少年警察活動規則
(平成十四年九月二十七日国家公安委員会規則第二十号)


最終改正:平成二四年六月二一日国家公安委員会規則第八号


 警察法施行令 (昭和二十九年政令第百五十一号)第十三条第一項 の規定に基づき、少年警察活動規則を次のように定める。


 第一章 総則(第一条―第六条)
 第二章 一般的活動(第七条―第十一条)
 第三章 少年の非行の防止のための活動
  第一節 通則(第十二条―第十四条)
  第二節 触法調査(第十五条―第二十六条)
  第三節 ぐ犯調査(第二十七条―第三十四条)
  第四節 雑則(第三十五条)
 第四章 少年の保護のための活動(第三十六条―第三十九条)
 附則

   第一章 総則

(趣旨)
第一条  この規則は、少年の非行の防止及び保護を通じて少年の健全な育成を図るための警察活動(以下「少年警察活動」という。)に関し、必要な事項を定めるものとする。
 少年警察活動に関しては、警察法 (昭和二十九年法律第百六十二号)、警察官職務執行法 (昭和二十三年法律第百三十六号)、少年法 (昭和二十三年法律第百六十八号)、刑事訴訟法 (昭和二十三年法律第百三十一号)、児童福祉法 (昭和二十二年法律第百六十四号)、犯罪捜査規範 (昭和三十二年国家公安委員会規則第二号)その他の法令(地方公共団体の条例又は規則を含む。)によるほか、この規則の定めるところによる。

(定義)
第二条  この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
 少年 少年法第二条第一項 に規定する少年をいう。
 犯罪少年 少年法第三条第一項第一号 に規定する少年をいう。
 触法少年 少年法第三条第一項第二号 に規定する少年をいう。
 ぐ犯少年 少年法第三条第一項第三号 に規定する少年をいう。
 非行少年 犯罪少年、触法少年及びぐ犯少年をいう。
 不良行為少年 非行少年には該当しないが、飲酒、喫煙、深夜はいかいその他自己又は他人の徳性を害する行為(以下「不良行為」という。)をしている少年をいう。
 被害少年 犯罪その他少年の健全な育成を阻害する行為により被害を受けた少年をいう。
 要保護少年 児童虐待を受けた児童、保護者のない少年その他の児童福祉法 による福祉のための措置又はこれに類する保護のための措置が必要と認められる少年(非行少年に該当する場合を除く。)をいう。
 低年齢少年 十四歳に満たない者をいう。
 保護者 少年法第二条第二項 に規定する者をいう。
十一  少年補導職員 少年相談(少年の非行の防止及び保護に関する相談をいう。以下同じ。)、継続補導(第八条第二項(第十三条第三項及び第十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定により行う継続的な補導をいう。以下同じ。)、被害少年に対する継続的な支援その他の特に専門的な知識及び技能を必要とする少年警察活動を行わせるため、当該活動に必要な知識及び技能を有する都道府県警察の職員(警察官を除く。)のうちから警察本部長(警視総監及び道府県警察本部長をいう。以下同じ。)が命じた者をいう。
十二  少年サポートセンター 警視庁、道府県警察本部又は方面本部の内部組織のうち、少年補導職員又は前号に規定する知識及び技能を有する警察官(以下「少年補導職員等」という。)を配置し、専門的な知識及び技能を必要とし、又は継続的に実施することを要する少年警察活動について中心的な役割を果たすための組織として警察本部長及び方面本部長が定めるものをいう。

(少年警察活動の基本)
第三条  少年警察活動を行うに際しては、次の各号に掲げる事項を基本とするものとする。
 少年の健全な育成を期する精神をもって当たるとともに、その規範意識の向上及び立直りに資するよう配意すること。
 少年の心理、生理その他の特性に関する深い理解をもって当たること。
 少年の性行及び環境を深く洞察し、非行の原因の究明や犯罪被害等の状況の把握に努め、その非行の防止及び保護をする上で最も適切な処遇の方法を講ずるようにすること。
 秘密の保持に留意して、少年その他の関係者が秘密の漏れることに不安を抱かないように配意すること。
 少年の非行の防止及び保護に関する国際的動向に十分配慮すること。

(部門間の連絡等)
第四条  警察本部長及び警察署長は、少年に係る事案の適切な取扱いを確保し、及び少年に対する暴力団の影響の排除、暴走族等の非行集団に係る対策その他の複数の部門に関係する施策を的確に推進するため、少年警察部門(少年警察活動を所掌する部門をいう。以下同じ。)とその他の警察部門との緊密な連絡を保たせるものとする。
 警察本部長及び警察署長は、すべての警察職員が少年警察活動の基本を理解するよう、適切かつ効果的な教養を実施するものとする。

(関係機関等との連携)
第五条  少年警察活動は、学校、家庭裁判所、児童相談所その他の少年の健全な育成に関係する業務を行う機関又は少年の健全な育成のための活動を行うボランティア若しくは団体との連携と適切な役割分担の下に行うものとする。

(早期発見)
第六条  第二条第五号から第八号までに掲げる少年については、街頭補導(次条第一項に規定する街頭補導をいう。)及び少年相談を適切に実施し、並びに警察の各部門間及び警察と関係機関の連携を図り、これらを早期に発見するように努めるものとする。

   第二章 一般的活動

(街頭補導)
第七条  街頭補導(道路その他の公共の場所、駅その他の多数の客の来集する施設又は風俗営業の営業所その他の少年の非行が行われやすい場所において、第二条第五号から第八号までに掲げる少年を発見し、必要に応じその場で、これらに第十三条第一項、第十四条第一項、第三十六条第一項又は第三十八条第一項に規定する措置をとる活動をいう。以下同じ。)は、自らの身分を明らかにし、その他相手方の権利を不当に害することのないよう注意して行うものとする。
 第二条第五号から第八号までに掲げる少年を早期に発見するため必要があるときは、街頭補導の実施に当たり、学校その他の関係機関、少年の健全な育成のための活動を行うボランティアその他の関係者の協力を求めるものとする。

(少年相談)
第八条  少年又は保護者その他の関係者から少年相談を受けたときは、懇切を旨として、当該事案の内容に応じ、指導又は助言、関係機関への引継ぎその他適切な処理を行うものとする。
 少年相談に係る少年について、その非行の防止を図るため特に必要と認められる場合には、保護者の同意を得た上で、家庭、学校、交友その他の環境について相当の改善が認められるまでの間、本人に対する助言又は指導その他の補導を継続的に実施するものとする。
 前項の規定による補導は、少年サポートセンターに配置された少年補導職員等(やむを得ない理由がある場合には、少年サポートセンターの指導の下、少年警察部門に属するその他の警察職員)が実施するものとする。
 少年サポートセンターにおいては、第二項の規定による補導の適切な実施のため必要があるときは、保護者の同意を得た上で、これを学校関係者その他の適当な者と協力して実施するものとする。

(少年の規範意識の向上等に資する活動)
第九条  広く少年の参加を得て行うボランティア活動等の社会奉仕体験活動、柔道、剣道等のスポーツ活動その他の少年の規範意識の向上又は社会の一員としての意識の涵養に資するための体験活動については、学校その他の関係機関等が実施する少年の健全な育成のための活動との適切な役割分担の下、少年警察活動に関する知見、警察職員の能力その他警察業務の専門性を生かして、効果的に実施するものとする。

(情報発信)
第十条  少年警察活動については、少年の健全な育成に関する国民の理解を深めるため、少年の非行及び犯罪被害の実態並びに少年警察活動の状況に関する情報を積極的に発信するものとする。この場合においては、関係機関との協議会の開催、関係機関が開催する講習会等への協力その他の適切な方法により、少年警察活動に関する専門的な知見が関係機関等における少年の健全な育成のための活動に反映されるよう配慮するものとする。

(有害環境の影響の排除に係る都道府県知事への連絡等)
第十一条  警察本部長及び警察署長は、少年が容易に見ることができるような状態で性的好奇心をそそる写真、ビデオテープその他の物品が販売されていることその他の少年の心身に有害な影響を与える環境(以下「有害環境」という。)があると認めるときは、都道府県知事その他の関係行政機関に対し、その旨を連絡するものとし、広報啓発その他の地域における民間公益活動、酒類販売業者等の事業者による顧客の年齢確認その他の民間における有害環境の少年に対する影響を排除するための自主的な活動に関し、その求めに応じ、必要な配慮を加えるものとする。

   第三章 少年の非行の防止のための活動

    第一節 通則

(捜査又は調査を行う部門)
第十二条  警察本部長又は警察署長は、犯罪少年に係る事件の捜査又は触法少年に係る事件の調査(以下「触法調査」という。)若しくはぐ犯少年に係る事件の調査(以下「ぐ犯調査」という。)を少年警察部門に属する警察官に行わせるものとする。ただし、事件の内容及び当該警察本部又は警察署の実情にかんがみ、適切な捜査又は調査の実施のため必要と認められるときは、この限りでない。
 警察本部長又は警察署長は、前項ただし書の場合においても、少年の特性に配慮した捜査又は調査が行われるよう、少年警察部門に属する警察官に捜査又は調査の経過について常に把握させ、捜査又は調査を行う警察官に対する必要な支援を行わせるものとする。

(非行少年についての活動)
第十三条  非行少年については、当該少年に係る事件の捜査又は調査のほか、その適切な処遇に資するため必要な範囲において、時機を失することなく、本人又はその保護者に対する助言、学校その他の関係機関への連絡その他の必要な措置をとるものとする。
 触法調査又はぐ犯調査を行うに当たっては、特に家庭裁判所及び児童相談所との連携を密にしつつ、これを進めなければならない。
 触法少年であって少年法第六条の六第一項 の規定により送致すべき者若しくは児童福祉法第二十五条 の規定により通告すべき者に該当しないもの又は十四歳未満のぐ犯少年であって児童福祉法第二十五条 の規定により通告すべき者に該当しないものの処遇については、第一項に定めるもののほか、第八条第二項から第四項までの規定を準用する。

(不良行為少年についての活動)
第十四条  不良行為少年を発見したときは、当該不良行為についての注意、その後の非行を防止するための助言又は指導その他の補導を行い、必要に応じ、保護者(学校又は職場の関係者に連絡することが特に必要であると認めるときは、保護者及び当該関係者)に連絡するものとする。
 第八条第二項から第四項までの規定は、不良行為少年について準用する。

    第二節 触法調査

(触法調査の基本)
第十五条  触法調査については、少年法 及び児童福祉法 に基づく措置に資することを念頭に置き、少年の健全な育成を期する精神をもって、これに当たらなければならない。
 触法調査を行うに当たっては、特に低年齢少年が精神的に未成熟であり、可塑性に富むこと、迎合する傾向にあること等の特性を有することにかんがみ、特に他人の耳目に触れないようにし、少年に対する言動に注意する等温情と理解をもって当たり、少年の心情と早期の立直りに配慮しなければならない。

(調査すべき事項)
第十六条  触法調査においては、事件の事実、原因及び動機並びに当該少年の性格、行状、経歴、教育程度、環境、家庭の状況、交友関係等について調査するものとする。

(調査指揮)
第十七条  触法調査の指揮については、犯罪捜査規範第十六条 から第十九条 (事件指揮簿に関する部分を除く。)までの規定を準用する。この場合において、第十六条中「捜査」又は「犯罪の捜査」とあるのは「触法少年に係る事件の調査」と、「捜査態勢」とあるのは「調査態勢」と、第十七条の見出し中「捜査担当部課長」とあるのは「調査担当部長及び課長」と、同条中「刑事部長、警備部長その他犯罪の捜査を担当する部課長」とあるのは「触法少年に係る事件の調査を担当する部長及び課長」と、「犯罪の捜査の」とあるのは「触法少年に係る事件の調査の」と、第十八条中「犯罪の捜査」又は「捜査」とあるのは「触法少年に係る事件の調査」と、第十九条の見出し中「捜査指揮」とあるのは「調査指揮」と、同条第一項中「犯罪の捜査」とあるのは「触法少年に係る事件の調査」と読み替えるものとする。
 触法少年に係る事件については、警察庁長官(以下「長官」という。)が定める様式の少年事件処理簿を作成し、触法調査の指揮及び事件の送致又は通告その他の事件の処理の経過を明らかにしておかなければならない。

(調査主任官)
第十八条  警察本部長又は警察署長は、個々の触法調査につき、調査主任官を指名するものとする。
 調査主任官は、前条第一項の規定により読み替えて準用する犯罪捜査規範第十六条 から第十九条 (事件指揮簿に関する部分を除く。)までの規定により指揮を受け、当該触法調査につき、次に掲げる職務を行うものとする。
 調査すべき事項及び調査に従事する者の任務分担を定めること。
 押収物及びその換価代金の出納を承認し、これらの保管の状況を常に把握すること。
 調査方針を立てること。
 調査に従事する者に対し、調査の状況に関し報告を求めること。
 調査の適正な遂行及び当該調査に係る少年の自殺その他の事故の防止について調査に従事する者に対する指導教養を行うこと。
 家庭裁判所、児童相談所、学校その他の関係機関との連絡調整を行うこと。
 前各号に掲げるもののほか、警察本部長又は警察署長から特に命ぜられた事項
 警察本部長又は警察署長は、第一項の規定により調査主任官を指名する場合には、当該事件の内容並びに所属の職員の調査能力、知識経験及び職務遂行の状況を勘案し、前項に規定する職務を的確に行うことができると認められる者を指名しなければならない。
 調査主任官が交代する場合には、関係書類、証拠物等の引継ぎを確実に行うとともに、調査の状況その他必要な事項を明らかにし、事後の調査に支障を来すことのないようにしなければならない。

(付添人の選任)
第十九条  少年法第六条の三 に規定する付添人の選任については、付添人を選任することができる者又は付添人から両者が連署した付添人選任届を差し出させるものとする。

(触法調査のための呼出し及び質問)
第二十条  触法調査のため、触法少年であると疑うに足りる相当の理由のある者(以下この条において「少年」という。)、保護者又は参考人を呼び出すに当たっては、電話、長官が定める様式の呼出状の送付その他適当な方法により、出向くべき日時、場所、用件その他必要な事項を呼出人に確実に伝達しなければならない。この場合において、少年又は重要な参考人の呼出しについては、警察本部長又は警察署長に報告して、その指揮を受けなければならない。
 少年を呼び出し、質問するに当たっては、当該少年の保護者又はこれに代わるべき者に連絡するものとする。ただし、連絡することが当該少年の福祉上著しく不適当であると認められるときは、この限りでない。
 少年を呼び出し、質問するに当たっては、当該少年に無用の緊張又は不安を与えることのないよう言動に注意するとともに、やむを得ない場合を除き、夜間に呼び出し、質問すること、長時間にわたり質問すること及び他人の耳目に触れるおそれがある場所において質問することを避けなければならない。
 少年に質問するに当たっては、当該少年に無用の緊張又は不安を与えることを避け、事案の真相を明らかにし、事後の効果的な指導育成に資するよう、少年の保護者その他の当該少年の保護又は監護の観点から適切と認められる者の立会いについて配慮するものとする。
 少年、保護者又は参考人を呼び出す場合には、長官が定める様式の呼出簿に所要事項を記載して、その処理の経過を明らかにしておかなければならない。

(令状の請求)
第二十一条  少年法第六条の五第二項 において準用する刑事訴訟法 中の司法警察職員の行う押収、捜索、検証及び鑑定の嘱託に関する規定(同法第二百二十四条 を除く。)による捜索、差押え、記録命令付差押え、検証若しくは身体検査の令状又は鑑定処分許可状は、同法第百九十九条第二項 の規定に基づき都道府県公安委員会が指定する警部以上の階級にある司法警察員たる警察官がこれを請求するものとする。ただし、やむを得ないときは、他の司法警察員たる警察官が請求しても差し支えない。
 前項の令状を請求するに当たっては、順を経て警察本部長又は警察署長に報告し、その指揮を受けなければならない。ただし、急速を要し、指揮を受けるいとまのない場合には、請求後速やかに、その旨を報告するものとする。
 第一項の令状を請求したときは、長官が定める様式の令状請求簿により、請求の手続、発付後の状況等を明らかにしておかなければならない。

(触法少年に係る事件の送致又は通告)
第二十二条  触法調査の結果、次の各号に該当するときは、当該各号の手続により処理をするものとする。
 当該少年が少年法第六条の六第一項 各号のいずれかに該当するとき 長官が定める様式の触法少年事件送致書を作成し、これに長官が定める様式の身上調査表その他の関係書類を添付して児童相談所長に送致すること。
 前号に掲げるもののほか、当該少年に保護者がないとき又は保護者に監護させることが不適当であると認められるとき 長官が定める様式の児童通告書により児童相談所に通告するほか、少年法第六条の二第三項の規定に基づく警察職員の職務等に関する規則 (平成十九年国家公安委員会規則第二十三号)別記様式の調査概要結果通知書により児童相談所に通知すること。
 前項の処理をするに当たっては、警察本部長又は警察署長の指揮を受けて行わなければならない。

(関連事件の送致)
第二十三条  数個の触法少年に係る事件が関連する場合において、これらを共に児童相談所長に送致するときは、各別の記録とすることを要しないものとする。

(共通証拠物の取扱い)
第二十四条  触法少年に係る事件が成人又は犯罪少年に係る事件と関連し、これらを送致若しくは送付する場合において、共通の証拠物があるときは、成人又は犯罪少年に係る事件に証拠物を添付し、触法少年に係る事件の記録にこの旨を記載するものとする。ただし、触法少年に係る事件のみが重要と認められ、かつ、当該事件について児童福祉法第二十七条第一項第四号 の措置がとられた場合は、当該措置に係る家庭裁判所に証拠物を送付するものとする。

(指導教養)
第二十五条  警察本部長及び警察署長は、触法調査に従事する者に対し、低年齢少年の特性その他の職務遂行に必要な知識及び技能に関する指導教養を行うものとする。

(準用規定)
第二十六条  触法調査については、この節に規定するもののほか、その性質に反しない限り、犯罪捜査規範第十一章 の例によるものとする。

    第三節 ぐ犯調査

(ぐ犯調査の基本)
第二十七条  犯罪の捜査、触法調査、少年相談その他の活動において、ぐ犯少年と認められる者を発見した場合は、少年法 及び児童福祉法 に基づく措置に資することを念頭に置き、少年の健全な育成を期する精神をもって、当該少年に係る事件の調査に当たるものとする。
 ぐ犯調査を行うに当たっては、少年の心理、生理その他の特性にかんがみ、特に他人の耳目に触れないようにし、少年に対する言動に注意する等温情と理解をもって当たり、その心情を傷つけないよう努めなければならない。

(ぐ犯調査を行うことができる警察職員)
第二十八条  少年法第六条の二第三項の規定に基づく警察職員の職務等に関する規則第一条 の規定により警察本部長が指定した警察職員は、上司である警察官の命を受け、ぐ犯調査を行うことができる。

(調査すべき事項)
第二十九条  ぐ犯調査においては、事件の事実、原因及び動機並びに当該少年の性格、行状、経歴、教育程度、環境、家庭の状況、交友関係等について調査するものとする。

(調査主任官等)
第三十条  警察本部長又は警察署長は、調査すべき事項及び調査に従事する者の任務分担の決定、関係機関との連絡調整その他の適正な調査の遂行及び管理のために必要な職務を行わせるため、個々のぐ犯調査につき、調査主任官を指名するものとする。
 調査主任官が交代する場合には、関係書類等の引継ぎを確実に行うとともに、調査の状況その他必要な事項を明らかにし、事後の調査に支障を来すことのないようにしなければならない。
 ぐ犯少年に係る事件については、長官が定める様式の少年事件処理簿を作成し、ぐ犯調査の指揮及び事件の送致又は通告その他の事件の処理の経過を明らかにしておかなければならない。

(ぐ犯調査のための呼出し及び質問)
第三十一条  ぐ犯調査のため、ぐ犯少年と認められる者(以下この条において「少年」という。)、保護者又は参考人を呼び出すに当たっては、電話、長官が定める様式の呼出状の送付その他適当な方法により、出向くべき日時、場所、用件その他必要な事項を呼出人に確実に伝達しなければならない。この場合において、少年又は重要な参考人の呼出しについては、警察本部長又は警察署長に報告して、その指揮を受けなければならない。
 少年を呼び出し、質問するに当たっては、当該少年の保護者又はこれに代わるべき者に連絡するものとする。ただし、連絡することが当該少年の福祉上著しく不適当であると認められるときは、この限りでない。
 少年、保護者又は参考人を呼び出す場合には、長官が定める様式の呼出簿に所要事項を記載して、その処理の経過を明らかにしておかなければならない。

(低年齢少年に係るぐ犯調査における配慮)
第三十二条  低年齢少年に係るぐ犯調査を行うに当たっては、特に低年齢少年が精神的に未成熟であり、可塑性に富むこと、迎合する傾向にあること等の特性を有することにかんがみ、少年の心情と早期の立直りに配慮しなければならない。
 低年齢少年であってぐ犯少年と認められる者(以下この項及び次項において「少年」という。)を呼び出し、質問するに当たっては、当該少年に無用の緊張又は不安を与えることのないよう言動に注意するとともに、やむを得ない場合を除き、夜間に呼び出し、質問すること、長時間にわたり質問すること及び他人の耳目に触れるおそれがある場所において質問することを避けなければならない。
 少年に質問するに当たっては、当該少年に無用の緊張又は不安を与えることを避け、事案の真相を明らかにし、事後の効果的な指導育成に資するよう、少年の保護者その他の当該少年の保護又は監護の観点から適切と認められる者の立会いについて配慮するものとする。

(ぐ犯少年に係る事件の送致又は通告)
第三十三条  ぐ犯調査の結果、次の各号に該当するときは、当該各号の手続により処理をするものとする。
 処理をする時において、当該少年が十四歳以上であって、その者を家庭裁判所の審判に付することが適当と認められるとき 長官が定める様式のぐ犯少年事件送致書を作成し、これに長官が定める様式の身上調査表その他の関係書類を添付して家庭裁判所に送致すること。
 処理をする時において、当該少年が十四歳以上十八歳未満であって、保護者がないとき又は保護者に監護させることが不適当であると認められ、かつ、家庭裁判所に直接送致するよりも、まず、児童福祉法 による措置にゆだねるのが適当であると認められるとき 長官が定める様式の児童通告書により児童相談所に通告すること。
 処理をする時において、当該少年が低年齢少年であって、保護者がないとき又は保護者に監護させることが不適当であると認められるとき 長官が定める様式の児童通告書により児童相談所に通告すること。
 前項の処理をするに当たっては、警察本部長又は警察署長の指揮を受けて行わなければならない。

(指導教養)
第三十四条  警察本部長及び警察署長は、ぐ犯調査に従事する者に対し、職務遂行に必要な知識及び技能に関する指導教養を行うものとする。

    第四節 雑則

(長官への委任)
第三十五条  この章に定めるもののほか、触法調査又はぐ犯調査に関する書類の様式その他必要な事項は、長官の定めるところによる。

   第四章 少年の保護のための活動

(被害少年についての活動)
第三十六条  被害少年については、適切な助言を行う等必要な支援を実施するものとする。
 前項に定めるもののほか、被害少年について、その精神的打撃の軽減を図るため特に必要と認められるときは、保護者の同意を得た上で、カウンセリングの実施、関係者への助言その他の継続的な支援を実施するものとする。
 前項に規定する継続的な支援について、その適切な実施のため必要があるときは、保護者の同意を得た上で、これを学校関係者その他の適当な者と協力して実施するものとする。

(福祉犯の被害少年についての活動)
第三十七条  福祉犯(児童買春に係る犯罪、児童にその心身に有害な影響を与える行為をさせる犯罪その他の少年の福祉を害する犯罪であって長官が定めるものをいう。以下同じ。)の被害少年については、当該福祉犯に係る捜査、前条に規定する支援のほか、当該少年が再び被害にあうことを防止するため保護者その他の関係者に配慮を求め、及び関係行政機関への連絡その他の同種の犯罪の発生を防止するため必要な措置をとるものとする。

(要保護少年についての活動)
第三十八条  要保護少年については、児童福祉法第二十五条 に基づく児童相談所への通告又は同法第三十三条第一項 若しくは第二項 の規定による委託を受けて行う一時保護の適切な実施のため、本人又はその保護者に対する助言、学校その他の関係機関への連絡その他の必要な措置をとるものとする。
 要保護少年について、少年に保護者がないとき又は保護者に監護させることが不適当であると認められるときは、長官が定める様式の児童通告書により児童相談所に通告するものとする。

(児童虐待を受けている児童等についての活動)
第三十九条  児童虐待を受け、又は受けているおそれのある児童については、児童相談所その他の関係機関との緊密な連携の下、当該児童に対するカウンセリング、保護者に対する助言又は指導その他の当該児童に対する支援を的確に実施するほか、児童虐待の防止等に関する法律 (平成十二年法律第八十二号)第十条 に基づく援助の求めがあった場合においては、その求めをした者との適切な役割分担の下、必要な措置をとるものとする。

   附 則

 この規則は、平成十五年一月一日から施行する。
   附 則 (平成一九年一〇月三〇日国家公安委員会規則第二四号) 抄

(施行期日)
 この規則は、少年法等の一部を改正する法律(平成十九年法律第六十八号)の施行の日(平成十九年十一月一日)から施行する。

   附 則 (平成二四年六月二一日国家公安委員会規則第八号)

 この規則は、情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日(平成二十四年六月二十二日)から施行する。