新幹線鉄道運転規則
(昭和三十九年九月三十日運輸省令第七十一号)
最終改正年月日:平成一二年一一月二九日運輸省令第三九号

鉄道営業法(明治三十三年法律第六十五号)第一条の規定に基づき、東海道新幹線鉄道運転規則を次のように定める。

第一章 総則(第一条―第九条)
第二章 施設及び車両等
第一節 線路の保全(第十条―第十六条)
第二節 電力設備の保全(第十七条―第二十二条)
第三節 運転保安設備の保全(第二十三条―第二十六条)
第四節 車両等の保全(第二十七条―第四十条)
第五節 積載制限等(第四十一条―第四十三条)
第三章 運転
第一節 総則(第四十四条―第五十六条)
第二節 列車の組成(第五十七条―第六十二条)
第三節 列車の運転(第六十三条―第六十八条)
第四節 入換え(第六十九条―第七十二条)
第五節 運転速度(第七十三条―第七十八条)
第六節 車両等の留置(第七十九条・第八十条)
第四章 保安
第一節 総則(第八十一条―第八十四条)
第二節 列車保安方式(第八十五条・第八十六条)
第三節 信号(第八十七条―第九十三条)
第四節 合図(第九十四条・第九十五条)
第五節 標識(第九十六条・第九十七条)
第六節 転轍器の取扱い(第九十八条)
附則

第一章 総則

(目的)
第一条
 この省令は、新幹線における車両、線路その他輸送施設の取扱いを定めることにより、運転の安全を図り、もつて公共の福祉を確保することを目的とする。

(用語の意味)
第二条
 この省令における用語の意味は、次のとおりとする。
一 「新幹線」とは、全国新幹線鉄道整備法(昭和四十五年法律第七十一号)第二条に規定する新幹線鉄道をいう。
二 「停車場」とは、新幹線鉄道構造規則(昭和三十九年運輸省令第七十号。以下「構造規則」という。)第二条第二号に規定する停車場をいう。
三 「本線」とは、構造規則第二条第三号に規定する本線をいう。
四 「電車線路」とは、構造規則第二条第五号に規定する電車線路をいう。
五 「車両」とは、構造規則第二条第六号に規定する車両をいう。
六 「準車両」とは、構造規則第二条第七号に規定する準車両をいう。
七 「列車」とは、停車場外の線路を列車保安方式により運転させる目的で組成された車両をいう。
八 「自動列車制御設備」とは、構造規則第七十一条に規定する自動列車制御設備をいう。
九 「列車集中制御設備」とは、構造規則第七十六条に規定する列車集中制御設備をいう。

(実施規定)
第三条
 鉄道事業者は、この省令の実施に関する規定を定めなければならない。
2 前項の実施に関する規定は、国土交通大臣がこの省令の実施に関する細目を定めたときは、これに従つて定めなければならない。

(係員の教育等)
第四条
 次に掲げる作業を行なう係員については、適性検査を行ない、その作業を行なうのに必要な保安のための教育を施し、作業を行なうのに必要な知識及び技能を保有していることを確かめた後でなければ、作業を行なわせてはならない。
一 列車又は車両を操縦する作業
二 列車集中制御設備により列車の運行を管理する作業
三 列車防護、貫通ブレーキの操作又は気笛合図のために列車に乗務する作業
四 閉塞若しくは鉄道信号を取り扱い、又は転轍器を操作する作業
五 線路、電車線路又は運転保安設備の保守、工事等で列車の運転に直接関係があるものを単独で行ない、又は指揮監督する作業
2 前項の適性検査及び教育は、当該係員の所属する事業を経営する者が行うものとする。

(動力車操縦者の資格)
第五条
 鉄道事業者は、動力車操縦者運転免許に関する省令(昭和三十一年運輸省令第四十三号)第四条第一項第四号の運転免許を受けた者でなければ、列車又は車両を操縦させてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 鉄道事業者が公共団体であるとき。
二 運転見習中の係員が運転免許を受けた者と当該運転免許に係る動力車(動力発生装置を有する車両をいう。)に同乗してその直接の指導を受けるとき。
三 本線を支障するおそれのない側線において移動するとき。

(心身異常の場合の処置)
第六条
 係員が心身の状態によつて、その知識技能を十分に発揮できないと認められるときは、第四条第一項各号に掲げる作業を行なわせてはならない。

(係員の職務表示)
第七条
 第四条第一項第一号及び第三号から第五号までに掲げる作業を行なう係員には、その職務内容が容易に判別できるような表示をさせなければならない。

(特別の取扱い)
第八条
 鉄道事業者は、この省令の規定により難い特別の理由がある場合において国土交通大臣の許可を受けたときは、これらの規定と異なる取扱いをすることができる。
2 前項の規定による許可には、条件又は期限を付することができる。

(届出)
第八条の二
 鉄道事業者は、第三条第一項の実施に関する規定を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、当該規定又は変更しようとする事項を国土交通大臣に届け出なければならない。

(書類の経由)
第九条
 第八条第一項又は前条の規定により国土交通大臣に提出すべき申請書又は届出書は、それぞれ当該事案の関する土地を管轄する地方運輸局長(当該事案が二以上の地方運輸局長の管轄区域にわたるときは、当該事案の主として関する土地を管轄する地方運輸局長)を経由して提出しなければならない。

第二章 施設及び車両
第一節 線路の保全

(線路の保全)
第十条
 線路は、列車又は車両が所定の速度で安全に運転することができる状態に保持しなければならない。

(新設した線路等の検査及び試運転)
第十一条
 新設し、改築し、又は修理した線路は、これを検査し、試運転を行なつた後でなければ、使用してはならない。ただし、軽易な改築又は修理をした場合には、試運転を省略することができる。
2 災害その他運転事故が発生した線路で故障の疑いがあるもの及び使用を休止した線路に列車又は車両を運転する場合には、あらかじめ当該線路を検査し、必要に応じ試運転を行なわなければならない。

(本線の巡視)
第十二条
 本線は、線区の状況、列車の運行状況等に応じ、巡視しなければならない。

(線路の定期検査)
第十三条
 線路については、次の定期検査を行なわなければならない。
一 二月をこえない期間ごとに、本線(これに附帯する分岐器を含む。)の軌間、水準、高低、通り及び平面性について行なう検査
二 一年をこえない期間ごとに、軌道について行なう検査
三 二年をこえない期間ごとに、橋、トンネル等運転に関係がある工作物について行なう検査

(記録)
第十四条
 第十一条及び前条の規定により線路の検査を行なつたときは、その年月日及び成績を記録しなければならない。

(線路閉鎖を行なう工事)
第十五条
 線路の改築、修理等で列車又は車両の運転に支障を及ぼすこととなる工事は、当該工事を施行する区間に列車又は車両を進入させない措置を講じた後でなければ、行なつてはならない。

(建築限界の保全)
第十六条
 建築限界(構造規則第十八条に規定する建築限界をいう。以下同じ。)内には、列車、車両及び準車両以外の物を置いてはならない。ただし、工事等のためやむを得ない場合で列車又は車両の運転に支障を与えるおそれがないときは、この限りでない。
2 建築限界外であつても、建築限界内にくずれてくるおそれがある物を置いてはならない。

第二節 電力設備の保全

(電力設備の保全)
第十七条
 列車又は車両を運転するための電力設備(以下「電力設備」という。)は、列車又は車両が所定の速度で安全に運転することができる状態に保持しなければならない。

(新設した電力設備等の検査及び試運転)
第十八条
 新設し、改築し、又は修理した電力設備は、これを検査し、試運転を行なつた後でなければ、使用してはならない。ただし、軽易な改築又は修理をした場合には、試運転を省略することができる。
2 災害その他運転事故が発生した電力設備で故障の疑いがあるもの及び使用を休止した電力設備により列車又は車両を運転する場合には、あらかじめ当該設備を検査し、必要に応じ試運転を行なわなければならない。

(電車線路の巡視)
第十九条
 本線の電車線路は、線区の状況、列車の運行状況等に応じ、巡視しなければならない。

(電力設備の定期検査)
第二十条
 電力設備については、次の定期検査を行なわなければならない。
一 三月をこえない期間ごとに、饋電用遮断器について行なう検査
二 六月をこえない期間ごとに、区分装置、電車線接続点、饋電分岐装置及びわたり線装置について行なう検査
三 一年をこえない期間ごとに、電力設備の全般について行なう検査
2 前項第三号の規定にかかわらず、電車線を支持する工作物の検査は、その構造及び材質に応じ一年をこえる期間を定めて行なうことができる。

(記録)
第二十一条
 第十八条及び前条の規定により電力設備の検査を行なつたときは、その年月日及び成績を記録しなければならない。

(線路閉鎖を行なう工事)
第二十二条
 電車線路の改築、修理等で列車又は車両の運転に支障を及ぼすこととなる工事は、当該工事を施行する区間に列車又は車両を進入させない措置を講じた後でなければ、行なつてはならない。

第三節 運転保安設備の保全

(運転保安設備の保全)
第二十三条
 運転保安設備は、正確に動作することができる状態に保持しなければならない。

(新設した運転保安設備等の検査及び確認)
第二十四条
 新設し、改造し、又は修理した運転保安設備は、これを検査し、機能を確かめた後でなければ、使用してはならない。災害その他運転事故が発生した運転保安設備で故障の疑いがあるもの及び使用を休止した運転保安設備を使用するときも、同様とする。

(運転保安設備の定期検査)
第二十五条
 運転保安設備については、次の定期検査を行なわなければならない。
一 三月をこえない期間ごとに、自動列車制御設備及び転轍装置の主要部分について行なう検査
二 六月をこえない期間ごとに、信号装置、連動装置及び列車運転用通信設備の主要部分について行なう検査
三 一年をこえない期間ごとに、運転保安設備の全般について行なう検査

(記録)
第二十六条
 前二条の規定により運転保安設備の検査を行なつたときは、その年月日及び成績を記録しなければならない。

第四節 車両等の保全

(車両等の保全)
第二十七条
 車両及び準車両は、安全に運転することができる状態に保持しなければならない。

(列車の検査)
第二十八条
 列車は、その種類及び運行状況に応じ、車両の主要部分を検査し、かつ、列車としての機能を検査しなければならない。

(新製した車両等の検査及び試運転)
第二十九条
 新製し、改造し、又は修繕した車両は、これを検査し、試運転を行なつた後でなければ、使用してはならない。ただし、軽易な改造又は修繕をした場合には、試運転を省略することができる。
2 脱線その他の運転事故が発生した車両で故障の疑いがあるもの及び使用を休止した車両を使用する場合には、あらかじめ当該車両を検査し、必要に応じ試運転を行なわなければならない。

(電車の定期検査及び試運転)
第三十条
 電車については、次の定期検査を行わなければならない。
一 三十日又は当該車両の走行距離が三万キロメートルを超えない期間のいずれか短い期間ごとに、その状態及び機能について行う検査
二 一年又は当該車両の走行距離が四十五万キロメートルを超えない期間のいずれか短い期間ごとに、主電動機、動力伝達装置、走り装置、ばね装置及びブレーキ装置の主要部分について行なう検査
三 三年又は当該車両の走行距離が九十万キロメートルを超えない期間のいずれか短い期間ごとに、電車の主要部分を取りはずして全般について行う検査
2 前項第二号又は第三号の検査をしたときは、当該電車の試運転を行なわなければならない。

(電車以外の車両の定期検査及び試運転)
第三十一条
 電車以外の車両については、次の定期検査を行わなければならない。
一 九十日を超えない期間ごとに、その状態及び機能について行う検査
二 貨車にあつては二年六月を超えない期間ごとに、その他の車両にあつては三年又は当該車両の走行距離が二十五万キロメートルを超えない期間のいずれか短い期間ごとに、動力発生装置、動力伝達装置、走行装置、ばね装置及び制動装置の主要部分について行う検査
三 貨車にあつては五年、その他の車両にあつては六年を超えない期間ごとに、車両の主要部分を取り外して全般について行う検査
2 前項第二号又は第三号の検査をしたときは、当該車両の試運転を行なわなければならない。

(特殊の用に供する車両の検査及び試運転)
第三十二条
 専ら事故の復旧又は施設の試験、検査若しくは保守の用に供する車両については、第三十条第一項第二号及び同条第二項並びに前条第一項第二号及び同条第二項の規定にかかわらず、電車にあつては一年六月、貨車にあつては三年、その他の車両にあつては三年六月を超えない期間ごとに、これらの規定による検査及び試運転を行えばよい。
2 前項の車両については、第三十条第一項第三号及び同条第二項並びに前条第一項第三号及び同条第二項の規定にかかわらず、電車にあつては三年、貨車にあつては六年、その他の車両にあつては七年を超えない期間ごとに、これらの規定による検査及び試運転を行えばよい。

(絶縁耐力試験)
第三十三条
 第二十九条第一項、第三十条第一項第三号、第三十一条第一項第三号及び前条の規定により車両の検査を行なうときは、電気回路の機器及び電線について絶縁耐力試験により検査を行なわなければならない。ただし、改造し、又は修繕した車両については、電気回路の機器及び電線について重要な改造又は修繕をしたものに限る。
2 前項の検査は、次に掲げる試験電圧を使用し、これを少なくとも一分間持続させて行なうものとする。
一 当該電気回路の使用電圧が直流七百五十ボルト又は交流三百ボルトをこえる場合には、最大使用電圧の一・六五倍以上の試験電圧
二 当該電気回路の使用電圧が直流七百五十ボルト又は交流三百ボルト以下の場合には、最大使用電圧の二倍以上の試験電圧(試験電圧が五百ボルト未満となる場合には、五百ボルト以上)

(絶縁抵抗試験)
第三十四条
 第二十九条から第三十二条までの規定により車両の検査を行なうときは、電気回路の機器及び電線について絶縁抵抗試験により検査を行なわなければならない。
2 前項の検査は、絶縁抵抗計を使用し、電気回路に電圧が加わつた場合における当該電気回路と大地間の漏洩電流が次に掲げる値をこえないことを確かめるものとする。
一 当該電気回路の使用電圧が直流七百五十ボルト又は交流三百ボルトをこえる場合には、規定電流の一万分の一
二 当該電気回路の使用電圧が直流七百五十ボルト又は交流三百ボルト以下の場合には、規定電流の五千分の一

(車両の計器の検査)
第三十五条
 車両の計器は、一年をこえない期間ごとに検査を行なわなければならない。

第三十六条
 削除

(検査の延期)
第三十七条
 使用を休止している車両については、第二十九条から第三十二条まで及び第三十五条の規定にかかわらず、当該車両の使用を休止している期間の終了するまでは、これらの規定による検査又は試運転を延期することができる。

(準車両の検査)
第三十八条
 準車両については、その種類及び使用状況に応じ、期間を定めて主要部分の検査を行なわなければならない。

(車両等の検査及び試運転を行う者)
第三十八条の二
 車両及び準車両の検査及び試運転は、当該車両及び準車両の所属する事業を経営する者が行うものとする。

(検査の表記)
第三十九条
 第三十条第一項第三号、第三十一条第一項第三号及び第三十二条の規定により車両の検査を行なつたときは、その年月及び場所を当該車両に表記しなければならない。前条の規定により準車両について主要部分を取りはずし、全般について検査を行なつたときも、同様とする。
2 第三十五条の規定により計器の検査を行なつたときは、その年月及び場所を当該計器に表記しなければならない。

(記録)
第四十条
 第二十九条から第三十二条まで及び第三十五条の規定により車両の検査を行なつたとき並びに第三十八条の規定により準車両の検査を行なつたときは、その年月日及び成績を記録しなければならない。

第五節 積載制限等

(積載制限等)
第四十一条
 車両には、当該車両に表記してある積載量をこえて物を積載してはならない。ただし、降雨、降雪等のため運転中に当該車両に表記してある積載量をこえた場合であつて、運転に支障がないことを確かめたときは、この限りでない。
2 車両に物を積載する場合には、重量の負担が均等となるように努め、運転中の動揺を考慮して崩落、転倒等のおそれがないようにしなければならない。
3 車両には、車両限界(構造規則第四十二条に規定する車両限界をいう。)をこえて物を積載してはならない。

(危険品の積載)
第四十二条
 危険品(鉄道運転規則(昭和六十二年運輸省令第十五号)第二条第一項第四号に規定する危険品をいう。以下同じ。)を充てんした容器を車両に積載するときは、危険品が漏れるおそれのないことを確かめなければならない。
2 危険品を積載している車両には、両側の見やすい箇所に危険品を積載している旨の表示をしなければならない。

(消火器の備付け)
第四十三条
 列車の次に掲げる場所には、消火器を備え付けなければならない。
一 旅客用電車の客室又は通路
二 運転室
2 前項の消火器は、構造及び性能が消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第二十一条の二第二項に規定する技術上の規格に適合するものでなければならない。
3 第一項の消火器は、使用に際して容易に取りはずすことができるように備え付けなければならない。
4 客室又は通路では、二酸化炭素又はハロゲン化物(ブロモトリフルオロメタンを除く。)を放射する消火器を使用してはならない。

第三章 運転
第一節 総則

(列車等の運転)
第四十四条
 列車又は車両は、鉄道信号の現示又は表示に従つて運転しなければならない。

(列車保安方式)
第四十五条
 列車は、次に掲げる列車保安方式によらなければ運転してはならない。ただし、非常の場合において列車保安方式により運転することができないときは、前途の見透しを考慮して運転することができる。
一 自動列車制御設備による列車保安方式
二 閉塞の取扱いによる列車保安方式
三 地上信号機による列車保安方式

(運転の指示)
第四十六条
 列車は、次に掲げる場合には、列車集中制御設備により列車の運行を管理する者の指示に従つて運転しなければならない。
一 列車保安方式を変更するとき。
二 退行運転をするとき。
三 救援列車として運転するとき。
四 前条ただし書の規定により運転するとき。

(停車場外の運転)
第四十七条
 車両は、列車としてでなければ停車場外の線路を運転してはならない。ただし、列車の運転に支障を及ぼさない場合であつて、列車保安方式に準じた保安方式及び運転の方法を定めたときは、この限りでない。
2 準車両は、停車場外の線路を運転する場合には、当該区間に列車又は車両を進入させない措置を講じた後でなければ、運転してはならない。

(停車場内の運転)
第四十八条
 停車場内における車両及び準車両の運転は、当該停車場の運転取扱責任者又は列車集中制御設備により列車の運行を管理する者の指示により、入換えの方法で行わなければならない。ただし、列車又は車両の運転に支障を及ぼさない措置を講じて準車両を運転する場合は、この限りでない。

(列車の運転時刻)
第四十九条
 列車の運転は、停車場における出発、通過又は到着の時刻を定めて行なわなければならない。
2 列車の運行がみだれたときは、列車の性質等を考慮して運転整理を行ない、所定の運行に復するように努めなければならない。

(左側運転)
第五十条
 列車は、左側の線路を運転しなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 停車場内を運転するとき。
二 退行運転をするとき。
三 救援列車として運転するとき。
四 運転事故等により単線運転をするとき。
五 施設又は車両の試験等のために運転するとき。

(列車防護等に必要な係員の乗務)
第五十一条
 列車には、列車を操縦する係員のほか、列車防護等を行い、列車の安全の保持に当たる係員を乗務させなければならない。ただし、線区の状況、列車の運行状況等により当該係員を乗務させなくても支障がないと認められる列車については、この限りでない。

(列車防護)
第五十二条
 列車の停止を必要とする障害が発生したことを認めたときは、速やかに自動列車制御設備及び特殊信号による停止信号を現示し、又は保護接地スイッチを使用しなければならない。

(列車防護用器具の携帯)
第五十三条
 次に掲げる係員には、列車防護用の器具を携帯させなければならない。
一 列車又は車両を操縦する係員
二 列車防護のため列車に乗務する係員
三 線路、電車線路又は運転保安設備を監視し、又は巡視する係員
四 線路、電車線路又は運転保安設備の改築又は修理の工事を指揮監督する係員
2 停車場には、列車防護用の器具を常備しておかなければならない。

(列車の危難防止)
第五十四条
 暴風雨、暴風雪等により列車に危難の生ずるおそれがあるときは、その状況を考慮して、列車の運転を一時中止する等危難防止の措置を講じなければならない。
2 本線において列車の運転に支障を及ぼす災害のおそれがあるときは、当該線路を監視しなければならない。

(応急復旧の体制)
第五十五条
 運転事故が発生した場合における応急復旧のための体制は、あらかじめ定めておかなければならない。
2 応急復旧のための器具及び材料は、適当な箇所に整備しておかなければならない。

(死傷事故発生時の処置)
第五十六条
 列車又は車両の運転により人の死傷を生じたときは、直ちに負傷者を救護し、遺体には監視人を附さなければならない。

第二節 列車の組成

(列車の最大連結両数)
第五十七条
 列車の最大連結両数は、施設の状況並びに車両の性能、構造及び強度に応じて定めなければならない。

(列車のブレーキ)
第五十八条
 列車には、貫通ブレーキを使用しなければならない。ただし、故障により一部の車両に貫通ブレーキが作用しない場合において、当該車両の車軸の当該列車の全車軸に対する割合に応じて速度を制限し、かつ、列車の最前部及び最後部の車両のブレーキを使用するときは、この限りでない。

(危険品積載車両の連結制限)
第五十九条
 危険品のみを積載している車両は、動力車と直接連結してはならない。

(標識の掲出)
第六十条
 列車及び停車場外を運転する車両には、標識を掲げなければならない。

(客室の貫通)
第六十一条
 旅客列車は、客室を相互に往来できるように組成しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、車両二両以上で組成された列車を連結する旅客列車については、当該連結箇所を除き、客室を相互に往来できるように組成するとともに、連結された列車ごとに非常の場合に旅客を誘導して退避させるための措置を講じるものとする。

(ブレーキの試験)
第六十二条
 列車を組成したとき又は列車の組成を変更したときは、当該列車を出発させる前にブレーキを試験し、その作用を確かめなければならない。

第三節 列車の運転

(列車の操縦位置)
第六十三条
 列車は、最前部の車両の前頭において操縦しなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 退行運転をするとき。
二 救援列車として運転するとき。
三 車両に故障があるとき。
四 最前部の車両の前頭において貫通ブレーキの操作及び気笛合図をして運転するとき。

(退行運転)
第六十四条
 列車は、退行運転をしてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 救援列車として運転するとき。
二 線路、電車線路又は車両に故障があるとき。
三 施設又は車両の試験等のために運転するとき。
2 前項ただし書の規定により列車が退行運転をする場合には、その線路における列車又は車両の運転に支障を及ぼさない措置を講じなければならない。

(同時運転の禁止)
第六十五条
 二以上の列車又は車両が出発し、又は到着する場合において、相互にその進路を支障するおそれがあるときは、これらの列車又は車両を同時に運転してはならない。

(救援列車に対する防護)
第六十六条
 停車場間の途中において停止した列車は、救援列車を要求したとき又は救援列車を運転する旨の通知をうけたときは、当該救援列車が到着するまで停止した位置を移動してはならない。

(出発時の扉の確認)
第六十七条
 旅客列車を出発させるときは、車両の側面にある扉が閉じていることを確認しなければならない。

(列車等の監視)
第六十八条
 乗降場のある停車場の係員は、列車が出発し、通過し、又は到着するときは、乗降場の旅客及び列車の状況を監視しなければならない。
2 列車防護等を行なうために列車に乗務する係員は、列車が停車場に停止したとき及び停車場から出発するときは、列車の停止位置の適否並びに乗降場の旅客及び列車の状況を監視しなければならない。

第四節 入換え

(入換えの方法)
第六十九条
 入換えは、地上信号機又は入換え合図によつてしなければならない。

(本線における入換え禁止)
第七十条
 本線を使用して入換えをしてはならない。ただし、列車の運転に支障を及ぼさない措置を講じた場合は、この限りでない。

(入換え合図)
第七十一条
 入換え合図は、入換えをする進路の安全を確かめた後でなければしてはならない。

(突放等の禁止)
第七十二条
 車両は、突放し、又は流転させてはならない。

第五節 運転速度

(列車の最高速度)
第七十三条
 列車の最高速度は、線路及び電車線路の状態、車両の構造並びに列車保安方式の種類ごとに定めなければならない。

(列車の前頭以外の場所において操縦する場合の速度)
第七十四条
 列車は、第六十三条ただし書の規定により最前部の車両の前頭以外の場所において操縦するときは、四十五キロメートル毎時をこえない速度で運転しなければならない。ただし、自動列車制御設備を使用する場合又は第六十三条第四号に掲げる場合は、この限りでない。

(退行運転の速度)
第七十五条
 列車は、予期しない理由による退行運転をするときは、四十五キロメートル毎時をこえない速度で運転しなければならない。ただし、自動列車制御設備を使用する場合は、この限りでない。

(地上信号機による運転の速度)
第七十六条
 列車は、地上信号機により運転するときは、四十五キロメートル毎時をこえない速度で運転しなければならない。

(入換えの速度)
第七十七条
 入換えは、四十五キロメートル毎時をこえる速度でしてはならない。

(前途の見透しにより運転する場合の速度)
第七十八条
 列車は、第四十五条ただし書の規定により運転するときは、四十五キロメートル毎時をこえない速度で運転しなければならない。

第六節 車両等の留置

(車両等の留置)
第七十九条
 列車、車両又は準車両を留置する場合には、自動又は転動を防止するために必要な措置を講じなければならない。

(危険品積載車両の危険防止)
第八十条
 危険品を積載している車両を留置する場合には、周囲の状況を考慮して、当該車両を他の線路に移す等危険防止の措置を講じなければならない。

第四章 保安
第一節 総則

(鉄道信号)
第八十一条
 鉄道信号の種別は、信号、合図及び標識とする。
2 信号は、形、色、音等により列車又は車両に対して一定の区域内の運転を指示するものとする。
3 合図は、形、色、音等により係員相互間で、相手方に対して合図者の意思を表示するものとする。
4 標識は、形、色等により物の位置、方向等を表示するものとする。

(鉄道信号の昼夜別の現示及び表示)
第八十二条
 昼間と夜間とで現示方式又は表示方式が異なる鉄道信号は、日出から日没までは昼間の方式により、日没から日出までは夜間の方式により現示し、又は表示しなければならない。
2 天候の状態、トンネル等により昼間の方式による現示又は表示を認識することが困難であるときは、前項の規定にかかわらず、日出から日没までであつても夜間の方式により現示し、又は表示しなければならない。

(信号の現示の時期)
第八十三条
 閉塞の取扱いにより列車を運転する場合は、閉塞の取扱いをした後でなければ停車場から進出する列車に対して進行を指示する信号を現示してはならない。

(停止信号とみなす信号の現示)
第八十四条
 信号を現示すべき位置に信号の現示がないとき又はその現示が確かでないときは、停止信号の現示があるものとみなさなければならない。

第二節 列車保安方式

(常用の列車保安方式)
第八十五条
 列車は、第四十五条第一号の列車保安方式を常用しなければならない。
2 列車は、前項の列車保安方式により運転することができない場合は、あらかじめ定めるところにより第四十五条第二号又は第三号の列車保安方式により運転することができる。

(閉そくの取扱い)
第八十六条
 閉そくの取扱いは、停車場の運転取扱責任者又は列車集中制御設備により列車の運行を管理する者がしなければならない。
2 閉そくの取扱いは、次に掲げる方式によらなければならない。
一 自動列車検知設備を使用し、かつ、閉そく区間の両端の停車場において当該閉そく区間に列車又は車両がないことを確かめて運転する方式
二 閉そく区間における列車又は車両の有無を確認できる装置及び列車無線装置を使用し、かつ、運転指令所において当該閉そく区間に列車又は車両がないことを確かめて運転する方式
三 閉そく区間に一個の証拠又は一人の係員を指定して、その証拠又は係員を有する列車又は車両のみを運転する方式

第三節 信号

(停止信号の現示)
第八十七条
 列車又は車両は、停止信号の現示があつたときは、その信号の現示箇所の外方に停止しなければならない。ただし、その信号の現示箇所までに停止することができない距離で停止信号の現示があつたときは、すみやかに停止する措置を講ずればよい。
2 前項の規定により停止した列車又は車両は、進行を指示する信号の現示又は進行の指示があるまでは、進行してはならない。

(地上信号機の現示)
第八十八条
 地上信号機による信号の種類及び現示の方式は、次の表のとおりとする。
信号の種類 現示の方式
停止信号 白色灯列水平
進行信号 白色灯列左下向四十五度


(臨時信号機の種類)
第八十九条
 臨時信号機の種類は、次のとおりとする。
一 徐行信号機 徐行運転を必要とする区間に進入する列車又は車両に対して徐行運転を指示するもの
二 徐行予告信号機 徐行運転を予告するもの
三 徐行解除信号機 徐行運転の解除を指示するもの

(臨時信号機の現示)
第九十条
 線路又は電車線路が列車又は車両を所定の速度で運転することができない状態となつたときは、その旨を関係係員に知らせた後、臨時信号機により信号を現示しなければならない。この場合において、徐行信号機には、徐行速度を示さなければならない。

(手信号の現示)
第九十一条
 手信号による信号の種類及び現示の方式は、次の表のとおりとする。
信号の種類 現示の方式
昼間 夜間
停止信号 赤色旗(赤色旗がないときは、両腕を高くあげるか、又は緑色旗以外のものを急激に振る。) 赤色灯(赤色灯がないときは、緑色灯以外の灯を急激に振る。)
進行信号 緑色旗又は緑色灯(緑色旗及び緑色灯がないときは、片腕を高くあげる。) 緑色灯


2 手信号に使用する旗及び灯は、四百メートル以上の距離で確認することができるものでなければならない。ただし、停止している列車又は車両に対して現示するものについては、この限りでない。

(手信号による進行信号の現示)
第九十二条
 手信号による進行信号は、進路の安全を確かめた後でなければ現示してはならない。

(特殊信号の現示)
第九十三条
 特殊信号による信号の種類及び現示の方式は、次の表のとおりとする。
信号の種類 現示の方式
停止信号 赤色火炎、二以上の明滅する赤色灯又は警音


2 前項の赤色火炎及び警音は、現示箇所から六百メートル以上の距離で確認することができ、かつ、五分間以上継続して信号を現示することができるものでなければならない。
3 第一項の赤色灯は、現示箇所から六百メートル以上の距離で確認することができるものでなければならない。

第四節 合図

(気笛合図)
第九十四条
 列車は、次の各号に掲げる場合には、それぞれ当該各号に掲げる方式により気笛合図をしなければならない。
一 危険を警告するとき 短急気笛数声
二 非常事故が生じたとき 短急気笛数声長緩気笛一声

(その他の合図)
第九十五条
 前条の気笛合図以外の合図を使用するときは、あらかじめその方式を定めておかなければならない。

第五節 標識

(列車標識等)
第九十六条
 第六十条の標識の種類及び表示の方式は、次の表のとおりとする。
標識の種類 表示の方式
前部標識 列車又は車両の最前部の車両の前面に白色灯
後部標識 列車の最後部の車両の後面に赤色灯(退行運転をする列車にあつては、白色灯)


2 前項の標識は、六百メートル(後部標識にあつては、二百メートル)以上の距離で確認することができるものでなければならない。

(その他の標識)
第九十七条
 前条第一項の標識以外の標識を使用するときは、あらかじめその方式を定めておかなければならない。

第六節 転轍器の取扱い

(転轍器の鎖錠)
第九十八条
 転轍器は、列車又は車両を通過させる前に鎖錠しなければならない。ただし、合図により入換えを行なう場合は、この限りでない。

附則 抄

1 この省令は、公布の日から施行する。
2 この省令の施行前に、日本国有鉄道が適性検査を行ない、新幹線の列車を操縦する作業を行なうのに必要な保安のための教育を施し、当該作業を行なうのに必要な知識及び技能を保有していることを確かめた者は、第四条の規定による適性検査に合格し、かつ、第五条の規定により運輸大臣が指定した養成施設において運輸大臣が指定した教習課程を修了した者とみなす。

附則 (昭和四〇年七月一日運輸省令第五三号) 抄

 この省令は、公布の日から施行する。

附則 (昭和四四年一〇月四日運輸省令第五〇号)

 この省令は、公布の日から施行する。

附則 (昭和四六年一月一一日運輸省令第二号) 抄

(施行期日)
1 この省令は、公布の日から施行する。

附則 (昭和四六年一〇月一日運輸省令第五六号) 抄

1 この省令は、公布の日から施行する。

附則 (昭和六〇年四月二五日運輸省令第一八号) 抄

(施行期日)
1 この省令は、公布の日から施行する。

附則 (昭和六二年三月二七日運輸省令第二九号) 抄

(施行期日)
第一条
 この省令は、昭和六十二年四月一日から施行する。

(新幹線鉄道運転規則の一部改正に伴う経過措置)
第七条
 この省令の施行前に第九条の規定による改正前の新幹線鉄道運転規則第九条第一項の規定によりした承認は、第九条の規定による改正後の新幹線鉄道運転規則第八条第一項の規定による許可とみなす。

附則 (平成五年三月三〇日運輸省令第八号) 抄

(施行期日)
第一条
 この省令は、公布の日から施行する。

附則 (平成六年三月三〇日運輸省令第一四号) 抄

(施行期日)
第一条
 この省令は、平成六年四月一日から施行する。

附則 (平成六年一〇月四日運輸省令第四七号)

 この省令は、公布の日から施行する。

附則 (平成九年三月二五日運輸省令第一八号) 抄

(施行期日)
第一条
 この省令は、公布の日から施行する。

附則 (平成一二年一一月二九日運輸省令第三九号) 抄

(施行期日)
第一条
 この省令は、平成十三年一月六日から施行する。