中間貯蔵・環境安全事業株式会社法
(平成十五年五月十六日法律第四十四号)


最終改正:平成二六年一一月二七日法律第一二〇号


 第一章 総則(第一条―第六条)
 第二章 事業等(第七条―第十七条)
 第三章 雑則(第十八条―第二十二条)
 第四章 罰則(第二十三条―第二十八条)
 附則

   第一章 総則

(会社の目的)
第一条  中間貯蔵・環境安全事業株式会社(以下「会社」という。)は、中間貯蔵の確実かつ適正な実施の確保を図り、事故由来放射性物質による環境の汚染が人の健康又は生活環境に及ぼす影響を速やかに低減することに資するため、中間貯蔵に係る事業を行うとともに、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の確実かつ適正な処理その他環境の保全に資するため、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理に係る事業並びに環境の保全に関する情報及び技術的知識の提供に係る事業を行うことを目的とする株式会社とする。

(定義)
第二条  この法律において「事故由来放射性物質」とは、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法 (平成二十三年法律第百十号。以下「放射性物質汚染対処特措法」という。)第一条 に規定する事故由来放射性物質をいう。
 この法律において「福島県内除去土壌等」とは、福島県内において生じた次に掲げる物をいう。
 放射性物質汚染対処特措法第三十一条第一項 に規定する除去土壌等
 前号に掲げるもののほか、放射性物質汚染対処特措法第二十条 に規定する特定廃棄物であって、事故由来放射性物質による汚染が著しいことその他の環境省令で定める要件に該当するもの
 この法律において「最終処分」とは、福島県内除去土壌等について除去土壌等処理基準(放射性物質汚染対処特措法第二十条 、第二十三条第一項若しくは第二項又は第四十一条第一項の規定に基づき福島県内除去土壌等の処理に当たり従うこととされている基準をいう。次項において同じ。)に従って行われる最終的な処分をいう。
 この法律において「中間貯蔵」とは、最終処分が行われるまでの間、福島県内除去土壌等について福島県(環境省令で定める区域に限る。)内において除去土壌等処理基準に従って行われる保管又は処分をいう。
 この法律において「ポリ塩化ビフェニル廃棄物」とは、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法 (平成十三年法律第六十五号)第二条第一項 に規定するポリ塩化ビフェニル廃棄物をいう。

(国の責務)
第三条  国は、中間貯蔵及びポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理の確実かつ適正な実施の確保を図るため、万全の措置を講ずるものとする。
 国は、前項の措置として、特に、中間貯蔵を行うために必要な施設を整備し、及びその安全を確保するとともに、当該施設の周辺の地域の住民その他の関係者の理解と協力を得るために必要な措置を講ずるほか、中間貯蔵開始後三十年以内に、福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずるものとする。

(株式の政府保有)
第四条  政府は、会社が第七条第一項第一号から第三号までに掲げる事業及びこれらに附帯する事業(第十六条第一号において「中間貯蔵に係る事業」という。)又は同項第四号に掲げる事業及びこれに附帯する事業(以下「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理に係る事業」という。)を営む間、会社の発行済株式の総数を保有していなければならない。

(政府の出資)
第五条  政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、会社に出資することができる。
 会社は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資により増加する資本金又は準備金を、第十六条に定める経理の区分に従い、同条各号に掲げる事業に係る勘定ごとに整理しなければならない。

(商号の使用制限)
第六条  会社でない者は、その商号中に中間貯蔵・環境安全事業株式会社という文字を使用してはならない。

   第二章 事業等

(事業の範囲)
第七条  会社は、その目的を達成するため、次に掲げる事業を営むものとする。
 国、福島県、福島県内の市町村その他環境省令で定める者(次号において「国等」という。)の委託を受けて、中間貯蔵を行うこと。
 国等の委託を受けて、福島県内除去土壌等の収集及び運搬を行うこと。
 国の委託を受けて、前二号に掲げる事業に関する情報及び技術的知識の提供並びに調査研究及び技術開発を行うこと。
 ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理を行うこと。
 環境の保全に関する情報及び技術的知識の提供を行うこと(第三号に掲げるものを除く。)。
 前各号に掲げる事業に附帯する事業を行うこと。
 会社は、前項の事業を営むほか、同項の事業の遂行に支障のない範囲内において、環境大臣の認可を受けて、同項の事業以外の事業を営むことができる。

(一般担保)
第八条  会社の社債権者は、会社の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
 前項の先取特権の順位は、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。

(長期借入金)
第九条  会社は、弁済期限が一年を超える資金を借り入れようとするときは、環境大臣の認可を受けなければならない。

(代表取締役等の選定等の決議)
第十条  会社の代表取締役又は代表執行役の選定及び解職並びに監査等委員である取締役若しくは監査役の選任及び解任又は監査委員の選定及び解職の決議は、環境大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

(ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理事業基本計画)
第十一条  会社は、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理に係る事業について、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法第六条第一項に規定するポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画に従い、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理施設の設置の場所、当該処理施設における処理量の見込み及び処理の方法その他環境省令で定める事業の基本となる事項に関する計画(以下「ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理事業基本計画」という。)を定め、環境大臣の認可を受けなければならない。ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理事業基本計画の変更(環境省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときも、同様とする。

(事業計画)
第十二条  会社は、毎事業年度の開始前に、その事業年度の事業計画を定め、環境大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

(重要な財産の譲渡等)
第十三条  会社は、環境省令で定める重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、環境大臣の認可を受けなければならない。

(定款の変更等)
第十四条  会社の定款の変更、剰余金の処分(損失の処理を除く。)、合併、分割及び解散の決議は、環境大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

(財務諸表)
第十五条  会社は、毎事業年度終了後三月以内に、その事業年度の貸借対照表、損益計算書及び事業報告書を環境大臣に提出しなければならない。

(区分経理)
第十六条  会社は、次に掲げる事業ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。
 中間貯蔵に係る事業
 前号に掲げる事業以外の事業

(債務保証)
第十七条  政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理に係る事業に要する費用に充てるための会社の長期借入金に係る債務(国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律(昭和二十八年法律第五十一号)第二条第一項の規定に基づき政府が保証契約をすることができる債務を除く。)について保証することができる。

   第三章 雑則

(監督)
第十八条  会社は、環境大臣がこの法律の定めるところに従い監督する。
 環境大臣は、この法律を施行するため特に必要があると認めるときは、会社に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

(報告及び検査)
第十九条  環境大臣は、この法律を施行するため特に必要があると認めるときは、会社からその業務に関し報告をさせ、又はその職員に、会社の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(財務大臣との協議)
第二十条  環境大臣は、第七条第二項、第九条、第十一条から第十三条まで若しくは第十四条(会社の定款の変更の決議に係るものについては、会社が発行することができる株式の総数を変更するものに限る。)の認可をしようとするとき、又は第二十二条の環境省令(会社の財務及び会計に関し必要な事項に限る。)を定めようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。

(課税の特例)
第二十一条  第五条第一項の規定による政府の出資があった場合において会社が受ける資本金の額の増加の登記については、登録免許税を課さない。

(環境省令への委任)
第二十二条  この法律に定めるもののほか、会社の財務及び会計に関し必要な事項その他この法律を実施するため必要な事項は、環境省令で定める。

   第四章 罰則

第二十三条  会社の取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役又は職員が、その職務に関して、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役に処する。これによって不正の行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、五年以下の懲役に処する。
 前項の場合において、犯人が収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

第二十四条  前条第一項の賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
 前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。

第二十五条  第二十三条第一項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第四条の例に従う。
 前条第一項の罪は、刑法第二条の例に従う。

第二十六条  第十九条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした会社の取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。

第二十七条  次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした会社の取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員又は監査役は、百万円以下の過料に処する。
 第七条第二項の規定に違反して、事業を営んだとき。
 第九条の規定に違反して、資金を借り入れたとき。
 第十一条の規定に違反して、ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理事業基本計画の認可を受けなかったとき。
 第十二条の規定に違反して、事業計画の認可を受けなかったとき。
 第十三条の規定に違反して、財産を譲渡し、又は担保に供したとき。
 第十五条の規定に違反して、貸借対照表、損益計算書若しくは事業報告書を提出せず、又は不実の記載若しくは記録をしたこれらのものを提出したとき。
 第十八条第二項の規定による命令に違反したとき。

第二十八条  第六条の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。

   附 則

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から施行する。

(会社の事業)
第二条  会社は、当分の間、独立行政法人環境再生保全機構法(平成十五年法律第四十三号。以下「機構法」という。)附則第二十条の規定による廃止前の環境事業団法(昭和四十年法律第九十五号。以下「旧事業団法」という。)第十八条第一項第九号の業務に係る機材で機構法附則第四条第一項の規定により会社が承継したものの貸付けの事業を経営することができる。
 前項に規定する事業については、会社の成立の日に、第一条第二項の環境大臣の認可を受けたものとみなす。
 政府は、会社の成立後五年を目途に、第一項の事業を終了させるため、必要な措置を講ずるものとする。

(検討)
第三条  政府は、平成三十九年三月三十一日までの間に、中間貯蔵の状況、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理の状況その他の状況を勘案しつつ、会社の組織及び事業全般にわたる検討を行い、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとする。

(設立委員)
第四条  環境大臣は、設立委員を命じ、会社の設立に関して発起人の職務を行わせる。

(定款)
第五条  設立委員は、定款を作成して、環境大臣の認可を受けなければならない。
 環境大臣は、前項の認可をしようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。

(会社の設立に際して発行する株式)
第六条  会社の設立に際して発行する株式に関する商法(明治三十二年法律第四十八号)第百六十八条ノ二各号に掲げる事項は、定款で定めなければならない。
 会社の設立に際して発行する株式については、商法第二百八十四条ノ二第二項の規定にかかわらず、その発行価額の二分の一を超える額を資本に組み入れないことができる。この場合において、同条第一項中「本法」とあるのは、「本法又ハ日本環境安全事業株式会社法」とする。

(株式の引受け)
第七条  会社の設立に際して発行する株式の総数は、環境事業団(以下「事業団」という。)が引き受けるものとし、設立委員は、これを事業団に割り当てるものとする。
 前項の規定により割り当てられた株式による会社の設立に関する株式引受人としての権利は、政府が行使する。

(出資)
第八条  事業団は、会社の設立に際し、会社に対し、機構法附則第四条第五項の認可を受けた同条第一項の承継計画書において定めるところにより、その財産を出資するものとする。

(創立総会)
第九条  会社の設立に係る商法第百八十条第一項の規定の適用については、同項中「第百七十七条ノ規定ニ依ル払込及現物出資ノ給付」とあるのは、「日本環境安全事業株式会社法附則第七条第一項ノ規定ニ依ル株式ノ割当」とする。

(会社の成立)
第十条  附則第八条の規定により事業団が行う出資に係る給付は、機構法附則第二十条の規定の施行の時に行われるものとし、会社は、商法第五十七条の規定にかかわらず、その時に成立する。

(設立の登記)
第十一条  会社は、商法第百八十八条第一項の規定にかかわらず、会社の成立後遅滞なく、その設立の登記をしなければならない。

(政府への無償譲渡)
第十二条  事業団が出資によって取得する会社の株式は、会社の成立の時に、政府に無償譲渡されるものとする。

(商法の適用除外)
第十三条  商法第百六十七条、第百六十八条第二項、第百六十九条、第百八十一条及び第百八十四条の規定は、会社の設立については、適用しない。

(権利及び義務の承継に伴う経過措置)
第十四条  機構法附則第四条第一項の規定により会社に承継される事業団の長期借入金に係る債務について旧事業団法第二十八条の規定により政府がした保証契約は、その承継後においても、当該長期借入金に係る債務について従前の条件により存続するものとする。

(商号についての経過措置)
第十五条  第二条の規定は、この法律の施行の際現にその商号中に日本環境安全事業株式会社という文字を使用している者については、この法律の施行後六月間は、適用しない。

(事業計画についての経過措置)
第十六条  会社の成立の日の属する営業年度の事業計画については、第八条中「毎営業年度の開始前に」とあるのは、「会社の成立後遅滞なく」とする。

(政令への委任)
第十七条  附則第四条から前条までに規定するもののほか、会社の設立に関し必要な事項は、政令で定める。

   附 則 (平成一七年七月二六日法律第八七号) 抄

 この法律は、会社法の施行の日から施行する。
   附 則 (平成二六年六月二七日法律第九一号) 抄

 この法律は、会社法の一部を改正する法律の施行の日から施行する。
   附 則 (平成二六年一一月二七日法律第一二〇号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第五条、第六条及び第八条の規定は、公布の日から施行する。

(事業の範囲に関する経過措置)
第二条  この法律の施行の際現に改正前の日本環境安全事業株式会社法(以下「旧法」という。)第一条第二項の認可を受けている事業は、改正後の中間貯蔵・環境安全事業株式会社法(以下「新法」という。)第七条第二項の認可を受けた事業とみなす。

(商号に関する経過措置)
第三条  新法第六条の規定は、この法律の施行の際現にその商号中に中間貯蔵・環境安全事業株式会社という文字を使用している者については、この法律の施行後六月間は、適用しない。

(事業基本計画に関する経過措置)
第四条  この法律の施行の際現に旧法第七条の認可を受けている事業基本計画は、新法第十一条の認可を受けたポリ塩化ビフェニル廃棄物処理事業基本計画とみなす。

(事業計画に関する経過措置)
第五条  日本環境安全事業株式会社は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)までに、新法第十二条の規定の例により、事業計画の変更をし、環境大臣の認可を受けなければならない。
 環境大臣は、前項の認可をしようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。
 第一項の認可を受けた事業計画は、施行日において新法第十二条の認可を受けた事業計画とみなす。
 第一項の規定に違反して、同項の認可を受けなかった場合には、その違反行為をした日本環境安全事業株式会社の取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員又は監査役は、百万円以下の過料に処する。

(定款の変更に関する経過措置)
第六条  日本環境安全事業株式会社は、施行日までに、必要な定款の変更をし、環境大臣の認可を受けなければならない。
 環境大臣は、前項の認可をしようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。
 第一項の認可があったときは、同項に規定する定款の変更は、施行日にその効力を生ずる。

(罰則に関する経過措置)
第七条  施行日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第八条  この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

(検討)
第九条  政府は、この法律の施行後七年を経過した場合において、新法の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
 政府は、中間貯蔵(新法第二条第四項に規定する中間貯蔵をいう。以下この項において同じ。)の状況、中間貯蔵に係る福島県内除去土壌等(同条第二項に規定する福島県内除去土壌等をいう。)の処分に関する調査研究及び技術開発の状況、中間貯蔵を行うために必要な施設の周辺の地域の住民その他の関係者の理解と協力の確保の状況その他の状況を勘案しつつ、最終処分(同条第三項に規定する最終処分をいう。)の方法について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。