湖沼水質保全特別措置法
(昭和五十九年七月二十七日法律第六十一号)
最終改正:平成二二年五月一〇日法律第三一号
第一章 総則(第一条・第二条)
第二章 指定湖沼の水質の保全に関する計画等(第三条―第六条)
第三章 指定湖沼の水質の保全に関する特別の措置
第一節 湖沼特定事業場等に関する措置(第七条―第十四条)
第二節 指定施設等に関する措置(第十五条―第二十二条)
第三節 汚濁負荷量の総量の削減等(第二十三条・第二十四条)
第四節 流出水対策の推進(第二十五条―第二十八条)
第五節 湖辺環境等の保護(第二十九条―第三十六条)
第四章 雑則(第三十七条―第四十三条)
第五章 罰則(第四十四条―第四十九条)
附則
第一章 総則
第一条
この法律は、湖沼の水質の保全を図るため、湖沼水質保全基本方針を定めるとともに、水質の汚濁に係る環境基準の確保が緊要な湖沼について水質の保全に関し実施すべき施策に関する計画の策定及び汚水、廃液その他の水質の汚濁の原因となる物を排出する施設に係る必要な規制を行う等の特別の措置を講じ、もつて国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
第二条
国は、湖沼の水質の保全を図るための基本方針(以下「湖沼水質保全基本方針」という。)を定めなければならない。
2
湖沼水質保全基本方針には、次の事項を定めるものとする。
二
第四条第一項の湖沼水質保全計画の策定、第二十五条第一項の流出水対策地区の指定、第二十九条第一項の湖辺環境保護地区の指定その他指定湖沼の水質の保全のための施策に関する基本的な事項
三
前二号に掲げるもののほか、湖沼の水質の保全に関する重要事項
3
湖沼水質保全基本方針は、湖沼が健康で文化的な生活の確保に重要な役割を果たしていることにかんがみ、現在及び将来の国民がその恵沢を享受することができるように、湖沼の有する治水、利水、水産その他の公益的機能に十分配慮しつつ、湖沼の特性及び汚濁原因に応じた均衡ある水質保全対策を適切に講ずることを基本理念として定めるものとする。
4
環境大臣は、湖沼水質保全基本方針の案を作成して、閣議の決定を求めなければならない。
5
環境大臣は、前項の規定による閣議の決定があつたときは、遅滞なく、湖沼水質保全基本方針を公表しなければならない。
6
前二項の規定は、湖沼水質保全基本方針の変更について準用する。
第二章 指定湖沼の水質の保全に関する計画等
第三条
環境大臣は、都道府県知事の申出に基づき、
環境基本法
(平成五年法律第九十一号)
第十六条第一項
の規定による水質の汚濁に係る環境上の条件についての基準(第二十三条第一項において「水質環境基準」という。)が現に確保されておらず、又は確保されないこととなるおそれが著しい湖沼であつて、当該湖沼の水の利用状況、水質の汚濁の推移等からみて特に水質の保全に関する施策を総合的に講ずる必要があると認められるものを指定湖沼として指定することができる。
2
環境大臣は、指定湖沼の水質の汚濁に関係があると認められる地域を指定地域として指定するものとする。
3
環境大臣は、指定湖沼又は指定地域を指定しようとするときは、前項の地域を管轄する都道府県知事(指定湖沼の指定については、第一項の申出をした都道府県知事を除く。)の意見を聴かなければならない。
4
都道府県知事は、第一項の申出をし、又は前項の意見を述べようとするときは、関係市町村長の意見を聴かなければならない。
5
環境大臣が指定湖沼又は指定地域の指定をするには、閣議の決定を経なければならない。
6
環境大臣は、指定湖沼又は指定地域を指定するときは、その旨を官報で公示しなければならない。
7
第一項(都道府県知事の申出に係る部分に限る。)及び第三項から前項までの規定は指定湖沼の指定の変更又は解除について、第三項から前項までの規定は指定地域の指定の変更又は解除について準用する。
第四条
都道府県知事は、前条の規定により指定湖沼及び指定地域が定められたときは、湖沼水質保全基本方針に基づき、当該指定地域において当該指定湖沼につき湖沼の水質の保全に関し実施すべき施策に関する計画(以下「湖沼水質保全計画」という。)を定めなければならない。
2
指定地域が二以上の都府県の区域にわたる場合にあつては、関係都府県知事は、その協議によつて湖沼水質保全計画を定めるものとする。
3
湖沼水質保全計画においては、次の事項を定めるものとする。
三
下水道、し尿処理施設及び浄化槽の整備、しゆんせつその他の湖沼の水質の保全に資する事業に関すること。
四
湖沼の水質の保全のための規制その他の措置に関すること。
五
前各号に掲げるもののほか、湖沼の水質の保全のために必要な措置に関すること。
4
都道府県知事は、湖沼水質保全計画を定めようとする場合において必要があると認めるときは、あらかじめ、公聴会の開催等指定地域の住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。
5
都道府県知事は、湖沼水質保全計画を定めようとするときは、当該湖沼水質保全計画に定められる事業を実施する者(国を除く。)及び関係市町村長の意見を聴き、かつ、当該指定湖沼を管理する河川管理者(
河川法
(昭和三十九年法律第百六十七号)
第七条
(
同法第百条
において準用する場合を含む。)に規定する河川管理者をいう。以下同じ。)に協議するとともに、環境大臣に協議し、その同意を得なければならない。
6
環境大臣は、前項の同意をしようとするときは、公害対策会議の議を経なければならない。
7
都道府県知事は、湖沼水質保全計画を定めたときは、遅滞なく、これを関係市町村長に送付するとともに、公表しなければならない。
8
第二項及び第四項から前項までの規定は、湖沼水質保全計画の変更(第二十三条第一項の湖沼総量削減計画及び第二十六条第一項の流出水対策推進計画を策定し、又は変更する場合を含む。)について準用する。
第五条
湖沼水質保全計画に定められた事業は、当該事業に関する法律(これに基づく命令を含む。)の規定に従い、国、地方公共団体その他の者が実施するものとする。
第六条
国及び地方公共団体は、湖沼水質保全計画の達成に必要な措置を講ずるように努めるものとする。
第三章 指定湖沼の水質の保全に関する特別の措置
第一節 湖沼特定事業場等に関する措置
第七条
都道府県知事は、指定地域にあつては、
水質汚濁防止法
(昭和四十五年法律第百三十八号)
第二条第二項
に規定する特定施設(第十四条の規定により
同法第二条第三項
に規定する指定地域特定施設とみなされる施設を含む。第十五条第一項、第二十四条、第二十五条第一項及び第四十三条において同じ。)で政令で定める施設以外のもの(以下「湖沼特定施設」という。)を設置する指定地域内の工場又は事業場で政令で定める規模以上のもの(以下「湖沼特定事業場」という。)から公共用水域(
同法第二条第一項
に規定する公共用水域をいう。以下同じ。)に排出される水(以下「排出水」という。)の汚濁負荷量(
同法第二条第二項第二号
に規定する項目のうち化学的酸素要求量その他の項目で指定湖沼ごとに政令で定めるもので表示した汚濁負荷量をいう。次項、次条及び第十条において同じ。)について、湖沼水質保全計画に基づき、環境省令で定めるところにより、指定湖沼の水質を保全するための規制基準を定めなければならない。
2
前項の規制基準は、湖沼特定事業場につき当該湖沼特定事業場から排出される排出水の汚濁負荷量について定める許容限度とする。
3
都道府県知事は、第一項の規制基準を定めるときは、公示しなければならない。これを変更し、又は廃止するときも、同様とする。
第八条
都道府県知事は、湖沼特定施設について
水質汚濁防止法第五条第一項
又は
第七条
(第十四条の規定によりこれらの規定が適用される場合を含む。)の規定による届出があつた場合において、その届出に係る湖沼特定施設が設置される湖沼特定事業場(工場又は事業場で、当該湖沼特定施設の設置又は構造等の変更により新たに湖沼特定事業場となるものを含む。)について、当該湖沼特定事業場から排出される排出水の汚濁負荷量が前条第一項の規制基準に適合しないと認めるときは、その届出を受理した日から六十日以内に限り、当該湖沼特定事業場の設置者に対し、当該湖沼特定事業場における汚水又は廃液の処理の方法の改善その他必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
第九条
湖沼特定事業場の設置者は、当該湖沼特定事業場に係る第七条第一項の規制基準を遵守しなければならない。
第十条
都道府県知事は、その汚濁負荷量が第七条第一項の規制基準に適合しない排出水が排出されるおそれがあると認めるときは、当該排出水に係る湖沼特定事業場の設置者に対し、期限を定めて、当該湖沼特定事業場における汚水又は廃液の処理の方法の改善その他必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
第十一条
湖沼特定事業場を譲り受け、若しくは借り受け、又は相続、合併若しくは分割により取得した者は、第八条及び前条の規定の適用については、当該湖沼特定事業場の設置者の地位を承継する。
2
都道府県知事は、前項に規定する湖沼特定施設に係る排出水に起因する指定湖沼の水質の汚濁により生活環境に係る被害を生ずるおそれがあると認めるときは、前項に規定する法律に基づく権限を有する国の行政機関の長(第四項において単に「行政機関の長」という。)に対し、第八条の規定に相当する
鉱山保安法
、
電気事業法
又は
海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律
の規定による措置を執るべきことを要請することができる。
4
都道府県知事は、第一項に規定する湖沼特定施設について、第十条の規定による命令をしようとするときは、あらかじめ、行政機関の長に協議しなければならない。
第十三条
指定地域における
水質汚濁防止法第二十二条第一項
の規定の適用については、
同項
中「この法律」とあるのは、「この法律(湖沼水質保全特別措置法第七条から第十条までの規定を含む。)」とする。
第十四条
指定地域においては、湖沼の水質にとつて
水質汚濁防止法第二条第二項第二号
に規定する程度の汚水又は廃液を排出する施設として政令で定める施設について、これを
同条第三項
に規定する指定地域特定施設とみなし、
同法
の規定を適用する。この場合において、
同法第六条第二項
及び
第十二条第三項
中「指定地域において」とあるのは「湖沼水質保全特別措置法第三条第二項の指定地域(以下この項において「特定地域」という。)において」と、「指定地域となつた」とあるのは「特定地域となつた」と、同法第六条第二項中「湖沼水質保全特別措置法第十四条の規定により指定地域特定施設とみな