指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準
(平成十二年三月三十一日厚生省令第八十号)


最終改正:平成二〇年九月三〇日厚生労働省令第一四九号


 健康保険法 (大正十一年法律第七十号)第四十四条ノ八第一項 及び第二項 並びに老人保健法(昭和五十七年法律第八十号)第四十六条の五の四第一項 の規定に基づき、指定訪問看護及び指定老人訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準を次のように定める。


 第一章 基本方針(第一条)
 第二章 人員に関する基準(第二条・第三条)
 第三章 設備に関する基準(第四条)
 第四章 運営に関する基準(第五条―第三十一条)
 附則

   第一章 基本方針

第一条  指定訪問看護の事業は、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、その療養生活を支援し、心身の機能の維持回復を目指すものでなければならない。

   第二章 人員に関する基準

(看護師等の員数)
第二条  指定訪問看護事業者が当該指定に係る訪問看護事業を行う事業所(以下「指定訪問看護ステーション」という。)ごとに置くべき看護師その他の指定訪問看護の提供に当たる従業者(以下「看護師等」という。)の員数は、次に定めるとおりとする。
 保健師、助産師、看護師又は准看護師(以下この条において「看護職員」という。) 指定訪問看護ステーションの看護職員の勤務延時間数を当該指定訪問看護ステーションにおいて常勤の看護職員が勤務すべき時間数で除して得た数が二・五以上となる員数
 理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士 指定訪問看護ステーションの実情に応じた適当数
 前項第一号の看護職員のうち一名は、常勤でなければならない。

(管理者)
第三条  指定訪問看護事業者は、指定訪問看護ステーションごとに専らその職務に従事する常勤の管理者を置かなければならない。ただし、指定訪問看護ステーションの管理上支障がない場合は、当該指定訪問看護ステーションの他の職務に従事し、又は同一敷地内にある他の事業所、施設等の職務に従事することができるものとする。
 指定訪問看護ステーションの管理者は、保健師、助産師又は看護師でなければならない。ただし、やむを得ない理由がある場合は、この限りでない。
 指定訪問看護ステーションの管理者は、適切な指定訪問看護を行うために必要な知識及び技能を有する者でなければならない。

   第三章 設備に関する基準

第四条  指定訪問看護ステーションには、事業の運営を行うために必要な広さを有する専用の事務室を設けるほか、指定訪問看護の提供に必要な設備及び備品等を備えなければならない。ただし、当該指定訪問看護ステーションが他の事業の事業所を兼ねる場合は、事業の運営を行うために必要な広さを有する専用の区画を設けることで足りるものとする。

   第四章 運営に関する基準

(内容及び手続の説明及び同意)
第五条  指定訪問看護事業者は、指定訪問看護の提供の開始に際し、あらかじめ、当該指定訪問看護を受けるために申込みを行う者(以下「利用申込者」という。)又はその家族に対し、第二十一条に規定する運営規程の概要、看護師等の勤務の体制その他の利用申込者の指定訪問看護の選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明を行い、当該提供の開始について利用申込者の同意を得なければならない。

(提供拒否の禁止)
第六条  指定訪問看護事業者は、正当な理由なく指定訪問看護の提供を拒んではならない。

(提供困難時の対応)
第七条  指定訪問看護事業者は、利用申込者の病状、当該指定訪問看護ステーションの通常の事業の実施地域(当該指定訪問看護ステーションが通常時に指定訪問看護を提供する地域をいう。)等を勘案し、自ら適切な指定訪問看護を提供することが困難であると認めた場合は、主治の医師への連絡を行い、適当な他の指定訪問看護事業者等を紹介する等の必要な措置を速やかに講じなければならない。

(受給資格の確認)
第八条  指定訪問看護事業者は、指定訪問看護の提供を求められた場合は、その者の提示する健康保険法施行規則 (大正十五年内務省令第三十六号)第四十七条第一項 に規定する被保険者証又は高齢者の医療の確保に関する法律 (昭和五十七年法律第八十号。以下「高齢者医療確保法」という。)第五十四条第三項 に規定する被保険者証によって、指定訪問看護を受ける資格があることを確かめなければならない。

(心身の状況等の把握)
第九条  指定訪問看護事業者は、指定訪問看護の提供に当たっては、指定訪問看護を受ける者(以下「利用者」という。)の心身の状況、病歴、その置かれている環境、他の保健医療サービス又は福祉サービスの利用状況等の把握に努めなければならない。

(保健医療サービス提供者等との連携)
第十条  指定訪問看護事業者は、指定訪問看護を提供するに当たっては、保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。
 指定訪問看護事業者は、指定訪問看護の提供の終了に際しては、利用者又はその家族に対して適切な指導を行うとともに、主治の医師に対する情報の提供並びに保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。

(身分を証する書類の携行)
第十一条  指定訪問看護事業者は、看護師等に身分を証する書類を携行させ、初回訪問時及び利用者又はその家族から求められたときは、これを提示すべき旨を指導しなければならない。

第十二条  削除

(利用料)
第十三条  指定訪問看護事業者は、基本利用料として、健康保険法第八十八条第四項 (この規定を準用し、又は例による場合を含む。)に規定する厚生労働大臣の定めるところにより算定した費用の額より訪問看護療養費若しくは家族訪問看護療養費として支給される額に相当する額を控除した額又は高齢者医療確保法第七十八条第四項 に規定する厚生労働大臣が定める算定方法により算定した額より訪問看護療養費として支給される額に相当する額を控除した額の支払を利用者から受けるものとする。
 指定訪問看護事業者は、基本利用料のほか、その他の利用料として、次の各号に掲げる額の支払を利用者から受けることができる。
 利用者の選定に係る指定訪問看護ステーションが定める時間以外の時間における指定訪問看護その他の厚生労働大臣が定める指定訪問看護の提供に関し、当該指定訪問看護に要する費用の範囲内において、健康保険法第八十八条第四項 又は高齢者医療確保法第七十八条第四項 に規定する厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額を超える額
 指定訪問看護の提供に係る交通費、おむつ代等に要する費用であってその範囲内の額
 指定訪問看護事業者は、指定訪問看護の提供に当たっては、あらかじめ、利用者又はその家族等に対し、基本利用料並びにその他の利用料の内容及び額に関して説明を行い、利用者の同意を得なければならない。

(指定訪問看護の基本取扱方針)
第十四条  指定訪問看護は、利用者の心身の特性を踏まえて、利用者の療養上妥当適切に行い、日常生活の充実に資するようにするとともに、漫然かつ画一的なものとならないよう、療養上の目標を設定し、計画的に行われなければならない。
 指定訪問看護事業者は、自らその提供する指定訪問看護の質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。

(指定訪問看護の具体的取扱方針)
第十五条  看護師等の行う指定訪問看護の方針は、次に掲げるところによるものとする。
 指定訪問看護の提供に当たっては、主治の医師との密接な連携及び第十七条第一項に規定する訪問看護計画に基づき、利用者の心身の機能の維持回復を図るよう妥当適切に行う。
 指定訪問看護の提供に当たっては、懇切丁寧に行うことを旨とし、利用者又はその家族に対し、療養上必要な事項について、理解しやすいように指導又は説明を行う。
 指定訪問看護の提供に当たっては、医学の進歩に対応し、適切な看護の技術をもって、これを行う。
 指定訪問看護の提供に当たっては、常に利用者の病状、心身の状況及びその置かれている環境の的確な把握に努め、利用者又はその家族に対し、適切な指導を行う。
 特殊な看護等については、これを行ってはならない。

(主治の医師との関係)
第十六条  指定訪問看護ステーションの管理者は、主治の医師の指示に基づき適切な指定訪問看護が行われるよう必要な管理をしなければならない。
 指定訪問看護事業者は、指定訪問看護の提供の開始に際し、主治の医師による指示を文書で受けなければならない。
 指定訪問看護事業者は、利用者の病状及び心身の状態について、定期に主治の医師に指定訪問看護の提供の継続の要否を相談しなければならない。
 指定訪問看護事業者は、主治の医師に次条第一項に規定する訪問看護計画書及び訪問看護報告書を提出し、指定訪問看護の提供に当たって主治の医師との密接な連携を図らなければならない。

(訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成)
第十七条  看護師等(准看護師を除く。以下この条において同じ。)は、利用者の希望、主治の医師の指示及び心身の状況等を踏まえて、療養上の目標、当該目標を達成するための具体的な指定訪問看護の内容等を記載した訪問看護計画書を作成しなければならない。 
 看護師等は、作成した訪問看護計画書の主要な事項について、利用者又はその家族に説明しなければならない。
 看護師等は、訪問日、提供した看護内容等を記載した訪問看護報告書を作成しなければならない。
 指定訪問看護ステーションの管理者は、訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成に関し、必要な指導及び管理を行わなければならない。

(利用者に関する市町村への通知)
第十八条  指定訪問看護事業者は、指定訪問看護を受けている利用者が次の各号のいずれかに該当する場合は、遅滞なく、意見を付して、その旨を全国健康保険協会、高齢者医療確保法第四十八条 に規定する後期高齢者医療広域連合(以下単に「後期高齢者医療広域連合」という。)又は健康保険組合に通知しなければならない。
 正当な理由なしに指定訪問看護の利用に関する指導に従わないとき。
 偽りその他不正な行為によって訪問看護療養費若しくは家族訪問看護療養費の支給を受け、又は受けようとしたとき。

(緊急時等の対応)
第十九条  看護師等は、現に指定訪問看護の提供を行っているときに利用者に病状の急変等が生じた場合には、速やかに主治の医師への連絡を行い指示を求めるとともに、必要に応じて臨時応急の手当を行う等の必要な措置を講じなければならない。

(管理者の責務)
第二十条  指定訪問看護ステーションの管理者は、指定訪問看護ステーションの従業者の管理及び指定訪問看護の利用の申込みに係る調整、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行うものとする。
 指定訪問看護ステーションの管理者は、当該指定訪問看護ステーションの従業者にこの章の規定を遵守させるため必要な指揮命令を行うものとする。

(運営規程)
第二十一条  指定訪問看護事業者は、指定訪問看護ステーションごとに、次に掲げる事業の運営についての重要事項に関する規程(以下「運営規程」という。)を定めておかなければならない。
 事業の目的及び運営の方針
 従業者の職種、員数及び職務の内容
 営業日及び営業時間
 指定訪問看護の内容及び利用料その他の費用の額
 通常の事業の実施地域
 緊急時等における対応方法
 その他運営に関する重要事項

(勤務体制の確保等)
第二十二条  指定訪問看護事業者は、利用者に対し適切な指定訪問看護を提供できるよう、指定訪問看護ステーションごとに、看護師等の勤務の体制を定めておかなければならない。
 指定訪問看護業者は、指定訪問看護ステーションごとに、当該指定訪問看護ステーションの看護師等によって指定訪問看護を提供しなければならない。
 指定訪問看護事業者は、看護師等の資質の向上のために、その研修の機会を確保しなければならない。

(衛生管理等)
第二十三条  指定訪問看護ステーションの管理者は、看護師等の清潔の保持及び健康状態について、必要な管理を行わなければならない。
 指定訪問看護ステーションの管理者は、当該指定訪問看護ステーションの設備及び備品等について、衛生的な管理に努めなければならない。

(掲示)
第二十四条  指定訪問看護事業者は、指定訪問看護ステーションの見やすい場所に、運営規程の概要、看護師等の勤務の体制その他の利用申込者の指定訪問看護の選択に資すると認められる重要事項を掲示しなければならない。

(秘密保持等)
第二十五条  指定訪問看護ステーションの従業者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。
 指定訪問看護事業者は、当該指定訪問看護ステーションの従業者であった者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。

(広告)
第二十六条  指定訪問看護事業者は、指定訪問看護ステーションについて広告をする場合においては、その内容が虚偽又は誇大なものであってはならない。

(苦情処理)
第二十七条  指定訪問看護事業者は、提供した指定訪問看護に係る利用者からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、必要な措置を講じなければならない。

(事故発生時の対応)
第二十八条  指定訪問看護事業者は、利用者に対する指定訪問看護の提供により事故が発生した場合は、全国健康保険協会、後期高齢者医療広域連合又は健康保険組合、当該利用者の家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。
 指定訪問看護事業者は、利用者に対する指定訪問看護の提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならない。

(会計の区分)
第二十九条  指定訪問看護事業者は、指定訪問看護ステーションごとに経理を区分するとともに、指定訪問看護の事業の会計とその他の事業の会計を区分しなければならない。

(記録の整備)
第三十条  指定訪問看護事業者は、従業者、設備、備品及び会計に関する諸記録を整備しておかなければならない。
 指定訪問看護事業者は、利用者に対する指定訪問看護の提供に関する諸記録を整備し、その完結の日から二年間保存しなければならない。

(事業報告)
第三十一条  指定訪問看護ステーションの管理者は、その管理する指定訪問看護ステーションに関して、指定訪問看護の事業の報告を、厚生労働大臣に提出しなければならない。

   附 則

(施行期日)
第一条  この省令は、平成十二年四月一日から施行する。

(指定老人訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準の廃止)
第二条  指定老人訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準(平成四年厚生省令第三号)は、廃止する。

   附 則 (平成一二年一〇月二〇日厚生省令第一二七号) 抄

(施行期日)
 この省令は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。

   附 則 (平成一二年一二月一三日厚生省令第一四四号) 抄

(施行期日)
第一条  この省令は、平成十三年一月一日から施行する。

   附 則 (平成一三年二月一四日厚生労働省令第一二号)

 この省令は、平成十三年四月一日から施行する。
 保険者は、第一条の規定による改正後の健康保険法施行規則(以下「新健保規則」という。)第二十三条の規定にかかわらず、当分の間、第一条の規定による改正前の健康保険法施行規則第二十三条の様式による健康保険被保険者証及び健康保険特例退職被保険者証(以下「旧健保被保険者証」という。)を交付することができる。この場合において、旧健保被保険者証については、新健保規則の規定にかかわらず、なお従前の例による。
 この省令の施行の際現に交付されている旧健保被保険者証については、新健保規則の規定にかかわらず、なお従前の例による。
 第一条の規定による改正後の様式による健康保険被保険者証以外の被保険者証(健康保険継続療養証明書を含む。第七項において同じ。)の返還に際する所定事項の記入又は記録については、第二条の規定による改正後の保険医療機関及び保険医療養担当規則の規定にかかわらず、なお従前の例による。
 保険者は、第三条の規定による改正後の国民健康保険法施行規則(以下「旧国保規則」という。)第六条の規定にかかわらず、当分の間、第三条の規定による改正前の国民健康保険法施行規則第六条の様式による国民健康保険被保険者証、国民健康保険退職被保険者証及び国民健康保険資格証明書(以下「旧国保被保険者証」という。)を交付することができる。この場合において、旧国保被保険者証については、新国保規則の規定にかかわらず、なお従前の例による。
 この省令の施行の際現に交付されている旧国保被保険者証については、新国保規則の規定にかかわらず、なお従前の例による。
 第一条の規定による改正後の様式による健康保険被保険者証以外の被保険者証への必要な事項の記載については、第四条の規定による改正後の指定訪問看護及び指定老人訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準の規定にかかわらず、なお従前の例による。

   附 則 (平成一四年二月二二日厚生労働省令第一四号)

 この省令は、保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律の施行の日(平成十四年三月一日)から施行する。
 この省令の施行の際現にあるこの省令による改正前の様式による用紙については、当分の間、これを取り繕って使用することができる。

   附 則 (平成一四年九月五日厚生労働省令第一一七号) 抄

(施行期日)
第一条  この省令は、平成十四年十月一日から施行する。

   附 則 (平成一五年二月二五日厚生労働省令第一五号) 抄

(施行期日)
第一条  この省令は、平成十五年四月一日から施行する。

   附 則 (平成一八年三月六日厚生労働省令第二八号)

 この省令は、平成十八年四月一日から施行する。
   附 則 (平成二〇年三月五日厚生労働省令第二七号)

 この省令は、平成二十年四月一日から施行する。
   附 則 (平成二〇年九月三〇日厚生労働省令第一四九号) 抄

(施行期日)
第一条  この省令は、平成二十年十月一日から施行する。