消費者安全法
(平成二十一年六月五日法律第五十号)


最終改正:平成二六年六月一三日法律第七一号

(最終改正までの未施行法令)
平成二十六年六月十三日法律第七十一号(未施行)
 

 第一章 総則(第一条―第五条)
 第二章 基本方針(第六条・第七条)
 第三章 消費生活相談等
  第一節 消費生活相談等の事務の実施(第八条・第九条)
  第二節 消費生活センターの設置等(第十条・第十一条)
 第四章 消費者事故等に関する情報の集約等(第十二条―第十四条)
 第五章 消費者安全調査委員会による消費者事故等の調査等
  第一節 消費者安全調査委員会(第十五条―第二十二条)
  第二節 事故等原因調査等(第二十三条―第三十一条)
  第三節 勧告及び意見の陳述(第三十二条・第三十三条)
  第四節 雑則(第三十四条―第三十七条)
 第六章 消費者被害の発生又は拡大の防止のための措置(第三十八条―第四十五条)
 第七章 雑則(第四十六条―第四十九条)
 第八章 罰則(第五十条―第五十五条)
 附則

   第一章 総則

(目的)
第一条  この法律は、消費者の消費生活における被害を防止し、その安全を確保するため、内閣総理大臣による基本方針の策定について定めるとともに、都道府県及び市町村による消費生活相談等の事務の実施及び消費生活センターの設置、消費者事故等に関する情報の集約等、消費者安全調査委員会による消費者事故等の調査等の実施、消費者被害の発生又は拡大の防止のための措置その他の措置を講ずることにより、関係法律による措置と相まって、消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において「消費者」とは、個人(商業、工業、金融業その他の事業を行う場合におけるものを除く。)をいう。
 この法律において「事業者」とは、商業、工業、金融業その他の事業を行う者(個人にあっては、当該事業を行う場合におけるものに限る。)をいう。
 この法律において「消費者安全の確保」とは、消費者の消費生活における被害を防止し、その安全を確保することをいう。
 この法律において「消費安全性」とは、商品等(事業者がその事業として供給する商品若しくは製品又は事業者がその事業のために提供し、利用に供し、若しくは事業者がその事業として若しくはその事業のために提供する役務に使用する物品、施設若しくは工作物をいう。以下同じ。)又は役務(事業者がその事業として又はその事業のために提供するものに限る。以下同じ。)の特性、それらの通常予見される使用(飲食を含む。)又は利用(以下「使用等」という。)の形態その他の商品等又は役務に係る事情を考慮して、それらの消費者による使用等が行われる時においてそれらの通常有すべき安全性をいう。
 この法律において「消費者事故等」とは、次に掲げる事故又は事態をいう。
 事業者がその事業として供給する商品若しくは製品、事業者がその事業のために提供し若しくは利用に供する物品、施設若しくは工作物又は事業者がその事業として若しくはその事業のために提供する役務の消費者による使用等に伴い生じた事故であって、消費者の生命又は身体について政令で定める程度の被害が発生したもの(その事故に係る商品等又は役務が消費安全性を欠くことにより生じたものでないことが明らかであるものを除く。)
 消費安全性を欠く商品等又は役務の消費者による使用等が行われた事態であって、前号に掲げる事故が発生するおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するもの
 前二号に掲げるもののほか、虚偽の又は誇大な広告その他の消費者の利益を不当に害し、又は消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがある行為であって政令で定めるものが事業者により行われた事態
 この法律において「生命身体事故等」とは、前項第一号に掲げる事故及び同項第二号に掲げる事態をいう。
 この法律において「重大事故等」とは、次に掲げる事故又は事態をいう。
 第五項第一号に掲げる事故のうち、その被害が重大であるものとして政令で定める要件に該当するもの
 第五項第二号に掲げる事態のうち、前号に掲げる事故を発生させるおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するもの
 この法律において「多数消費者財産被害事態」とは、第五項第三号に掲げる事態のうち、同号に定める行為に係る取引であって次の各号のいずれかに該当するものが事業者により行われることにより、多数の消費者の財産に被害を生じ、又は生じさせるおそれのあるものをいう。
 消費者の財産上の利益を侵害することとなる不当な取引であって、事業者が消費者に対して示す商品、役務、権利その他の取引の対象となるものの内容又は取引条件が実際のものと著しく異なるもの
 前号に掲げる取引のほか、消費者の財産上の利益を侵害することとなる不当な取引であって、政令で定めるもの

(基本理念)
第三条  消費者安全の確保に関する施策の推進は、専門的知見に基づき必要とされる措置の迅速かつ効率的な実施により、消費者事故等の発生及び消費者事故等による被害の拡大を防止することを旨として、行われなければならない。
 消費者安全の確保に関する施策の推進は、事業者による適正な事業活動の確保に配慮しつつ、消費者の需要の高度化及び多様化その他の社会経済情勢の変化に適確に対応し、消費者の利便の増進に寄与することを旨として、行われなければならない。
 消費者安全の確保に関する施策の推進は、国及び地方公共団体の緊密な連携の下、地方公共団体の自主性及び自立性が十分に発揮されるように行われなければならない。

(国及び地方公共団体の責務)
第四条  国及び地方公共団体は、前条に定める基本理念(以下この条において「基本理念」という。)にのっとり、消費者安全の確保に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
 国及び地方公共団体は、消費者安全の確保に関する施策の推進に当たっては、基本理念にのっとり、消費生活について専門的な知識及び経験を有する者の能力を活用するよう努めなければならない。
 国及び地方公共団体は、消費者安全の確保に関する施策の推進に当たっては、基本理念にのっとり、消費者事故等に関する情報の開示、消費者の意見を反映させるために必要な措置その他の措置を講ずることにより、その過程の透明性を確保するよう努めなければならない。
 国及び地方公共団体は、消費者安全の確保に関する施策の推進に当たっては、基本理念にのっとり、施策効果(当該施策に基づき実施し、又は実施しようとしている行政上の一連の行為が消費者の消費生活、社会経済及び行政運営に及ぼし、又は及ぼすことが見込まれる影響をいう。第六条第二項第四号において同じ。)の把握及びこれを基礎とする評価を行った上で、適時に、かつ、適切な方法により検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
 国及び地方公共団体は、消費者安全の確保に関する施策の推進に当たっては、基本理念にのっとり、独立行政法人国民生活センター(以下「国民生活センター」という。)、第十条第三項に規定する消費生活センター、都道府県警察、消防機関(消防組織法 (昭和二十二年法律第二百二十六号)第九条 各号に掲げる機関をいう。)、保健所、病院、消費者団体その他の関係者の間の緊密な連携が図られるよう配慮しなければならない。
 国及び地方公共団体は、啓発活動、広報活動、消費生活に関する教育活動その他の活動を通じて、消費者安全の確保に関し、国民の理解を深め、かつ、その協力を得るよう努めなければならない。

(事業者等の努力)
第五条  事業者及びその団体は、消費者安全の確保に自ら努めるとともに、国及び地方公共団体が実施する消費者安全の確保に関する施策に協力するよう努めなければならない。
 消費者は、安心して安全で豊かな消費生活を営む上で自らが自主的かつ合理的に行動することが重要であることにかんがみ、事業者が供給し、及び提供する商品及び製品並びに役務の品質又は性能、事業者と締結すべき契約の内容その他の消費生活にかかわる事項に関して、必要な知識を修得し、及び必要な情報を収集するよう努めなければならない。

   第二章 基本方針

(基本方針の策定)
第六条  内閣総理大臣は、消費者安全の確保に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
 基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
 消費者安全の確保の意義に関する事項
 消費者安全の確保に関する施策に関する基本的事項
 他の法律(これに基づく命令を含む。以下同じ。)の規定に基づく消費者安全の確保に関する措置の実施についての関係行政機関との連携に関する基本的事項
 消費者安全の確保に関する施策の施策効果の把握及びこれを基礎とする評価に関する基本的事項
 前各号に掲げるもののほか、消費者安全の確保に関する重要事項
 基本方針は、消費者基本法 (昭和四十三年法律第七十八号)第九条第一項 に規定する消費者基本計画との調和が保たれたものでなければならない。
 内閣総理大臣は、基本方針を定めようとするときは、あらかじめ、消費者その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、関係行政機関の長に協議し、並びに消費者委員会及び消費者安全調査委員会の意見を聴かなければならない。
 内閣総理大臣は、基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
 前二項の規定は、基本方針の変更について準用する。

(都道府県知事による提案)
第七条  都道府県知事は、消費者安全の確保に関する施策の推進に関して、内閣総理大臣に対し、次条第一項各号に掲げる事務の実施を通じて得られた知見に基づき、基本方針の変更についての提案(以下この条において「変更提案」という。)をすることができる。この場合においては、当該変更提案に係る基本方針の変更の案を添えなければならない。
 内閣総理大臣は、変更提案がされた場合において、消費者委員会及び消費者安全調査委員会の意見を聴いて、当該変更提案を踏まえた基本方針の変更(変更提案に係る基本方針の変更の案の内容の全部又は一部を実現することとなる基本方針の変更をいう。次項において同じ。)をする必要があると認めるときは、遅滞なく、基本方針の変更をしなければならない。
 内閣総理大臣は、変更提案がされた場合において、消費者委員会及び消費者安全調査委員会の意見を聴いて、当該変更提案を踏まえた基本方針の変更をする必要がないと認めるときは、遅滞なく、その旨及びその理由を当該変更提案をした都道府県知事に通知しなければならない。

   第三章 消費生活相談等

    第一節 消費生活相談等の事務の実施

(都道府県及び市町村による消費生活相談等の事務の実施)
第八条  都道府県は、次に掲げる事務を行うものとする。
 次項各号に掲げる市町村の事務の実施に関し、市町村相互間の連絡調整及び市町村に対する技術的援助を行うこと。
 消費者安全の確保に関し、主として次に掲げる事務を行うこと。
 事業者に対する消費者からの苦情に係る相談のうち、その対応に各市町村の区域を超えた広域的な見地を必要とするものに応じること。
 事業者に対する消費者からの苦情の処理のためのあっせんのうち、その実施に各市町村の区域を超えた広域的な見地を必要とするものを行うこと。
 消費者事故等の状況及び動向を把握するために必要な調査又は分析であって、専門的な知識及び技術を必要とするものを行うこと。
 各市町村の区域を超えた広域的な見地から、消費者安全の確保のために必要な情報を収集し、及び住民に対し提供すること。
 市町村との間で消費者事故等の発生に関する情報を交換すること。
 前三号に掲げる事務に附帯する事務を行うこと。
 市町村は、次に掲げる事務を行うものとする。
 消費者安全の確保に関し、事業者に対する消費者からの苦情に係る相談に応じること。
 消費者安全の確保に関し、事業者に対する消費者からの苦情の処理のためのあっせんを行うこと。
 消費者安全の確保のために必要な情報を収集し、及び住民に対し提供すること。
 都道府県との間で消費者事故等の発生に関する情報を交換すること。
 前各号に掲げる事務に附帯する事務を行うこと。

(国及び国民生活センターの援助)
第九条  国及び国民生活センターは、都道府県及び市町村に対し、前条第一項各号及び第二項各号に掲げる事務の実施に関し、情報の提供その他の必要な援助を行うものとする。

    第二節 消費生活センターの設置等

(消費生活センターの設置)
第十条  都道府県は、第八条第一項各号に掲げる事務を行うため、次に掲げる要件に該当する施設又は機関を設置しなければならない。
 第八条第一項第二号イの相談について専門的な知識及び経験を有する者を同号イ及びロに掲げる事務に従事させるものであること。
 第八条第一項各号に掲げる事務の効率的な実施のために適切な電子情報処理組織その他の設備を備えているものであること。
 その他第八条第一項各号に掲げる事務を適切に行うために必要なものとして政令で定める基準に適合するものであること。
 市町村は、必要に応じ、第八条第二項各号に掲げる事務を行うため、次に掲げる要件に該当する施設又は機関を設置するよう努めなければならない。
 第八条第二項第一号の相談について専門的な知識及び経験を有する者を同号及び同項第二号に掲げる事務に従事させるものであること。
 第八条第二項各号に掲げる事務の効率的な実施のために適切な電子情報処理組織その他の設備を備えているものであること。
 その他第八条第二項各号に掲げる事務を適切に行うために必要なものとして政令で定める基準に適合するものであること。
 都道府県知事又は市町村長は、第一項又は前項の施設又は機関(以下「消費生活センター」という。)を設置したときは、遅滞なく、その名称及び住所その他内閣府令で定める事項を公示しなければならない。

(消費生活センターの事務に従事する人材の確保等)
第十一条  都道府県及び消費生活センターを設置する市町村は、消費生活センターに配置された相談員(前条第一項第一号又は第二項第一号に規定する者をいう。以下この条において同じ。)の適切な処遇、研修の実施、専任の職員の配置及び養成その他の措置を講じ、相談員その他の消費生活センターの事務に従事する人材の確保及び資質の向上を図るよう努めるものとする。

   第四章 消費者事故等に関する情報の集約等

(消費者事故等の発生に関する情報の通知)
第十二条  行政機関の長、都道府県知事、市町村長及び国民生活センターの長は、重大事故等が発生した旨の情報を得たときは、直ちに、内閣総理大臣に対し、内閣府令で定めるところにより、その旨及び当該重大事故等の概要その他内閣府令で定める事項を通知しなければならない。
 行政機関の長、都道府県知事、市町村長及び国民生活センターの長は、消費者事故等(重大事故等を除く。)が発生した旨の情報を得た場合であって、当該消費者事故等の態様、当該消費者事故等に係る商品等又は役務の特性その他当該消費者事故等に関する状況に照らし、当該消費者事故等による被害が拡大し、又は当該消費者事故等と同種若しくは類似の消費者事故等が発生するおそれがあると認めるときは、内閣総理大臣に対し、内閣府令で定めるところにより、当該消費者事故等が発生した旨及び当該消費者事故等の概要その他内閣府令で定める事項を通知するものとする。
 前二項の規定は、その通知をすべき者が次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。
 次のイからニまでに掲げる者であって、それぞれイからニまでに定める者に対し、他の法律の規定により、当該消費者事故等の発生について通知し、又は報告しなければならないこととされているもの
 行政機関の長 内閣総理大臣
 都道府県知事 行政機関の長
 市町村長 行政機関の長又は都道府県知事
 国民生活センターの長 行政機関の長
 前二項の規定により内閣総理大臣に対し消費者事故等の発生に係る通知をしなければならないこととされている他の者から当該消費者事故等の発生に関する情報を得た者(前号に該当する者を除く。)
 前二号に掲げる者に準ずるものとして内閣府令で定める者(前二号に該当する者を除く。)
 第一項又は第二項の場合において、行政機関の長、都道府県知事、市町村長及び国民生活センターの長が、これらの規定による通知に代えて、内閣総理大臣及び当該通知をしなければならないこととされている者が電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。)を利用して同一の情報を閲覧することができる状態に置く措置であって内閣府令で定めるものを講じたときは、当該通知をしたものとみなす。

(消費者事故等に関する情報の集約及び分析等)
第十三条  内閣総理大臣は、前条第一項又は第二項の規定による通知により得た情報その他消費者事故等に関する情報が消費者安全の確保を図るため有効に活用されるよう、迅速かつ適確に、当該情報の集約及び分析を行い、その結果を取りまとめるものとする。
 内閣総理大臣は、前項の規定により取りまとめた結果を、関係行政機関、関係地方公共団体及び国民生活センターに提供するとともに、消費者委員会に報告するものとする。
 内閣総理大臣は、第一項の規定により取りまとめた結果を公表しなければならない。
 内閣総理大臣は、国会に対し、第一項の規定により取りまとめた結果を報告しなければならない。

(資料の提供要求等)
第十四条  内閣総理大臣は、前条第一項の規定による情報の集約及び分析並びにその結果の取りまとめを行うため必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長、国民生活センターの長その他の関係者(第三十五条及び第三十八条第二項において「関係行政機関の長等」という。)に対し、資料の提供、意見の表明、消費者事故等の原因の究明のために必要な調査、分析又は検査の実施その他必要な協力を求めることができる。
 内閣総理大臣は、消費者事故等の発生又は消費者事故等による被害の拡大の防止を図るため必要があると認めるときは、関係都道府県知事又は関係市町村長に対し、消費者事故等に関して必要な報告を求めることができる。

   第五章 消費者安全調査委員会による消費者事故等の調査等

    第一節 消費者安全調査委員会

(調査委員会の設置)
第十五条  消費者庁に、消費者安全調査委員会(以下「調査委員会」という。)を置く。

(所掌事務)
第十六条  調査委員会は、次に掲げる事務をつかさどる。
 生命身体事故等(運輸安全委員会設置法 (昭和四十八年法律第百十三号)第二条第二項 に規定する航空事故等、同条第四項 に規定する鉄道事故等及び同条第六項 に規定する船舶事故等を除く。第四号及び第三十三条を除き、以下同じ。)の原因及び生命身体事故等による被害の原因(以下「事故等原因」と総称する。)を究明するための調査(以下「事故等原因調査」という。)を行うこと。
 生命身体事故等について、他の行政機関(運輸安全委員会を除く。)による調査若しくは検査又は法律(法律に基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定による地方公共団体の調査若しくは検査(法律の規定によりこれらの調査又は検査の全部又は一部を行うこととされている他の者がある場合においては、その者が行う調査又は検査を含む。以下「他の行政機関等による調査等」という。)の結果について事故等原因を究明しているかどうかについての評価(以下単に「評価」という。)を行うこと。
 事故等原因調査又は他の行政機関等による調査等の結果の評価(以下「事故等原因調査等」という。)の結果に基づき、生命身体事故等による被害の拡大又は当該生命身体事故等と同種若しくは類似の生命身体事故等の発生の防止のため講ずべき施策又は措置について内閣総理大臣に対し勧告すること。
 生命身体事故等による被害の拡大又は当該生命身体事故等と同種若しくは類似の生命身体事故等の発生の防止のため講ずべき施策又は措置について内閣総理大臣又は関係行政機関の長に意見を述べること。
 前各号に掲げる事務を行うために必要な基礎的な調査及び研究を行うこと。
 前各号に掲げるもののほか、法律に基づき調査委員会に属させられた事務

(職権の行使)
第十七条  調査委員会の委員は、独立してその職権を行う。

(組織)
第十八条  調査委員会は、委員七人以内で組織する。
 調査委員会に、特別の事項を調査審議させるため必要があるときは、臨時委員を置くことができる。
 調査委員会に、専門の事項を調査させるため必要があるときは、専門委員を置くことができる。

(委員等の任命)
第十九条  委員及び臨時委員は、調査委員会の所掌事務の遂行につき科学的かつ公正な判断を行うことができると認められる者のうちから、内閣総理大臣が任命する。
 専門委員は、当該専門の事項に関して優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する。

(委員の任期等)
第二十条  委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
 委員は、再任されることができる。
 臨時委員は、その者の任命に係る当該特別の事項に関する調査審議が終了したときは、解任されるものとする。
 専門委員は、その者の任命に係る当該専門の事項に関する調査が終了したときは、解任されるものとする。
 委員、臨時委員及び専門委員は、非常勤とする。

(委員長)
第二十一条  調査委員会に委員長を置き、委員の互選により選任する。
 委員長は、調査委員会の会務を総理し、調査委員会を代表する。
 委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。

(職務従事の制限)
第二十二条  調査委員会は、委員長、委員、臨時委員又は専門委員が事故等原因調査等の対象となる生命身体事故等に係る事故等原因に関係があるおそれのある者であると認めるとき、又はその者と密接な関係を有すると認めるときは、当該委員長、委員、臨時委員又は専門委員を当該事故等原因調査等に従事させてはならない。
 前項の委員長、委員又は臨時委員は、当該事故等原因調査等に関する調査委員会の会議に出席することができない。

    第二節 事故等原因調査等

(事故等原因調査)
第二十三条  調査委員会は、生命身体事故等が発生した場合において、生命身体被害の発生又は拡大の防止(生命身体事故等による被害の拡大又は当該生命身体事故等と同種若しくは類似の生命身体事故等の発生の防止をいう。以下同じ。)を図るため当該生命身体事故等に係る事故等原因を究明することが必要であると認めるときは、事故等原因調査を行うものとする。ただし、当該生命身体事故等について、消費者安全の確保の見地から必要な事故等原因を究明することができると思料する他の行政機関等による調査等の結果を得た場合又は得ることが見込まれる場合においては、この限りでない。
 調査委員会は、事故等原因調査を行うため必要な限度において、次に掲げる処分をすることができる。
 事故等原因に関係があると認められる者(次号及び第三十条において「原因関係者」という。)、生命身体事故等に際し人命の救助に当たった者その他の生命身体事故等の関係者(以下「生命身体事故等関係者」という。)から報告を徴すること。
 生命身体事故等の現場、原因関係者の事務所その他の必要と認める場所に立ち入って、商品等、帳簿、書類その他の生命身体事故等に関係のある物件(以下「関係物件」という。)を検査し、又は生命身体事故等関係者に質問すること。
 生命身体事故等関係者に出頭を求めて質問すること。
 関係物件の所有者、所持者若しくは保管者に対しその提出を求め、又は提出物件を留め置くこと。
 関係物件の所有者、所持者若しくは保管者に対しその保全を命じ、又はその移動を禁止すること。
 生命身体事故等の現場に、公務により立ち入る者及び調査委員会が支障がないと認める者以外の者が立ち入ることを禁止すること。
 調査委員会は、必要があると認めるときは、委員長、委員又は専門委員に前項各号に掲げる処分をさせることができる。
 前項の規定により第二項第二号に掲げる処分をする者は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、生命身体事故等関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
 第二項又は第三項の規定による処分の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(他の行政機関等による調査等の結果の評価等)
第二十四条  調査委員会は、生命身体事故等が発生した場合において、生命身体被害の発生又は拡大の防止を図るため当該生命身体事故等に係る事故等原因を究明することが必要であると認める場合において、前条第一項ただし書に規定する他の行政機関等による調査等の結果を得たときは、その評価を行うものとする。
 調査委員会は、前項の評価の結果、消費者安全の確保の見地から必要があると認めるときは、当該他の行政機関等による調査等に関する事務を所掌する行政機関の長に対し、当該生命身体事故等に係る事故等原因の究明に関し意見を述べることができる。
 調査委員会は、第一項の評価の結果、更に調査委員会が消費者安全の確保の見地から当該生命身体事故等に係る事故等原因を究明するために調査を行う必要があると認めるときは、事故等原因調査を行うものとする。
 第一項の他の行政機関等による調査等に関する事務を所掌する行政機関の長は、当該他の行政機関等による調査等に関して調査委員会の意見を聴くことができる。

(調査等の委託)
第二十五条  調査委員会は、事故等原因調査等を行うため必要があると認めるときは、当該事故等原因調査等に係る調査又は研究の実施に関する事務の一部を、独立行政法人通則法 (平成十一年法律第百三号)第二条第一項 に規定する独立行政法人、一般社団法人若しくは一般財団法人、事業者その他の民間の団体又は学識経験を有する者に委託することができる。
 前項の規定により事務の委託を受けた者若しくはその役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、当該委託に係る事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
 第一項の規定により事務の委託を受けた者又はその役員若しくは職員であって当該委託に係る事務に従事するものは、刑法 (明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

(生命身体事故等の発生に関する情報の報告)
第二十六条  内閣総理大臣は、第十二条第一項又は第二項の規定により生命身体事故等の発生に関する情報の通知を受けた場合その他生命身体事故等の発生に関する情報を得た場合においては、速やかに調査委員会にその旨を報告しなければならない。

(内閣総理大臣の援助)
第二十七条  調査委員会は、事故等原因調査を行うために必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、生命身体事故等についての事実の調査又は物件の収集の援助その他の必要な援助を求めることができる。
 内閣総理大臣は、前項の規定による援助を求められた場合において、必要があると認めるときは、その職員に第二十三条第二項第二号に掲げる処分をさせることができる。
 内閣総理大臣は、生命身体事故等が発生したことを知った場合において、必要があると認めるときは、生命身体事故等についての事実の調査、物件の収集その他の調査委員会が事故等原因調査を円滑に開始することができるための適切な措置をとらなければならない。
 内閣総理大臣は、前項の規定による措置をとるため必要があると認めるときは、その職員に第二十三条第二項各号に掲げる処分をさせることができる。
 第二十三条第四項及び第五項の規定は、第二項又は前項の規定により職員が処分をする場合について準用する。

(事故等原因調査等の申出)
第二十八条  何人も、生命身体被害の発生又は拡大の防止を図るために事故等原因調査等が必要であると思料するときは、調査委員会に対し、その旨を申し出て、事故等原因調査等を行うよう求めることができる。この場合においては、内閣府令で定めるところにより、当該申出に係る生命身体事故等の内容及びこれに対する事故等原因調査等の必要性その他内閣府令で定める事項を記載した書面を添えなければならない。
 調査委員会は、前項の規定による申出があったときは、必要な検討を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、事故等原因調査等を行わなければならない。
 被害者又は被害者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹(以下この項において「被害者等」という。)が第一項の規定により申出をした場合において、当該申出が、自ら負傷若しくは疾病を被り、又は配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹が死亡し若しくは負傷若しくは疾病を被った第二条第七項第一号に掲げる事故に該当するものに係るものであるときは、調査委員会は、事故等原因調査等を行うこととしたときはその旨を、行わないこととしたときはその旨及びその理由を、速やかに、当該被害者等に通知しなければならない。

(申出を受けた場合における通知)
第二十九条  調査委員会は、前条第一項の規定による申出により重大事故等が発生した旨の情報を得たときは、直ちに、内閣総理大臣に対し、内閣府令で定めるところにより、その旨及び当該重大事故等の概要その他内閣府令で定める事項を通知しなければならない。
 調査委員会は、前条第一項の規定による申出により生命身体事故等(重大事故等を除く。)が発生した旨の情報を得た場合であって、当該生命身体事故等の態様、当該生命身体事故等に係る商品等又は役務の特性その他当該生命身体事故等に関する状況に照らし、当該生命身体事故等による被害が拡大し、又は当該生命身体事故等と同種若しくは類似の生命身体事故等が発生するおそれがあると認めるときは、内閣総理大臣に対し、内閣府令で定めるところにより、当該生命身体事故等が発生した旨及び当該生命身体事故等の概要その他内閣府令で定める事項を通知するものとする。
 前二項の規定は、調査委員会が、第十二条第一項又は第二項の規定による通知をしなければならないこととされている者から前条第一項の規定による申出を受けた場合には、適用しない。

(原因関係者の意見の聴取)
第三十条  調査委員会は、事故等原因調査を完了する前に、原因関係者に対し、意見を述べる機会を与えなければならない。

(報告書等)
第三十一条  調査委員会は、事故等原因調査を完了したときは、当該生命身体事故等に関する次の事項を記載した報告書を作成し、これを内閣総理大臣に提出するとともに、公表しなければならない。
 事故等原因調査の経過
 認定した事実
 事実を認定した理由
 事故等原因
 その他必要な事項
 調査委員会は、前項の報告書を作成するに当たり、少数意見があるときは、当該報告書にこれを付記するものとする。
 調査委員会は、事故等原因調査を完了する前においても、当該事故等原因調査を開始した日から一年以内に事故等原因調査を完了することが困難であると見込まれる状況にあることその他の事由により必要があると認めるときは、事故等原因調査の経過について、内閣総理大臣に報告するとともに、公表するものとする。

    第三節 勧告及び意見の陳述

(内閣総理大臣に対する勧告)
第三十二条  調査委員会は、事故等原因調査等を完了した場合において、必要があると認めるときは、その結果に基づき、内閣総理大臣に対し、生命身体被害の発生又は拡大の防止のため講ずべき施策又は措置について勧告することができる。
 内閣総理大臣は、前項の規定による勧告に基づき講じた施策又は措置について調査委員会に通報しなければならない。

(意見の陳述)
第三十三条  調査委員会は、消費者安全の確保の見地から必要があると認めるときは、生命身体事故等による被害の拡大又は当該生命身体事故等と同種若しくは類似の生命身体事故等の発生の防止のため講ずべき施策又は措置について内閣総理大臣又は関係行政機関の長に意見を述べることができる。

    第四節 雑則

(情報の提供)
第三十四条  調査委員会は、事故等原因調査等の実施に当たっては、被害者及びその家族又は遺族の心情に十分配慮し、これらの者に対し、当該事故等原因調査等に関する情報を、適時に、かつ、適切な方法で提供するものとする。

(関係行政機関等の協力)
第三十五条  調査委員会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長等に対し、資料の提供、意見の表明、事故等原因の究明のために必要な分析又は検査の実施その他必要な協力を求めることができる。

(政令への委任)
第三十六条  この法律に定めるもののほか、調査委員会に関し必要な事項は、政令で定める。

(不利益取扱いの禁止)
第三十七条  何人も、第二十三条第二項若しくは第三項若しくは第二十七条第二項若しくは第四項の規定による処分に応ずる行為をしたこと又は第二十八条第一項の規定による申出をしたことを理由として、解雇その他の不利益な取扱いを受けない。

   第六章 消費者被害の発生又は拡大の防止のための措置

(消費者への注意喚起等)
第三十八条  内閣総理大臣は、第十二条第一項若しくは第二項又は第二十九条第一項若しくは第二項の規定による通知を受けた場合その他消費者事故等の発生に関する情報を得た場合において、当該消費者事故等による被害の拡大又は当該消費者事故等と同種若しくは類似の消費者事故等の発生(以下「消費者被害の発生又は拡大」という。)の防止を図るため消費者の注意を喚起する必要があると認めるときは、当該消費者事故等の態様、当該消費者事故等による被害の状況その他の消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を都道府県及び市町村に提供するとともに、これを公表するものとする。
 内閣総理大臣は、第十二条第一項若しくは第二項又は第二十九条第一項若しくは第二項の規定による通知を受けた場合その他消費者事故等の発生に関する情報を得た場合において、消費者被害の発生又は拡大の防止を図るために相当であると認めるときは、関係行政機関の長等に対し、消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を提供することができる。
 内閣総理大臣は、第一項の規定による公表をした場合においては、独立行政法人国民生活センター法 (平成十四年法律第百二十三号)第四十四条第一項 の規定によるほか、国民生活センターに対し、第一項の消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報の消費者に対する提供に関し必要な措置をとることを求めることができる。
 独立行政法人国民生活センター法第四十四条第二項の規定は、前項の場合について準用する。

(他の法律の規定に基づく措置の実施に関する要求)
第三十九条  内閣総理大臣は、第十二条第一項若しくは第二項又は第二十九条第一項若しくは第二項の規定による通知を受けた場合その他消費者事故等の発生に関する情報を得た場合において、消費者被害の発生又は拡大の防止を図るために実施し得る他の法律の規定に基づく措置があり、かつ、消費者被害の発生又は拡大の防止を図るため、当該措置が速やかに実施されることが必要であると認めるときは、当該措置の実施に関する事務を所掌する大臣に対し、当該措置の速やかな実施を求めることができる。
 内閣総理大臣は、前項の規定により同項の措置の速やかな実施を求めたときは、同項の大臣に対し、その措置の実施状況について報告を求めることができる。

(事業者に対する勧告及び命令)
第四十条  内閣総理大臣は、商品等又は役務が消費安全性を欠くことにより重大事故等が発生した場合(当該重大事故等による被害の拡大又は当該重大事故等とその原因を同じくする重大事故等の発生(以下「重大生命身体被害の発生又は拡大」という。)の防止を図るために実施し得る他の法律の規定に基づく措置がある場合を除く。)において、重大生命身体被害の発生又は拡大の防止を図るため必要があると認めるときは、当該商品等(当該商品等が消費安全性を欠く原因となった部品、製造方法その他の事項を共通にする商品等を含む。以下この項において同じ。)又は役務を供給し、提供し、又は利用に供する事業者に対し、当該商品等又は役務につき、必要な点検、修理、改造、安全な使用方法の表示、役務の提供の方法の改善その他の必要な措置をとるべき旨を勧告することができる。
 内閣総理大臣は、前項の規定による勧告を受けた事業者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において、重大生命身体被害の発生又は拡大の防止を図るため特に必要があると認めるときは、当該事業者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
 内閣総理大臣は、重大生命身体被害の発生又は拡大の防止を図るために他の法律の規定に基づく措置が実施し得るに至ったことその他の事由により前項の命令の必要がなくなったと認めるときは、同項の規定による命令を変更し、又は取り消すものとする。
 内閣総理大臣は、多数消費者財産被害事態が発生した場合(当該多数消費者財産被害事態による被害の拡大又は当該多数消費者財産被害事態と同種若しくは類似の多数消費者財産被害事態の発生(以下この条において「多数消費者財産被害事態による被害の発生又は拡大」という。)の防止を図るために実施し得る他の法律の規定に基づく措置がある場合を除く。)において、多数消費者財産被害事態による被害の発生又は拡大の防止を図るため必要があると認めるときは、当該多数消費者財産被害事態を発生させた事業者に対し、消費者の財産上の利益を侵害することとなる不当な取引の取りやめその他の必要な措置をとるべき旨を勧告することができる。
 内閣総理大臣は、前項の規定による勧告を受けた事業者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において、多数消費者財産被害事態による被害の発生又は拡大の防止を図るため特に必要があると認めるときは、当該事業者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
 内閣総理大臣は、多数消費者財産被害事態による被害の発生又は拡大の防止を図るために他の法律の規定に基づく措置が実施し得るに至ったことその他の事由により前項の命令の必要がなくなったと認めるときは、同項の規定による命令を変更し、又は取り消すものとする。
 内閣総理大臣は、第二項若しくは第五項の規定による命令をしようとするとき又は第三項若しくは前項の規定による命令の変更若しくは取消しをしようとするときは、あらかじめ、消費者委員会の意見を聴かなければならない。
 内閣総理大臣は、第二項若しくは第五項の規定による命令をしたとき又は第三項若しくは第六項の規定による命令の変更若しくは取消しをしたときは、その旨を公表しなければならない。

(譲渡等の禁止又は制限)
第四十一条  内閣総理大臣は、商品等が消費安全性を欠くことにより重大事故等が発生し、かつ、当該重大事故等による被害が拡大し、又は当該重大事故等とその原因を同じくする重大事故等が発生する急迫した危険がある場合(重大生命身体被害の発生又は拡大の防止を図るために実施し得る他の法律の規定に基づく措置がある場合を除く。)において、重大生命身体被害の発生又は拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、必要な限度において、六月以内の期間を定めて、当該商品等(当該商品等が消費安全性を欠く原因となった部品、製造方法その他の事項を共通にする商品等を含む。)を事業として又は事業のために譲渡し、引き渡し、又は役務に使用することを禁止し、又は制限することができる。
 内閣総理大臣は、重大生命身体被害の発生又は拡大の防止を図るために他の法律の規定に基づく措置が実施し得るに至ったことその他の事由により前項の禁止又は制限の必要がなくなったと認めるときは、同項の規定による禁止又は制限の全部又は一部を解除するものとする。
 内閣総理大臣は、第一項の規定による禁止若しくは制限をしようとするとき又は前項の規定による禁止若しくは制限の全部若しくは一部の解除をしようとするときは、あらかじめ、消費者委員会の意見を聴かなければならない。
 第一項の規定による禁止若しくは制限又は第二項の規定による禁止若しくは制限の全部若しくは一部の解除は、内閣府令で定めるところにより、官報に告示して行う。

(回収等の命令)
第四十二条  内閣総理大臣は、事業者が前条第一項の規定による禁止又は制限に違反した場合においては、当該事業者に対し、禁止又は制限に違反して譲渡し、又は引き渡した商品又は製品の回収を図ることその他当該商品等による重大生命身体被害の発生又は拡大を防止するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(消費者委員会の勧告等)
第四十三条  消費者委員会は、消費者、事業者、関係行政機関の長その他の者から得た情報その他の消費者事故等に関する情報を踏まえて必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、消費者被害の発生又は拡大の防止に関し必要な勧告をすることができる。
 消費者委員会は、前項の規定により勧告をしたときは、内閣総理大臣に対し、その勧告に基づき講じた措置について報告を求めることができる。

(都道府県知事による要請)
第四十四条  都道府県知事は、当該都道府県の区域内における消費者被害の発生又は拡大の防止を図るため必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、消費者安全の確保に関し必要な措置の実施を要請することができる。この場合においては、当該要請に係る措置の内容及びその理由を記載した書面を添えなければならない。
 内閣総理大臣は、前項の規定による要請(以下この条において「措置要請」という。)を受けた場合において、消費者被害の発生又は拡大の防止を図るために実施し得る他の法律の規定に基づく措置があるときは、当該措置の実施に関する事務を所掌する大臣に同項の書面を回付しなければならない。
 前項の規定による回付を受けた大臣は、内閣総理大臣に対し、当該措置要請に係る措置の内容の全部又は一部を実現することとなる措置を実施することとするときはその旨を、当該措置要請に係る措置の内容の全部又は一部を実現することとなる措置を実施する必要がないと認めるときはその旨及びその理由を、遅滞なく、通知しなければならない。
 内閣総理大臣は、前項の規定による通知を受けたときは、その内容を、遅滞なく、当該措置要請をした都道府県知事に通知しなければならない。

(報告、立入調査等)
第四十五条  内閣総理大臣は、この法律の施行に必要な限度において、事業者に対し、必要な報告を求め、その職員に、当該事業者の事務所、事業所その他その事業を行う場所に立ち入り、必要な調査若しくは質問をさせ、又は調査に必要な限度において当該事業者の供給する物品を集取させることができる。ただし、物品を集取させるときは、時価によってその対価を支払わなければならない。
 前項の規定により立入調査、質問又は集取をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

   第七章 雑則

(権限の委任)
第四十六条  内閣総理大臣は、前条第一項の規定による権限その他この法律の規定による権限(政令で定めるものを除く。)を消費者庁長官に委任する。
 前項の規定により消費者庁長官に委任された前条第一項の規定による権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事又は消費生活センターを置く市町村の長が行うこととすることができる。

(事務の区分)
第四十七条  前条第二項の規定により地方公共団体が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

(内閣府令への委任)
第四十八条  この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、内閣府令で定める。

(経過措置)
第四十九条  この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

   第八章 罰則

第五十条  次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
 第四十一条第一項の規定による禁止又は制限に違反した者
 第四十二条の規定による命令に違反した者

第五十一条  第四十条第二項又は第五項の規定による命令に違反した者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第五十二条  第二十五条第二項の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

第五十三条  第四十五条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による立入調査若しくは集取を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者は、五十万円以下の罰金に処する。

第五十四条  次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
 第二十三条第二項第一号若しくは第三項又は第二十七条第四項の規定による報告の徴取に対して虚偽の報告をした者
 第二十三条第二項第二号若しくは第三項若しくは第二十七条第二項若しくは第四項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又はこれらの規定による質問に対して虚偽の陳述をした者
 第二十三条第二項第三号若しくは第三項又は第二十七条第四項の規定による質問に対して虚偽の陳述をした者
 第二十三条第二項第四号若しくは第三項又は第二十七条第四項の規定による処分に違反して物件を提出しない者
 第二十三条第二項第五号若しくは第三項又は第二十七条第四項の規定による処分に違反して物件を保全せず、又は移動した者

第五十五条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
 第五十条及び第五十一条 一億円以下の罰金刑
 前二条 各本条の罰金刑

   附 則 抄

(施行期日)
 この法律は、消費者庁及び消費者委員会設置法(平成二十一年法律第四十八号)の施行の日から施行する。
(検討)
 政府は、この法律の施行後三年以内に、消費者被害の発生又は拡大の状況その他経済社会情勢等を勘案し、消費者の財産に対する重大な被害を含め重大事故等の範囲について検討を加え、必要な措置を講ずるものとする。
 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、前項に定める事項のほか、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

   附 則 (平成二四年九月五日法律第七七号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成二十四年十月一日から施行する。ただし、第二条の規定は、平成二十五年四月一日から施行する。

(経過措置)
第二条  第一条の規定による改正後の消費者安全法の規定は、この法律の施行前に発生した生命身体事故等にも適用する。

(検討)
第三条  政府は、この法律(第二条の規定については、当該規定。以下この条において同じ。)の施行後五年を経過した場合において、この法律の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

   附 則 (平成二六年六月一三日法律第七一号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 次条及び附則第五条の規定 公布の日
 第一条中不当景品類及び不当表示防止法第十条の改正規定及び同法本則に一条を加える改正規定、第二条の規定(次号に掲げる改正規定を除く。)並びに附則第三条及び第七条から第十一条までの規定 公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日
 第二条中消費者安全法第十条の次に三条を加える改正規定(第十条の四に係る部分に限る。) 公布の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日

(消費者安全法の一部改正に伴う経過措置)
第三条  第二条の規定(附則第一条第三号に掲げる改正規定を除く。以下この条において同じ。)の施行の際現に第二条の規定による改正前の消費者安全法第八条第一項第二号イ及びロ又は第二項第一号及び第二号に掲げる事務その他これに準ずるものとして内閣府令で定める事務に従事した経験を有する者(事業者に対する消費者からの苦情に係る相談に適切に応じることができるものとして内閣府令で定める基準に適合する者に限る。)は、第二条の規定による改正後の消費者安全法第十条の三第一項の消費生活相談員資格試験(次項において単に「試験」という。)に合格した者とみなす。
 前項に規定する場合のほか、内閣府令で定めるところにより内閣総理大臣の指定する者が実施する講習会の課程を修了した者(事業者に対する消費者からの苦情に係る相談に適切に応じることができるものとして内閣府令で定める基準に適合する者に限る。)は、第二条の規定の施行後五年内に限り、試験に合格した者とみなす。

(罰則に関する経過措置)
第四条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第五条  この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

(検討)
第六条  政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。