ただし、作業上その必要のない箇所の軌道中心間隔は、四・二メートルまで減ずることができる。
3 半径二千五百メートル未満の曲線における軌道中心間隔は、前二項の規定にかかわらず、第十八条第二項及び第四項の規定により加えるべき数値の二倍以上の数値を前二項の軌道中心間隔に加えたものとしなければならない。

第六節 線路構造

(軌道及び橋梁の負担力)
第二十一条
 軌道及び橋梁は、第二図のN標準活荷重及びP標準活荷重に耐えるものでなければならない。ただし、旅客列車のみを運転する軌道及び橋梁にあつては、P標準活荷重に耐えるものであればよい。

(レール)
第二十二条
 本線は、新製の場合に長さ一メートルにつき五十キログラム以上の重量を有するレールを使用しなければならない。ただし、主として列車を留置する本線にあつては、この限りでない。
2 停車場外の本線のレールは、弾性締結装置により枕木又はコンクリートスラブ(枕木及び道床の機能を有するコンクリートの版その他これに類するものをいう。)と締結されたロングレールとしなければならない。ただし、地形上等のためロングレールとすることが適切でない箇所においては、この限りでない。

(軌道)
第二十三条
 本線の軌道は、砕石道床若しくはコンクリート道床及び枕木を用いたもの又はコンクリートスラブを用いたものとしなければならない。ただし、鋼橋においては、枕木のみを用いたものとすることができる。
2 前項の砕石道床の厚さは、枕木下面から施工基面まで三百ミリメートル(路盤がコンクリート又はこれと同等以上の支持力を有するものである道床にあつては、二百ミリメートル)を標準とする。

(著しい騒音を軽減するための設備)
第二十四条
 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校、医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第一条の五第一項に規定する病院若しくはこれらに準ずる施設に隣接し、又は住居の稠密な箇所に隣接する線路には、防音壁その他の列車の走行に伴い発生する著しい騒音を軽減するための設備を設けなければならない。

第七節 停車場

(乗降場)
第二十五条
 乗降場の縁端からレール面に垂直の軌道中心面までの距離は、一・七六メートル(通過列車を運転する線路に沿う乗降場にあつては、一・八メートル)を標準とする。
2 曲線に沿う乗降場の縁端からレール面に垂直の軌道中心面までの距離は、前項の距離に第十八条第三項及び第四項の規定により加えるべき数値を加えたものとする。
3 乗降場の幅は、両側を使用するものにあつては九メートル以上、片側を使用するものにあつては五メートル以上としなければならない。ただし、曲線に沿う乗降場の端部については、両側を使用するものにあつては五メートル、片側を使用するものにあつては四メートルまで逓減することができる。
4 乗降場の高さは、レール面上一・二五メートルを標準とする。
5 乗降場にある柱類と乗降場の縁端との距離は、二メートル以上としなければならない。
6 乗降場にある跨線橋口、地下道口、待合所等と乗降場の縁端との距離は、二・五メートル(通過列車を運転する線路に沿う乗降場にあつては、三メートル)以上としなければならない。
7 前二項の規定は、列車に対し旅客を防護する設備を設けた乗降場については、適用しない。

第八節 分岐及び平面交差

(本線の分岐)
第二十六条
 本線は、停車場外で分岐してはならない。

(本線の平面交差)
第二十七条
 本線は、他の線路と平面交差してはならない。ただし、停車場内であつて相当の保安設備を設けた場合は、この限りでない。
2 本線は、道路(一般公衆の用に供する道をいう。以下同じ。)と平面交差してはならない。

第九節 安全設備

(車止装置)
第二十八条
 軌道の終端には、相当の車止装置を設けなければならない。

(車両の逸走の防止)
第二十九条
 車両が逸走して危害を生ずるおそれのある箇所には、相当の保安設備を設けなければならない。

(橋梁下等の防護)
第三十条
 交通ひんぱんな道路、線路又は河川に架設する橋梁で、橋梁の下を通行するものに危害を及ぼすおそれがあるものには、相当の防護設備を設けなければならない。
2 道路、線路又は河川に架設する橋梁で、自動車、鉄道車両又は船舶の衝撃を受けるおそれのあるものには、相当の防護設備を設けなければならない。

(線路の防護)
第三十一条
 線路には、人の立入りを防止するために、軌道の中心線から両側三メートルをこえる場所に防護柵を設けなければならない。ただし、橋梁、トンネルその他人の容易に立ち入ることができない部分については、この限りでない。
2 切取区間、跨線道路橋、トンネル口、道路の隣接箇所等には、物件の落下等による線路の支障を防ぐための設備又は検知するための設備を設けなければならない。

第十節 線路標

(線路標)
第三十二条
 線路には、次に掲げる標を設けなければならない。
一 距離標
二 曲線標
三 勾配標
四 車両接触限界標

第三章 電気施設

(電車線の電圧)
第三十三条
 電車線の標準電圧は、単相交流二万五千ボルトとする。
2 電車線の電圧は、車両の機能を維持し、列車の運転時分を確保するため十分な値に保たなければならない。

(電車線の材質等)
第三十四条
 電車線は、日本工業規格「みぞ付き硬銅トロリ線」の規格に適合する公称断面積百十平方ミリメートル以上の溝付硬銅線又はこれに準ずるものとしなければならない。

(電車線の吊架)
第三十五条
 電車線の吊架方式は、カテナリ吊架式としなければならない。

(電車線の高さ)
第三十六条
 電車線の高さは、レール面上五メートルを標準とし、四・八メートル以上五・三メートル以下としなければならない。

(電車線の偏位)
第三十七条
 電車線の偏位は、レール面に垂直の軌道中心面から三百ミリメートル以内としなければならない。

(離線防止)
第三十八条
 本線の電車線路は、集電装置の離線を防止する構造としなければならない。

(張力自動調整装置)
第三十九条
 本線の電車線路には、張力自動調整装置を設けなければならない。

(普通鉄道構造規則の準用)
第四十条
 普通鉄道構造規則第五十三条(ただし書を除く。)、第五十五条、第六十二条から第六十五条(同条第四号ハに係る部分を除く。)まで、第六十六条(第二項、第四項ただし書及び第六項ただし書を除く。)、第六十七条(第二項第二号に係る部分を除く。)、第六十八条から第七十五条(同条第二項を除く。)まで、第七十六条、第七十八条並びに第三章第二節、第四節、第五節(第百十条第一項第五号並びに第百十二条第二号、第四号及び第五号に係る部分並びに第百十五条の二を除く。)及び第六節(第百二十八条第二項を除く。)の規定は、新幹線について準用する。この場合において、同令第六十二条中「千分の五」及び「千分の十五」とあるのは「千分の三」と、「千分の二十」とあるのは「千分の十五」と読み替えるものとする。

第四章 車両等
第一節 車両限界

(車両限界)
第四十一条
 車両は、車両限界をこえないものでなければならない。ただし、次の各号に掲げるものについては、それぞれ当該各号に掲げる場合に限り、車両限界をこえることができる。
一 車輪 建築限界内にある場合
二 砂まき管 車輪のリム(タイヤのある車輪にあつては、タイヤ。以下同じ。)の幅以内のものがレール面上四十ミリメートルまでにある場合
三 排障器 可撓性のある部分が建築限界内にある場合
四 軌道測定輪、レール探傷装置、レール研削装置及び建築限界測定装置 建築限界内において使用中の場合
五 扉類 使用中の場合
六 除雪装置、クレーンその他これらに類するもの 使用中の場合

第四十二条
 直線における車両限界は、第三図のとおりとする。
2 第十八条第二項から第四項までの規定は、車両限界について準用する。この場合において、同条第二項中「建築限界は、半径が二千五百メートル以上の曲線においては、前項の建築限界と同一とし、半径が二千五百メートル未満の曲線においては、前項の建築限界」とあるのは、「車両限界は、前項の車両限界」と、同条第三項及び第四項中「建築限界」とあるのは、「車両限界」と読み替えるものとする。

第二節 車両の重量

(軸重)
第四十三条
 軸重は、停止中において、機関車及び電車にあつては十七トン以下、その他の車両にあつては十六トン以下としなければならない。

(軌道及び橋梁に対する制限)
第四十四条
 車両は、軌道及び橋梁に対して、第二図のN標準活荷重及びP標準活荷重(旅客用電車にあつては、P標準活荷重)より大きい影響を与えないものとしなければならない。

第三節 車両の走行装置

(走行装置)
第四十五条
 走行装置は、堅牢で十分な強度を有し、運転に耐えるものとしなければならない。

(輪軸の配置等)
第四十六条
 輪軸の配置及び輪軸の取付構造その他の車両の各部の構造は、五ミリメートルのスラックを有する半径二百メートルの曲線を通過できるものとしなければならない。

(固定軸距)
第四十七条
 固定軸距(一つの折れ曲らない台わくにおける横遊びをつけない輪軸のうち最前位にあるものと最後位にあるものとの車軸中心間の水平距離をいう。)は、三・五メートル以下としなければならない。

(車輪の直径)
第四十八条
 車輪の直径は、車輪一対の中心線から七百四十五ミリメートルの距離における車輪踏面において七百三十ミリメートル以上としなければならない。

(車輪のリムの幅及び内面距離)
第四十九条
 車輪のリムの幅は、百二十ミリメートル以上百三十五ミリメートル以下としなければならない。
2 車輪のリム一対の内面距離は、一・三五八メートル以上一・三六三メートル以下としなければならない。

(車輪のフランジ)
第五十条
 車輪のフランジの高さは、車輪一対の中心線から七百四十五ミリメートルの距離における車輪踏面から測つた場合において二十五ミリメートル以上三十五ミリメートル以下としなければならない。
2 車輪一対の中心線からフランジ外面までの距離は、前項の踏面から十ミリメートル下位において七百四ミリメートル以上七百十四ミリメートル以下としなければならない。

第四節 車両の連結器

(連結器の設置)
第五十一条
 車両の両端には、密着連結器を設けなければならない。ただし、電車及び電車と連結運転する車両以外の車両については、肘付自動連結器を設けることができる。

(連結部の形状)
第五十二条
 連結器の連結部は、密着連結器にあつては第四図の形状を有するものと、肘付自動連結器にあつては第五図の形状を有するものと相互に連結できるものでなければならない。
2 肘付自動連結器の肘の高さは、二百二十五ミリメートル以上としなければならない。

第五十三条
 削除

第五節 車両のブレーキ

(ブレーキの設置)
第五十四条
 車両には、次に掲げる構造の貫通ブレーキを設けなければならない。
一 編成したすべての車両に作用するものであること。
二 編成した車両が分離したときに自動的に作用するものであること。
2 機関車及び貨車には、前項の貫通ブレーキのほか、手用ブレーキ、車側ブレーキその他これらと同等以上の性能を有するブレーキを設けなければならない。

(ブレーキの減速度)
第五十五条
 貫通ブレーキの減速度は、平坦な直線上において次の表に掲げる数値以上としなければならない。
車両別 速度(単位 キロメートル毎時) 減速度(単位 キロメートル毎時・毎秒)
最高運転速度が百十キロメートル毎時をこえる車両 百六十をこえる場合 一・九
百十をこえ百六十以下の場合 二・五
七十をこえ百十以下の場合 三・一
七十以下の場合 三・四
最高運転速度が七十キロメートル毎時をこえ百十キロメートル毎時以下の車両 七十をこえ百十以下の場合 二・九
七十以下の場合 三・四
最高運転速度が七十キロメートル毎時以下の車両 七十以下の場合 二・二


2 前項の数値は、機関車にあつては運転整備された状態、機関車以外の車両にあつては空車の状態におけるものとする。

第六節 車両の車体

(不燃構造)
第五十六条
 旅客用電車の車体には、金属又は不燃性の材料を使用しなければならない。

(運転室の構造)
第五十七条
 運転室は、次に掲げる構造としなければならない。
一 旅客が立ち入らないように客室から分離したものであること。
二 乗務員用の乗降口を設けること。
三 前号の乗降口が車両の側面にある場合は、扉を内開き戸又は引き戸とすること。
四 前面には、運転に必要な視野を有する窓を設けること。
五 前号の窓には、風圧に耐える安全ガラス又はこれと同等以上の性能を有する物を取り付けること。
六 両側面には、運転に必要な窓を設けること。

(旅客用電車の構造)
第五十八条
 旅客用電車は、次に掲げる構造としなければならない。
一 車体の両側面には、乗降口を設けること。
二 乗降口の床面の高さは、レール面上一・三メートルを標準とすること。
三 乗降口の床面縁端から車体中心までの距離は、一・六七メートル以上とすること。
四 車両の両端には、旅客が通行することができる貫通口及び貫通路を設けること。ただし、運転室を有する車両の当該運転室側の端については、この限りでない。
2 客室の床面積は、旅客定員一人につき〇・三平方メートル以上としなければならない。

(著しい騒音を軽減するための構造)
第五十八条の二
 車両の側スカート、碍子その他の各部は、列車の走行に伴い発生する著しい騒音を軽減するための構造としなければならない。ただし、もつぱら事故の復旧、施設の試験、検査又は保守の用に供する車両については、この限りでない。

第七節 車両の装置

(運転室の装置)
第五十九条
 運転室には、次に掲げる装置を設けなければならない。
一 制御設備の操作装置
二 ブレーキの操作装置
三 速度指示計
四 汽笛吹鳴装置
五 ブレーキ用圧力計
2 旅客用電車の運転室には、前項の装置のほか、次に掲げる装置を設けなければならない。
一 自動列車制御設備の車内信号現示装置
二 非常ブレーキ用スイッチ
三 車輪の回転の異常を報知する装置
四 保護接地用スイッチ
五 旅客用乗降口の戸閉確認装置
六 無線による特殊信号の受信装置

(客室の装置)
第六十条
 旅客用電車の客室には、次に掲げる装置を設けなければならない。
一 照明装置及び予備照明装置
二 換気装置
三 非常の際乗務員に知らせる装置
四 車内放送装置

(自動戸閉装置)
第六十一条
 旅客用乗降口には、次に掲げる構造の自動戸閉装置を設けなければならない。
一 扉は、引き戸又は内開き戸とすること。
二 運転室以外の場所に設けた操作装置は、鎖錠できること。
三 非常の際車両の内及び外において手動その他の方法により扉を開くことができること。

(排障装置)
第六十二条
 運転室を有する車両の前面には、障害物を排除することができる装置を設けなければならない。

(前部標識灯)
第六十三条
 運転室を有する車両の前面には、白色の前部標識灯一個以上を車両中心面に対して対称の位置に設けなければならない。
2 前項の前部標識灯は、六百メートル以上の距離で確認することができるものでなければならない。

(後部標識灯)
第六十四条
 列車の最後部となる機関車及び電車の後面には、赤色の後部標識灯二個以上を車両中心面に対して対称の位置に設けなければならない。
2 前項の後部標識灯は、二百メートル以上の距離で確認することができるものでなければならない。

(電気装置)
第六十五条
 電気回路の機器及び電線は、絶縁性、耐振性及び耐衝撃性を有するものでなければならない。
2 電気回路の機器及び電線は、取扱者以外の者が容易に触れるおそれのない位置に設けるか、又はこれを防護しなければならない。

(電車の安全装置)
第六十六条
 集電装置を有する電車には、保護接地スイッチを設けなければならない。
2 主変圧器を有する電車には、次に掲げる装置を設けなければならない。
一 自動遮断装置
二 避雷器
三 主回路が切れなければ集電装置の下降ができない装置

(空気だめ及びその附属装置)
第六十七条
 空気だめ及びその附属装置は、次に掲げる構造としなければならない。
一 空気だめ、空気配管及び弁類は、最高使用圧力の一・五倍の圧力に耐えること。
二 空気圧縮機を有する車両の元空気だめ又はその配管には、安全弁及び調圧器を設けること。
三 前号の安全弁は、最高使用圧力に〇・〇五メガパスカルから〇・一メガパスカルまでの圧力を加えた圧力で作用すること。
四 元空気だめには、排水装置を設けること。

(空気調和装置)
第六十八条
 空気調和装置の冷媒タンク、配管及び弁類は、内圧、振動又は衝撃により冷媒がもれないものとしなければならない。

第八節 車両の表記

(表記)
第六十九条
 車両には、次に掲げる事項を表記しなければならない。
一 営業主体の名称又は記号
二 形式及び番号
三 自重
四 旅客定員(旅客用電車に限る。)
五 積載量(貨車に限る。)

第九節 準車両

(準車両)
第七十条
 第四十一条から第四十六条まで、第四十九条第二項、第五十条及び前条(第一号及び第三号に限る。)の規定は、準車両について準用する。

第五章 運転保安設備

(自動列車制御設備)
第七十一条
 新幹線には、次に掲げる構造の自動列車制御設備を設けなければならない。
一 進行方向にある列車との間隔又は線路の条件に応じた列車の運転速度を示す信号をレールに送るものであること。
二 車上において前号の信号を受け、当該信号が示す運転速度と列車の速度とを照査するものであること。
三 第一号の信号が現示されている区間内において当該運転速度まで列車の速度を自動的に低下させるようにブレーキを作用させるものであること。ただし、第一号の信号が停止信号の場合には、当該信号が現示されている区間の始端までに列車を停止させるようにブレーキを作用させるものであること。
四 車上の設備の主要部分は、二以上の系によつて構成され、同一に動作する系が二以上ないときは、列車を停止させるようにブレーキを作用させるものであること。
五 次の区間では、第一号の信号は、停止信号であること。
  イ 列車又は車両がある区間
  ロ 列車又は車両の進路が開通していない区間

第七十二条
 新幹線には、停車場外の本線に現示されている前条第一号の信号を当該信号が示す運転速度より低い運転速度を示す信号に変えることができる装置を設けなければならない。

(非常列車防護設備)
第七十三条
 本線には、非常の場合において、本線上に現示されている第七十一条第一号の信号を停止信号に変えることができる設備を設けなければならない。

(過走防止装置)
第七十四条
 列車が過走することにより他の列車の進路を支障するおそれがある箇所及び本線の終端には、列車を自動的に停止させる装置を設けなければならない。

(自動進路設定設備)
第七十五条
 新幹線には、次に掲げる構造の自動進路設定設備を設けなければならない。
一 列車から当該列車の性質を指示すること。
二 前号の指示により転轍器を動作させること。
三 第一号の指示を当該列車が当該転轍器を通過するまで記憶すること。

(列車集中制御設備)
第七十六条
 新幹線には、列車集中制御設備を設けなければならない。
2 前項の列車集中制御設備は、次に掲げるものを集中的に表示するとともに、停車場に進入し、又は停車場から進出する列車の進路を設定できる構造としなければならない。
一 本線上の列車の位置
二 本線の進路の開通状況
三 自動進路設定設備の使用の有無
四 過走防止装置の使用の有無

(自動列車検知設備)
第七十七条
 停車場には、停車場間の列車の有無及びその数を自動的に検知する設備を設けなければならない。

(地上信号機)
第七十八条
 地上信号機は、次に掲げる構造としなければならない。
一 当該信号機の防護している区域に列車又は車両があるときは、停止信号を現示するものであること。
二 前号の区域にある転轍器が正当方向に開通していないときは、停止信号を現示するものであること。
2 地上信号機の現示は、二百メートル以上の距離で確認することができるものとしなければならない。ただし、停止中の列車又は車両に対してのみ現示するものにあつては、この限りでない。

(通信設備)
第七十九条
 停車場、運転指令所、電気指令所その他保安上又は運転上必要な箇所の相互間には、通信設備を設けなければならない。
2 電気指令所と運転指令所の間並びに運転指令所と停車場及び列車の間には、専用の通信設備を設けなければならない。

(普通鉄道構造規則の準用)
第八十条
 普通鉄道構造規則第三章第三節の規定は、新幹線について準用する。

附則 抄

1 この省令は、公布の日から施行する。

附則 (昭和四〇年七月一日運輸省令第五一号) 抄

1 この省令は、公布の日から施行する。

附則 (昭和四四年八月二〇日運輸省令第四四号)

 この省令は、公布の日から施行する。

附則 (昭和四四年一〇月四日運輸省令第五〇号)

 この省令は、公布の日から施行する。

附則 (昭和四五年六月一六日運輸省令第四八号) 抄

(施行期日)
1 この省令は、昭和四十五年七月一日から施行する。

附則 (昭和四六年一〇月一日運輸省令第五六号) 抄

1 この省令は、公布の日から施行する。
2 この省令の施行の際現に新幹線の輸送の用に供している施設及び車両であつて、改正後の新幹線鉄道構造規則第二十四条又は第五十八条の二の規定に適合しないものについては、これらの規定は、当該施設又は車両について改築、改造又は大規模の修繕に関する工事が行なわれるまでの間は、適用しない。

附則 (昭和六二年三月二七日運輸省令第二九号) 抄

(施行期日)
第一条
 この省令は、昭和六十二年四月一日から施行する。

(新幹線鉄道構造規則の一部改正に伴う経過措置)
第六条
 この省令の施行前に第八条の規定による改正前の新幹線鉄道構造規則第四条第一項の規定によりした承認は、第八条の規定による改正後の新幹線鉄道構造規則第四条第一項の規定による許可とみなす。

附則 (平成元年一〇月二六日運輸省令第三一号) 抄

(施行期日)
第一条
 この省令は、公布の日から施行する。

附則 (平成三年七月一九日運輸省令第二三号)

 この省令は、公布の日から施行する。

附則 (平成四年七月一日運輸省令第二三号)

 この省令は、公布の日から施行する。

附則 (平成五年三月三〇日運輸省令第八号) 抄

(施行期日)
第一条
 この省令は、公布の日から施行する。

附則 (平成六年三月三〇日運輸省令第一四号) 抄

(施行期日)
第一条
 この省令は、平成六年四月一日から施行する。

附則 (平成六年一〇月四日運輸省令第四七号)

 この省令は、公布の日から施行する。

附則 (平成九年三月二五日運輸省令第一八号) 抄

(施行期日)
第一条
 この省令は、公布の日から施行する。

附則 (平成一一年九月三〇日運輸省令第四三号)

 この省令は、平成十一年十月一日から施行する。

附則 (平成一二年一一月二九日運輸省令第三九号) 抄

(施行規日)
第一条
 この省令は、平成十三年一月六日から施行する。

第一図
 建築限界(単位 ミリメートル)

第二図
 〔第21条・第44条〕

第三図
 車両限界(単位 ミリメートル)

第四図
 密着連結器の連結部の形状(単位 ミリメートル)

第五図
 肘付自動連結器の連結部の形状(単位 ミリメートル)