電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第三十六条の規定を実施するため使用済核燃料再処理引当金に関する省令を次のように制定する。
(定義)
第一条
この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 「再処理」とは、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第二条第八項に規定する再処理をいう。
二 「核燃料数量」とは、原子炉(原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)第三条第四号に規定するものをいう。以下同じ。)に装荷した燃料体のうち放射線(同法第三条第五号に規定するものをいう。以下同じ。)を照射する前のものに含まれているウラン又は燃料体に放射線を照射すること若しくは放射線を照射した後に化学的方法により処理することによつて生成した物質を生成させるために要した当該燃料体に含まれていた当該放射線を照射する前のウランの重量をいう。
三 「装荷等核燃料数量」とは、原子炉に装荷している燃料体及び放射線を照射した後に原子炉から取り出した燃料体であつて原子炉に装荷する目的で貯蔵しているもの(以下「装荷等核燃料」と総称する。)の核燃料数量をいう。
四 「分離処理核燃料数量」とは、放射線を照射した後に原子炉から取り出した燃料体のうち原子炉に装荷する目的で貯蔵しているもの以外のもの(以下「再処理核燃料」という。)であつて、分離処理(再処理核燃料を化学的方法により処理し有用物質を分離することをいう。以下同じ。)が完了する前のものの核燃料数量をいう。
五 「残滓処理核燃料数量」とは、再処理核燃料であつて、分離処理の完了後残滓処理(有用物質を分離した後に残存する液体状の放射性廃棄物(実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則(昭和五十三年通商産業省令第七十七号)第一条第二項第一号に規定するものをいう。)を固型化することをいう。以下同じ。)が完了する前のものの核燃料数量をいう。
六 「設計総燃焼度」とは、装荷等核燃料が原子炉内において核分裂をすることにより発生させることができるエネルギー量であつて、当該装荷等核燃料の供給契約において当該装荷等核燃料の供給者が保証したものの合計をいう。
七 「実績総燃焼度」とは、装荷等核燃料が原子炉内において核分裂をすることにより発生させたエネルギー量の合計をいう。
八 「超過総燃焼度」とは、実績単位燃焼度が設計単位燃焼度を超えたすべての装荷等核燃料単位の実績単位燃焼度と設計単位燃焼度の差の合計をいう。
九 「設計単位燃焼度」とは、装荷等核燃料単位が原子炉内において核分裂をすることにより発生させることができるエネルギー量であつて、当該装荷等核燃料単位の供給契約において当該装荷等核燃料単位の供給者が保証したものをいう。
十 「実績単位燃焼度」とは、装荷等核燃料単位が原子炉内において核分裂をすることにより発生させたエネルギー量をいう。
十一 「装荷等核燃料単位」とは、装荷等核燃料の供給者が、当該装荷等核燃料の供給契約において、当該装荷等核燃料が原子炉内において核分裂をすることにより発生させることのできるエネルギー量を保証する場合に、単位として用いる装荷等核燃料をいう。
(指定)
第二条
経済産業大臣は、次の各号の一に該当する者(電気事業の用に供する原子炉を有する者に限る。)であつて、使用済核燃料再処理引当金を積み立てることが適当であると認めるものを指定することができる。
一 この省令の施行の日(以下「施行日」という。)後、電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号。以下「法」という。)第十九条第一項の規定により経済産業大臣の認可を受けて電気の料金その他の供給条件について供給約款を定め又は変更した一般電気事業者
二 施行日後、法第二十一条ただし書の規定により料金その他の供給条件について経済産業大臣の認可を受けた一般電気事業者
三 施行日後、法第二十二条第一項の規定により料金その他の供給条件について経済産業大臣の認可を受けた電気事業者
四 施行日後、法第二十三条第二項の規定により経済産業大臣によつて供給約款又は料金その他の供給条件を変更された電気事業者
(積立て)
第三条
前条の指定を受けた者(以下「指定原子力発電電気事業者」という。)は、毎事業年度において、次に掲げる金額のうちいずれか少ない金額を使用済核燃料再処理引当金として積み立てなければならない。
一 イに掲げる金額からロに掲げる金額を控除した金額
イ 当該事業年度末の使用済核燃料再処理費の要支払額
ロ 前事業年度末の使用済核燃料再処理費の要支払額から次の算式により算定される金額を控除した金額当該事業年度において分離処理が完了した再処理核燃料の核燃料数量×(前事業年度の再処理単価−前事業年度の残滓処理単価−前事業年度の有用物質単価)+当該事業年度において残滓処理が完了した再処理核燃料の核燃料数量×前事業年度の残滓処理単価
二 当該事業年度末の使用済核燃料再処理費の要支払額から前条の規定により指定を受けた日(以下「指定日」という。)の属する事業年度末の使用済核燃料再処理費の要支払額を控除した金額に附則第二項の算式により算定された値に相当する金額を加えた金額の百分の六十に相当する金額(以下「累積限度額」という。)から、この項の規定により積み立てられた使用済核燃料再処理引当金の前事業年度末の残高(当該事業年度において次条第一項の規定により取り崩さなければならない金額があるときはその金額を控除した金額)を控除した金額
2 前項における使用済核燃料再処理費の要支払額とは、毎事業年度において、指定原子力発電電気事業者が、当該事業年度末までに経済産業大臣の承認を受けて定めた当該事業年度の再処理単価(当該指定原子力発電電気事業者が締結した再処理委託契約に基づいて算定した再処理に要する費用の核燃料数量一単位当たりの金額をいう。この条及び附則第二項において同じ。)、残滓処理単価(当該指定原子力発電電気事業者が締結した再処理委託契約に基づいて算定した残滓処理に要する費用の核燃料数量一単位当たりの金額をいう。この条及び附則第二項において同じ。)及び有用物質単価(分離処理によつて回収されるウラン及びプルトニウムの化合物の核燃料数量一単位当たりの金額をいう。この条及び附則第二項において同じ。)により、次の算式を用いて算定した値に相当する金額をいう。{当該事業年度末の装荷等核燃料数量×(当該事業年度末の実績総燃焼度−当該事業年度末の超過総燃焼度)÷当該事業年度末の装荷等核燃料の設計総燃焼度+当該事業年度末の分離処理核燃料数量}×(当該事業年度の再処理単価−当該事業年度の有用物質単価)+当該事業年度末の残滓処理核燃料数量×当該事業年度の残滓処理単価
(取崩し)
第四条
指定原子力発電電気事業者は、毎事業年度において、前条第一項の規定により積み立てられた使用済核燃料再処理引当金の前事業年度末の残高から次の各号に掲げる金額のいずれか少ない金額を取り崩さなければならない。
一 前条第一項第一号ロの算式により算定される金額
二 前条第一項の規定により積み立てられた使用済核燃料再処理引当金の前事業年度末の残高
2 指定原子力発電電気事業者は、毎事業年度において、前条第一項の規定により積み立てられた使用済核燃料再処理引当金の前事業年度末の残高から前項の規定により取り崩さなければならない金額を控除した金額が当該事業年度末の累積限度額を超える場合には、当該残高から前項により取り崩さなければならない金額のほか、当該超える金額を取り崩さなければならない。
3 指定原子力発電電気事業者は、前二項の規定により前条第一項の規定により積み立てられた使用済核燃料再処理引当金を取り崩す場合を除き、当該使用済核燃料再処理引当金を取り崩してはならない。
1 この省令は、公布の日から施行する。
2 指定日の属する事業年度における第三条第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該指定原子力発電電気事業者が、当該事業年度末までに通商産業大臣の承認を受けて定めた当該事業年度及び前事業年度における同条第二項の再処理単価、残滓処理単価及び有用物質単価により、次の算式を用いて算定した値に相当する金額とする。(当該事業年度末の使用済核燃料再処理費の要支払額−前事業年度末の使用済核燃料再処理費の要支払額+第3条第1項第1号ロの算式により算定される金額)×指定日から当該事業年度終了の日までの期間の日数÷当該事業年度の日数
3 前項の規定により使用済核燃料再処理引当金を積み立てた指定原子力発電電気事業者に係る第三条第一項第二号及び第四条の規定の適用については、第三条第一項第二号中「この項」とあるのは「この項及び附則第二項」と、第四条中「前条第一項」とあるのは「前条第一項及び附則第二項」とする。
1 この省令は、平成二年四月一日から施行し、改正後の使用済核燃料再処理引当金に関する省令の規定は、この省令の施行の日の属する事業年度から適用する。
2 平成二年四月一日以後最初に終了する事業年度(以下「改正事業年度」という。)の直前の事業年度末において改正前の使用済核燃料再処理引当金に関する省令(以下「旧令」という。)第三条第一項の規定により積み立てられた使用済核燃料再処理引当金を有する旧令第二条の指定を受けた者(以下「指定原子力発電電気事業者」という。)については、改正後の使用済核燃料再処理引当金に関する省令(以下「新令」という。)第三条第一項第二号に規定する累積限度額(以下単に「累積限度額」という。)は、同号の規定にかかわらず、次に掲げる金額のうちいずれか多い金額とする。
一 改正事業年度末の使用済核燃料再処理費の要支払額から旧令第二条の指定を受けた日(以下「指定日」という。)の属する事業年度末の使用済核燃料再処理費の要支払額を控除した金額に新令附則第二項の算式により算定された値に相当する金額を加えた金額の百分の八十五に相当する金額
二 次に掲げる金額のうちいずれか少ない金額
イ 改正事業年度の直前の事業年度末における旧令第三条第一項の規定により積み立てられた使用済核燃料再処理引当金の残高
ロ 改正事業年度末の使用済核燃料再処理費の要支払額から指定日の属する事業年度末の使用済核燃料再処理費の要支払額を控除した金額に新令附則第二項の算式により算定された値に相当する金額を加えた金額
3 前項の規定の適用を受けた指定原子力発電電気事業者(改正事業年度の翌事業年度の第一号に掲げる金額が累積限度額を超えていた指定原子力発電電気事業者に限る。)の改正事業年度の翌事業年度から当該累積限度額が第一号に掲げる金額を超えることとなる最初の事業年度の直前の事業年度までの各事業年度においては、累積限度額は、新令第三条第一項第二号の規定にかかわらず、次に掲げる金額のうちいずれか少ない金額とする。
一 当該事業年度の直前の事業年度末における新令第三条第一項の規定により積み立てられた使用済核燃料再処理引当金の残高
二 当該事業年度末の使用済核燃料再処理費の要支払額から次に掲げる金額のうちいずれか少ない金額を控除した金額
イ 指定日の属する事業年度末の使用済核燃料再処理費の要支払額から新令附則第二項の算式により算定された値に相当する金額を控除した金額
ロ 改正事業年度後の各事業年度末の使用済核燃料再処理費の要支払額のうち最も少ない金額
4 前二項の場合のほか、指定原子力発電電気事業者について第一号に掲げる金額が第二号に掲げる金額を超えることとなる各事業年度においては、累積限度額は、新令第三条第一項第二号の規定にかかわらず、当該事業年度末の使用済核燃料再処理費の要支払額から第二号に掲げる金額を控除した金額の百分の七十五に相当する金額とする。
一 指定日の属する事業年度末の使用済核燃料再処理費の要支払額から新令附則第二項の算式により算定された値に相当する金額を控除した金額
二 改正事業年度後の各事業年度末の使用済核燃料再処理費の要支払額のうち最も少ない金額
1 この省令は、平成九年四月一日から施行し、この省令による改正後の使用済核燃料再処理引当金に関する省令(以下「新令」という。)の規定は、この省令の施行の日の属する事業年度から適用する。
2 平成九年四月一日以後最初に終了する事業年度(以下「改正事業年度」という。)の直前の事業年度末においてこの省令による改正前の使用済核燃料再処理引当金に関する省令(以下「旧令」という。)第三条第一項の規定により積み立てられた使用済核燃料再処理引当金を有する旧令第二条の指定を受けた者(以下「指定原子力発電電気事業者」という。)については、改正事業年度の第一号に掲げる金額が新令第三条第一項第二号に規定する累積限度額(以下単に「累積限度額」という。)を超えていた場合に限り、改正事業年度から当該累積限度額が第一号に掲げる金額を超えることとなる最初の事業年度の直前の事業年度までの各事業年度においては、累積限度額は、新令第三条第一項第二号の規定にかかわらず、次に掲げる金額のうちいずれか少ない金額とする。
一 当該事業年度の直前の事業年度末における新令(当該事業年度が改正事業年度の場合は旧令)第三条第一項の規定により積み立てられた使用済核燃料再処理引当金の残高
二 当該事業年度末の使用済核燃料再処理費の要支払額から次に掲げる金額のうちいずれか少ない金額を控除した金額の百分の七十に相当する金額
イ 指定日の属する事業年度末の使用済核燃料再処理費の要支払額から新令附則第二項の算式により算定された値に相当する金額を控除した金額
ロ 改正事業年度以後の各事業年度末の使用済核燃料再処理費の要支払額のうち最も少ない金額
3 前項の場合のほか、指定原子力発電電気事業者について第一号に掲げる金額が第二号に掲げる金額を超えることとなる各事業年度においては、累積限度額は、新令第三条第一項第二号の規定にかかわらず、当該事業年度末の使用済核燃料再処理費の要支払額から第二号に掲げる金額を控除した金額の百分の六十に相当する金額とする。
一 指定日の属する事業年度末の使用済核燃料再処理費の要支払額から新令附則第二項の算式により算定された値に相当する金額を控除した金額
二 改正事業年度以後の各事業年度末の使用済核燃料再処理費の要支払額のうち最も少ない金額
この省令は、平成十三年一月六日から施行する。