新規化学物質に係る試験並びに優先評価化学物質及び監視化学物質に係る有害性の調査の項目等を定める省令
(平成二十二年三月三十一日厚生労働省・経済産業省・環境省令第三号)



 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律 の一部を改正する法律(平成二十一年法律第三十九号)の一部の施行に伴い、及び化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律 (昭和四十八年法律第百十七号)の規定に基づき、新規化学物質に係る試験並びに第一種監視化学物質及び第二種監視化学物質に係る有害性の調査の項目等を定める省令の全部を改正する省令を次のように定める。

(新規化学物質の判定を行うために必要な試験の項目等)
第一条  化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律 (以下「法」という。)第四条第五項法第七条第二項 において準用する場合を含む。)で定める法第四条第一項 及び第二項 の届出に係る新規化学物質(当該新規化学物質について第二号イの試験により生成したと認められた化学物質(元素を含む。以下同じ。)がある場合には、当該化学物質。以下同じ。)に係る判定を行うために必要な試験の項目その他の技術的な事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める事項とする。
 届出に係る新規化学物質について既に得られている知見に基づく法第四条第一項 に定める判定を行う場合 次に掲げる事項
 物理化学的性状に関する試験についての知見
 構造式に関する知見
 示性式に関する知見
 成分組成に関する知見
 生物に対する挙動に関する知見
 その他判定を行うために必要と認められる知見
 法第四条第一項第六号 に該当すると判定された新規化学物質について実施される試験の試験成績に基づく同条第二項 に定める判定を行う場合 次に掲げる事項
 自然的作用による化学的変化を生じにくいものであるかどうかについては、微生物等による化学物質の分解度試験
 生物の体内に蓄積されやすいものであるかどうかについては、魚介類の体内における化学物質の濃縮度試験又は一―オクタノールと水との間の分配係数測定試験
 継続的に摂取される場合には人の健康を損なうおそれがあるものであるかどうかについては、化学物質の慢性毒性試験、生殖能及び後世代に及ぼす影響に関する試験、催奇形性試験、変異原性試験、がん原性試験、生体内運命に関する試験及び薬理学的試験
 継続的に摂取される場合には高次捕食動物(法第二条第二項第一号 ロ(2)に規定する高次捕食動物をいう。第六条において同じ。)の生息又は生育に支障を及ぼすおそれがあるものであるかどうかについては、化学物質のほ乳類の生殖能及び後世代に及ぼす影響に関する試験並びに鳥類の繁殖に及ぼす影響に関する試験
 新規化学物質が法第二条第三項第一号 に該当する疑いのあるものであるかどうかの判定(同号 に該当するものであるかどうかの判定を除く。)にあっては、前項第二号ハの規定にかかわらず、継続的に摂取される場合には人の健康を損なうおそれがあるものであるかどうかについては、ほ乳類を用いる二十八日間の反復投与毒性試験並びに細菌を用いる復帰突然変異試験及びほ乳類培養細胞を用いる染色体異常試験による変異原性試験の試験成績に基づき判定を行うものとする。
 新規化学物質が法第四条第一項第二号 ロに該当するものであるかどうかの判定にあっては、第一項第二号ニの規定にかかわらず、動植物の生息又は生育に支障を及ぼすおそれがあるものであるかどうかについては、藻類生長阻害試験、ミジンコ急性遊泳阻害試験及び魚類急性毒性試験の試験成績に基づき判定を行うものとする。

(新規化学物質に係る試験成績)
第二条  新規化学物質について法第二条第五項 の指定を行う際の試験の試験成績は、継続的に摂取される場合には人の健康を損なうおそれがあるものに該当しないことが明らかであるかどうかについては、前条第二項に規定する試験の試験成績又は厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣がこれと同等以上のものとして別に定める試験の試験成績とする。

(審査の特例等の対象となる新規化学物質に係る知見等)
第三条  法第五条第二項 の判定は、届出に係る新規化学物質について既に得られているその構造式、示性式、成分組成、物理化学的性状、生物に対する挙動等に関する知見に基づき行うものとする。
 法第五条第三項 の判定は、同条第二項第三号 に該当するものと判定された新規化学物質について、次の各号に掲げる試験を実施し、その試験成績に基づき行うものとする。
 自然的作用による化学的変化を生じにくいものであるかどうかについては、微生物等による化学物質の分解度試験
 生物の体内に蓄積されやすいものであるかどうかについては、魚介類の体内における化学物質の濃縮度試験又は一―オクタノールと水との間の分配係数測定試験

(優先評価化学物質に係る試験)
第四条  法第十条第一項 に規定する優先評価化学物質の性状に関する試験であって厚生労働省令、経済産業省令、環境省令で定めるものは、次のとおりとする。
 物理化学的性状に関する試験
 自然的作用による化学的変化を生じにくいものであるかどうかについては、微生物等による化学物質の分解度試験
 生物の体内に蓄積されやすいものであるかどうかについては、魚介類の体内における化学物質の濃縮度試験又は一―オクタノールと水との間の分配係数測定試験
 人の健康を損なうおそれがあるものであるかどうかについては、ほ乳類を用いる二十八日間の反復投与毒性試験並びに細菌を用いる復帰突然変異試験及びほ乳類培養細胞を用いる染色体異常試験による変異原性試験並びに厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣がこれと同等以上のものとして別に定める試験
 生活環境動植物(法第二条第二項第一号 ロ(2)に規定する生活環境動植物をいう。次条において同じ。)の生息又は生育に支障を及ぼすおそれがあるものであるかどうかについては、藻類生長阻害試験、ミジンコ急性遊泳阻害試験及び魚類急性毒性試験

(優先評価化学物質に係る有害性の調査)
第五条  法第十条第二項 に規定する厚生労働省令、経済産業省令、環境省令で定める有害性の調査は、次のとおりとする。
 継続的に摂取される場合には人の健康を損なうおそれがあるものであるかどうかについては、化学物質の慢性毒性、生殖能及び後世代に及ぼす影響、催奇形性、変異原性、がん原性、生体内運命又は薬理学的特性についての調査
 継続的に摂取され、又はこれにさらされる場合には生活環境動植物の生息又は生育に支障を及ぼすおそれがあるものであるかどうかについては、藻類の生長に及ぼす影響、ミジンコの繁殖に及ぼす影響、魚類の初期生活段階における生息又は生育に及ぼす影響その他優先評価化学物質の環境における残留の状況からみて経済産業大臣及び環境大臣が特に必要があると認める生活環境動植物の生息又は生育に及ぼす影響についての調査

(監視化学物質に係る有害性の調査)
第六条  法第十四条第一項 に規定する厚生労働省令、経済産業省令、環境省令で定める有害性の調査は、次のとおりとする。
 継続的に摂取される場合には人の健康を損なうおそれがあるものであるかどうかについては、化学物質の慢性毒性、生殖能及び後世代に及ぼす影響、催奇形性、変異原性、がん原性、生体内運命又は薬理学的特性についての調査
 継続的に摂取される場合には高次捕食動物の生息又は生育に支障を及ぼすおそれがあるものであるかどうかについては、ほ乳類の生殖能及び後世代に及ぼす影響又は鳥類の繁殖に及ぼす影響についての調査

(試験施設等)
第七条  第一条から第四条までの試験は、試験成績の信頼性を確保するために必要な施設、機器、職員等を有し、かつ、適正に運営管理されていると認められる試験施設等において実施されなければならない。
 前項の規定は、第一条第一項第一号及び第三条第一項の知見を得るために行われた試験並びに第五条及び前条の調査のための試験について準用する。

   附 則

 この省令は、平成二十三年四月一日から施行する。